日時 令和2年7月14日(火曜日)10時43分~11時1分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)令和2年7月豪雨に係る農林水産業の被害状況と農林水産省の対応について
  • 令和2年7月豪雨の被害に係る農林水産省の支援策について
  • 新茶の価格について
  • Go To Eatキャンペーンについて

 

大臣

  御報告がございます。
  令和2年7月豪雨関係でございます。これまで、九州地方や東海地方での大雨によりまして、河川の氾濫や土砂災害などによる被害が各地で発生しております。農林水産業の被害は全国各地で広範囲に広がっています。今後の雨にも大変心配がされております。先週金曜日、総理から発表がありましたが、全国を対象とした激甚災害、いわゆる本激への指定見込みが公表されました。農地・農業用施設、林野・水産関連の被災に対する災害復旧事業については、補助率の嵩上げや査定の効率化が行われるということになりますので、周知をさせていただきたいと思っております。
  農林水産業の被害額は、多くの県で調査中であります。特に施設とかですね、細かなところについては、まだ調査の途中でありまして、数字が上がってきておりませんが、本日7月14日、朝6時30分現在で、熊本県・鹿児島県を中心に、35道府県で191億円という数字になっております。このうち、林野関係では、971箇所の山腹崩壊、林道施設等の損壊が発生しておりまして、被害額の3分の2を占めております。127億円でございます。農地、農業用施設でも同様の調査中のものが多く、48億円程度となっております。農作物・畜産物等は、ハウスの倒壊や、農業機械・食肉処理施設の水没などの被害が出ておりますけれども、調査中のものが多く、10億円程度しかまだ積み上がっておりません。現在、道府県等と連携をしまして、被害の全容把握に努めておりますが、もう少し時間がかかるというふうに考えます。
  このような中、農林水産省では、被災地に対しまして、本日7月14日、6時30分現在で、延べ288人の職員をMAFF-SAT(マフサット)として派遣をいたしております。被害状況の把握や応急対応に、今努めている途中でございます。食料支援につきましては、市町村への配送済みの乳児用のミルク600点に加えまして、追加的に要請のありました液体ミルク1,400点、これを熊本県の物資集積拠点に昨日配送をいたしました。昨日、更に要請のありました野菜ジュース1万点につきましては、現在手配中でありますので、急ぎたいと思っております。漁港・海岸施設に漂着している流木の問題につきましては、技術支援職員が熊本県等と協力しまして、地元漁協からのヒアリングや、現地調査を実施いたしております。速やかな回収・処理が可能となるように、調整を今行っている最中であります。熊本県を中心に発生した山腹崩壊につきましては、熊本県に技術支援職員を派遣いたしまして、芦北町で早期の災害復旧のため、県と合同の現地調査等を行っております。
  昨日総理から、予備費や災害復旧のための予算を合わせて、4,000億円を超える財源を元に、生業再建等に向けたパッケージの取りまとめを急ぐようにという指示がありましたので、引き続き、被災者への人的な協力を含め、被害の速やかな把握に努めるとともに、早急に農林水産関係の支援対策の中身を詰めてまいりたいというふうに考えております。
  私からは以上です。

記者

  豪雨の被害についてお伺いします。支援対策の中身を詰めていくというお話がありましたけれども、新しい支援策の取りまとめについて、現時点でどういう検討状況か教えてください。

大臣

  先週のこの会見で申し上げたかもしれませんが、まずですね、昨年の台風災害での経験がございます。それについてですね、しっかり、もう一度ですね、検証する。そして、今、一次・二次というコロナ対策も行っております。しかし、今回の雨がですね、コロナとどう連関するかというところはですね、しっかり見なければいけない部分がありますけれども、しかし、これもですね、一部活かせる部分があるかもしれません。ですから、過去に遡って、農林水産省が行ってきたあらゆる支援策を検討した上でですね、そして、災害はその時その時で、災害の内容、そのニーズ、その対策の内容も当然変わることはあり得ることでありますから、当たり前でありますから、それに応えられるようにですね、調査結果を取りまとめながらですね、総理の御指示通り、しっかりとした対策をやりたい。前回の台風の時にも申し上げましたが、このような天災に遭った時にですね、営農を諦めてしまう、農業から離れてしまうというような方がですね、出ることがないように、漁業者の方々も漁に出られなくて大変な御苦労をされています。今の流木撤去等についてはですね、コロナ対策でもやりましたけれども、多面的機能発揮対策事業というのがございます。これ、本激になればですね、コロナ対策でやりました一日一隻6万円とか、一日日当1万円とか、これが使えますので、こういったものも活用してですね、漁場の回復等にも努めていきたいというふうに考えています。

