日時 令和2年7月10日(金曜日)10時33分~10時42分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)令和2年7月豪雨について
  • 令和2年7月豪雨に係る被害の状況及び対応について
  • マツタケのIUCNレッドリスト掲載について

 

大臣

  私から若干冒頭の発言がございます。
  令和2年7月の豪雨関係の御報告がございます。これまでの九州地方の大雨に加えまして、岐阜県、長野県でも大雨特別警報が発表され、河川の氾濫や土砂災害などによる被害が各地で発生をいたしております。
  水産関係でも、熊本県球磨川等の氾濫によりまして、熊本県内の漁港・海岸施設28箇所、今月の10日、6時現在でありますが、流木等が漂着をいたしております。大変心配されます。既に現場にはですね、技術支援職員を派遣しておりますけれども、引き続き、熊本県や関係省庁と連携をして、流木の回収・処理を支援してまいりたいと考えております。
  林野関係では、熊本県球磨川流域を中心に、26道府県で山腹崩壊などにより甚大な被害が発生しております。こちらも、既に熊本県に技術支援職員を派遣しておりますが、引き続き、復旧の支援、それから被害の規模の確認を急がせております。
  農作物・畜産物等の被害は、10日の6時現在でありますが、被害が甚大な熊本県球磨川地域等においては、現場での調査がまだ進展しておりません。なかなか現場に入れない状況であります。葉たばこの冠水、それから食肉処理施設の冠水等、大きな被害を確認しております。鹿児島県、宮崎県では、河川決壊によりまして、水田への土砂の流入、樹園地の崩壊等が多数発生しております。高知県、和歌山県では、突風によるハウスの倒壊、果樹の枝折れ、果実の落下等が発生しております。岐阜県、長野県についても、水田への土砂流入や、トマトの冠水等の被害が、そういった報告が入ってきております。
  農林水産業の被害は全国各地で広範囲に及んでおりますので、激甚災害に係る調査につきましても、総理の指示に従いまして、二次災害に十分配慮をしながら、速やかな被害の把握に、今、努めている最中でございます。
  私からは以上です。

記者

  今、お話しのあった、九州等の豪雨被害について伺います。今お話しにあったように、いろいろな被害出ておりますけれども、被災農家の営農再開に向けて、どういった支援策を講じていかれるか、現時点でのお考えをお聞かせください。

大臣

  省内ではですね、昨年の台風災害、私が、この、閣僚になってすぐ起こりました。大変な記憶があります。その後、いろいろと省内で知恵を出し合って、これまでにないような支援策も、様々な打ち出しをさせていただきました。今回もですね、例えば、前回は貯蔵してあったお米がやられてしまった、というような例がありましたけれども、今回、食肉処理場においては、枝肉であったり部分肉であったり、そういったもの、貯蔵してあるものはですね、もう廃棄しなければならないようなことも発生いたしております。新たな事象も発生しておりますけれども、これまで農林水産省が積み上げてきた過去の支援策を、もう一度総ざらいで検証する。そして、今年に入りまして発生しました、コロナにおける支援策。コロナと災害は連結しないのではないか、という御指摘もあるかもしれませんが、例えば、いろんなものについてはですね、コロナの中で行いました、国産の農林水産物等の消費の拡大事業であったりですね、持続化給付金であったり、いろんな問題についてもですね、これも、御利用いただけるものは、私はあると思いますので。それに加えて、今回の豪雨についての対策も、新しい事象に対応するようにまとめようと思っています。そうなりますとですね、その支援を受けられる方々にとってみればですね、なかなか整理が難しいということもあるのではないか、ということを大変心配しています。ですから、被災された方々、農家の方々がですね、こういう事業が整理されたものが、資料としてお手元に届いて、選択してそれに申請ができるように、きちっとした体制、それから相談窓口の設置、そういったものも進めてまいるということで、今作業を進めておりますが、今はとにかく人命が第一ということでありまして、私の視察、それから政務三役の視察等もですね、やはり我々が現場に入るといろいろとお手を取らせるということもあります。まだ雨も続いておりますし、二次災害、三次災害のおそれもありますので、今のところは遠慮をさせていただく方がよろしいのではないか、と思っておりますが、このことについても、必要に応じてですね、現場の求めに応じて対応させていただこうというふうに思っております。

記者

  関連でお伺いさせてください。被害額であるとか、被害面積の調査がちょっと、立ち入ることが難しくてですね、進んでいないということだったんですけれども、大体、目途として調査のまとめの時期等、お示しいただけるのであればお願いいたします。

大臣

  やはりですね、総理からの御指示もありまして、激甚災害への指定というものが、被災者の方々にとっては、これがあればですね、自治体の方々も、被災者の方々も、大変ではある中にですね、やはり支援は十分に受けられるんだ、という安心感を得られるものだと思っています。しかし、農林水産省としても、先ほど申し上げましたように、なかなか被災地に入れませんけれども、農林水産分としてはですね、激甚災害に必要な調査分は終了いたしました。ですから、農林水産分野としての激甚の要件は満たした、ということだと言っていいと思います。しかし、それだけではなくてですね、細にわたって、やはり農地、それから営農従事者の方々の被害等については、調べていく必要がありますので、それが完全に、どの時点でですね、調査を終えたということは、なかなか今の時点で言うのは難しい。先ほど申し上げましたように、雨も続いておりますし、そして、現場に入るにもですね、入ったこと自体が迷惑だ、ということも、ないこともありません。ですから、林野等においてはですね、衛星を使ってですね、調査を把握するようなことも、今回はやらせていただいております。やはり、現場で目視することも大切ですけれども、今、やれる範囲でですね、最高の水準を目指して、現状の把握に努めている。ですから、いついつまでを目途に調査を終了する予定です、ということは申し上げられないということであります。

記者

  昨日ですね、国際機関の方でマツタケが絶滅危惧種に指定されました。林野の環境の悪化なども影響しているようなんですが、それについての受け止めなどありましたらお願いします。

大臣

  国際自然保護連合、IUCNですか、レッドリストの公表がされまして、日本だけではなくて、アジア全体で分布しているマツタケについてですね、三つのカテゴリーの内の一番低い、危険度が低いということでありますけれども、レッドということでありますので、やはりこれは受け止めなきゃいけないと思っています。農業についてもですね、あらゆる産業について言えることですが、SDGsということが今、言われています。いわゆる持続可能性ということをですね、常に環境に配慮しながら追及していくことが今、国際的にも求められておりますので。マツタケはですね、日本の素晴らしい文化で、多分、私は2、3年くらい食べていないと思いますけど、季節のものというのはですね、素晴らしいものでありますから、しかし、レッド、イコール食べてはいけないと、採取してはいけないということでは、これはないということはですね、誤解がないようにしていただきたいと思います。例えばウナギとかですね、これもレッドに入っていますし、マグロなんかもレッドに入っていますけども。ですから、申し上げましたように、しっかりと資源管理、環境に対する配慮を行いながらですね、自然と向き合って、こういったマツタケが、次の世代にわたってもですね、採捕し、そして食していただけるように配慮することが、これからは更に求められるんだろう、というふうに受け止めております。

報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいですか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上