記者

  先ほど大臣からもお話があったんですが、昨日総理が予備費等の4,000億円以上を活用した対策パッケージを取りまとめる考えを示しました。農林関係ではどのような対策に重点を置くのか、改めて大臣のお考えをお聞かせください。

大臣

  これはですね、熊本だけ特別というつもりはもちろんありません。ただ、熊本はですね、地震もありですね、様々な災害に連続して襲われていて、大変な状況であります。ですから、今回はですね、まず、私の方では現場に全く行っておりませんし、政務三役もまだ行っておりません。そして、農政局の方からもですね、まだ十分な数字の報告が上がってきておりませんので、全容を掴まないと、なかなか対策を具体的に進めることはできませんが、ただ、昨年ですね、例えば、果樹、りんごについては150万であるとかですね、思い切った対策を組ませていただきました。それによってですね、もう一回頑張ろうと、そこまで踏み込んでもらえるなら頑張ろうというですね、そういう、力強い反応もいただきましたので、大変、気持ちも、今、落ち込んでおられるのも当然だし、将来に向かってですね、不安を感じてらっしゃる方々も多い、この3年で4回目の被災だというような、大規模なハウス経営の方々の声もテレビで見ました。そういった方々をですね、できる限りですね、きめ細やかに情報を取りながらですね、対策を練っていきたい。しかし、農林水産省にはこれまでの知見がしっかり積み重ねてありますから、工夫をすればですね、月内にはしっかりとしたものがまとめられるのではないか、というふうに思っております。

記者

  会見内容とは異なるんですけれども、コロナの影響もあって、2020年産の新茶の価格が、静岡茶市場で平成以降最安値を更新したということについて、受け止めと、何か今後の対策等あればお聞かせいただければと思います。

大臣

  率直な気持ちとしてですね、大変、ものすごく心配しています。お茶についてはですね、私も党で茶業振興法についてですね、随分、党内で、コアメンバーとして議論させていただいて、お茶の価格の安定、在庫の把握、その他も含めて、随分議論した記憶があります。今回のコロナ対策でもですね、国産農林水産物等の販売促進緊急対策事業、これ1,400億円積みましたけれども、これによってですね、対策はやっています。お茶を買い上げてですね、それを試供品のような形に仕立てていただいて、イベント等で配るというやつを今やらせていただいています。一次募集をやったところですね、71団体がですね、これに参加していただいて、予算規模も42億円使わせていただきました。しかし、その最中であってこの数字ですから、なかなか価格に対するインパクトについては今一つであったかなと。これは大変だというふうに思っています。二次募集をですね、20日までかけておりますから、また二次募集でですね、応募していただければ、買い上げですから、市場に対する効果は期待ができるのではないかと思っています。そして農家の経営についてはですね、コロナ対策でも、貴方もよく御存知だとは思うけれども、10アールで5万円の事業、それから厳選出荷で一人当たり2,200円の事業がありますから、こちらも是非活用していただくことと、なかなか世界でもコロナが収まる気配がない、日本も、なかなかですね、緊張しなきゃいけない状態にあるということでありますけれども、やはり、一つの、農林水産物は出口戦略がとても大事なので、出口の一つとしてやはり輸出は重要だと思っています。中国それから東南アジア系にはですね、この5月くらいから回復の見込みが立っています。特に消費についてはですね、前年同月比に比べてもプラスという数字が出ておりますから、こちらにも当然ビジネスチャンスはありますので、輸出に向けてもお茶をもう一押ししていこうかなということを内部では検討しております。

記者

  これまでの質問と重複するところもあると思うのですが、農業被害へのですね、支援策の基本姿勢についてですね、お伺いします。今回の大雨のですね、農業被害の支援策についてですね、過去の知見などを活かして支援していくということなんですが、基本的に最も重視することはどういったことなんでしょうか。そして、それに向けてこういった対策を主にやっていきたい、そういったことがあればお願いします。

大臣

  大変難しい質問だと思います。農業のですね、それから、様々な経営体があってですね、例えば露地もあれば、施設もあればですね、畜産もあればですね、漁業も沿岸、それから近海、それから遠洋、様々な形態がありますので、これがその全てにですね、共通して有効だという政策を今申し上げるのはなかなか難しいと思います。しかし、このコロナの一連の報道、それから国民の皆様方が御経験された中でですね、食料安全保障ということについての御関心が極めて国民の間でも認識されるようになりました。ですからこのタイミングにですね、やはりこの一次産業に従事していただいている方々がですね、この業界から離れてしまうということはないようにしなければならない。そして、できればですね、災害復旧の基本というのはですね、原形復旧というものが基本です。これは、法律にも書かれてあって、これは基本ではありますが、しかし、原形復旧に留まらずですね、次の災害に備えられるような復旧の在り方、農地を戻すにしてもですね、そういったやり方が必要になってくるかもしれません。現実に全く例がない訳ではないです。ミカン農家が団地化してですね、移転した部分も過去には例があります。それから農業でいうと、災害重点ため池のようなものもあります。これについても法律がこの間通りましたけれども、10年という計画になっていますけれども、これも前倒しする必要も出てくるでしょうし、それから土地改良系もですね、かなり、水門であったり、そういったところの電子機器、パソコンといったものが古くなっているということもありますので、様々なところに目配せをして、予見可能になってきました、こういう大規模災害がですね。また、今年も来年もということがあり得ますので、そういった認識も含めてですね、省内では対応したいというふうに考えています。ちょっと、なかなかちゃんとした答えにならないので、すいません。

記者

  すいません、つまり、農業としてですね、持続可能性をですね、将来にわたって今後も水害が起きるということの前提に立ってですね、持続可能性を重視した支援をしていきたいという理解でよろしいでしょうか。

大臣

  それは、今、SDGsであったりですね、そういうことが国際的には非常に、持続可能性ということは意識されておりますので、やはりその、農地においてもですね、例えば排水暗渠を入れた農地ではですね、すぐに水が引いて、露地野菜等には、ほぼほぼ被害がないところもあればですね、隣の畑なのに暗渠を入れていないが故にですね、いつまでたっても水が引けずに腐ってしまうというようなことが現実に起こっています。ですから、そういうことを考えて、今記者さんがおっしゃったようにですね、次の世代に、ちゃんとキャリーオーバーしていただける、新しい意欲ある農業者がですね、参入していただける。そういったことを意識しながらですね、今回の災害復旧は是非ともやっていきたいというふうに思っています。

記者

  Go To Eatについてお伺いいたします。現在、7月の豪雨での被害額も拡大しておりますし、コロナも東京都を中心に拡大しておりますけれども、日程感の変更など、何かございましたらお伺いします。

大臣

  Go To Eatについてはですね、幹事社の方から聞かれるかなと思っていたんですけど、お聞きになられなかったんで。7月17日金曜日に公募を開始します。内容についてはですね、金曜日に詳細に御説明しますので、今日は御勘弁いただきたいと思いますが、最終的な詰めをですね、今、金曜日に向かって行っております。確かにその、災害もありですね、東京でもまた200人台、100人台という状況があればですね、Go To キャンペーンについて様々な御意見があることは承知いたしておりますが、私は農林水産大臣であります。もちろん頑張っているですね、飲食店の方々の経営を応援したいという気持ちも、私の中には十分にあります。飲食店も農林水産省の所管ですから。もちろんそれはありますけれども、その後ろにですね、さらに生産者の方々の姿を、私はどうしても見てしまう。やはり、お家でですね、ネット等を使って様々な食材を楽しんでいただいているという現実はありますけれども、どうしても外食でなければですね、価格を引っ張れないようなものがあります。高級な肉であったり、高級なお魚であったりですね、そういったものがあります。ですから、こういったことを考えるとですね、外食の方々の間でも、これに期待していただいている方々もおられると思いますので、7月の17日に公募を開始いたしますが、内容についてはですね、昨日も、対策室と局長以下ですね、1時間半くらいずっとやっていましたので、もう、とにかく議論に議論を重ねてですね、そして、ヒアリングも丁寧に行って、実際にやっていただけるような方々も、もちろん予定している訳ではないですよ、これは公募ですから、方々の現場の意見も聞きながらですね、かなり詰めてやってきましたので、最初から申し上げておりますようにですね、国民の皆様方にもちゃんと説明ができるような事業内容にするように、最終的な詰めの努力を今、行っているところでございます。

記者

  今ほどお話出ましたGo To Eatなんですが、キャンペーンの開始時期について大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

大臣

  先ほど申し上げましたようにですね、ほぼほぼ詰まりました。しかし、なかなかそう簡単なことではなくてですね、詰めなくてはいけない問題点、変更した点も、昨日、ないこともありませんので、この時期等についてはですね、公募に応募されて、選定された業者さんの能力に係る部分も、また出てきますから、その発表についてはですね、もちろん、このくらいのタイミングです、ということは申し上げますが、金曜日までにはしっかりとしたものが言えるようにしておきます。今日のところはここまでということで。

報道官

  他よろしいでしょうか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上