(令和2年7月3日(金)10:56~11:10 於)復興庁6階記者会見室)

1.発言要旨
  おはようございます。
  昨日2日に、福島県の双葉町、大熊町、富岡町を訪問させていただき、町長さんや議長さんとの意見交換を行うとともに、各町の特定復興再生拠点区域を視察させていただきました。各町との意見交換では、主に特定復興再生拠点区域外も含めた帰還困難区域の復興に向けた取り組み、国際教育研究拠点の立地、復興財源や人材の確保に関する要望等についてお話がございました。
  7月1日には、いわき市の「スパリゾート・ハワイアンズ」の営業再開、登山客の尾瀬への入山制限の解除など、福島県内の観光業も再び活動を始めておるところでございます。復興庁としては、観光の再開に向けた前向きな動きを応援させていただくとともに、引き続き現場主義を徹底し、被災者の皆さんに寄り添って被災地の復興に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  以上でございます。

2.質疑応答
(問)おはようございます。よろしくお願いいたします。
  冒頭の御発言にありました昨日の大熊町、双葉町、富岡町への視察のことでお尋ねいたします。
  各町長からは、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域外の地域について、除染を行った上で、とにかく除染と家屋の解体などを行った上で避難指示を解除するよう、改めて申し入れがあったかと思われます。
  こういうお話がたびたび地元からは強い要望という形で寄せられておりますが、改めて昨日現場を見つつ、町長たちの声を含めた御所見を伺いたいと思います。
(答)私どもも、重く受けとめてまいりたいと思っておりますし、たとえ長い年月を要しても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除して、復興再生に責任を持って取り組んでまいりますという決意のもとで、まずは特定復興再生拠点区域の整備を進めるわけでございますけれども、拠点区域外についても、地元の皆様の御要望は大変重要である、重く受けとめると、こういうことでございます。
  昨年12月の基本方針においても、地域の実情や実際の要望等を踏まえて、今後の政策の方向性について検討を進めることとしておるところでございます。
  以上でございます。
(問)あと、もう一点お伺いいたしますけれども、昨日東京都の新型コロナウイルスの感染者が100人を超えるなど、東京近郊で再び感染拡大の懸念が強まっております。先ほど大臣、福島の観光について前向きに捉えて、応援していきたいというお話がありましたが、再び人の往来が活発化することによって、地方への感染拡大が懸念され、観光への影響も今のところ心配されております。こうした感染拡大を再度防ぐために、政府としてはどのように今後取り組んでいかれる考えでいらっしゃいますか。
(答)東京並びに東京周辺で感染者の方が、検査の結果、多く出ておる現実というものを私たちは深刻に受けとめなければならないと思っております。確かにいろんな事情はあるようでございます。また、検査も積極的にやっているようでございますけれども、それにしてもちょっと数が多いということを私も懸念しておりまして、やはり都市部から福島初め、東北の被災者のほうにも観光に足を運んでいただきたいという思いとあわせて、感染が広がってはならない、こういう思いもあるわけでございまして、私たちも感染対策も含めて、しっかりと対応していかなければならないと思っておるところでございます。
(問)拠点区域外の話に戻るんですけれども、3町長との会談の中で、区域外の避難解除に向けて、時間軸、工程表的なもの、スケジュール感を早く示してほしいというような要望があったと思うんですけれども、いつごろなら示すことができるんでしょうか。
(答)私どもも、今の時点で申し上げるということはなかなか難しいわけでございますけれども、地域の地元の各町、被災地域の方たちにとってみれば、本当に重要なことでございますし、懸念であるということも、本当に重く受けとめておるところでございまして、私どももいろいろと対応していかなければいけないと、このように思っておるところでございます。
  拠点区域外の政策の方向性及び対応については、地域の実情、自治体の要望等を踏まえて、関係省庁と連携する。そして検討していく。このようなことで、今日はお答えにとどめさせていただきたいと思っております。
(問)先ほどのコロナの関係でお聞きします。
  強い危機感を大臣は示されたんですけれども、今後復興庁のほうを含めて、政府全体の活動に、政府全体にどういった影響か、その辺をちょっと大臣のほうから。
(答)今のところ、私どもも、もちろん東京並びに東京周辺に多いということで、被災地の皆さんに御迷惑をかけることがあってはならないということではありますけれども、気をつけながら活動を続けておるところでございます。新しい局面になれば、また対応しなければいけないことはあるのかもしれませんけれども、今のところは、引き続き継続してまいりたいと思っておるところでございます。いずれにしても、状況を注視していかなければならないと、このように思っております。
(問)拠点区域外の話に戻ってしまうんですけれども、先日原子力規制委のほうでも除染をしなくても解除できるというような議論が出た際に、除染の有無というものを要件にするのはおかしいのではないかというような委員長のお話もありました。   政府としては、そもそも除染という行為自体を約束しているのか、そうではなく線量の低減という結果について保証しているという考えなのか。そもそも政府としてはどのような考えで、今回その対応が、その考えが変わるのかどうかというところをお伺いしたいんですが。
(答)考えが変わるということは基本的にないということでございまして、今、飯舘のお話をイメージしておっしゃったと思うんでございますが、先日の原子力規制委員会でも、内閣府から放射線防護対策の基本的な考え方について説明を行って、審議が開始されたということを承知しておりますけれども、いずれにしましても、いろいろ個々の地域・町によって皆それぞれの思いがあるわけでございますし、要望に差異もあるわけでございまして、そういう対応をいろんな形でしていくということではないかと思っておるわけでございます。
(問)たびたびすみません。今の大臣の御発言を確認したいんですけれども、原子力規制委員会の水曜日の議論についてですが、内閣府としては今回、人の居住を前提としない避難指示解除の要件を定めるために、除染がなくても線量20ミリシーベルト以下に下がれば、避難指示解除できるのではないかということで、規制委員会のほうに諮問したというふうに認識しております。
  今の大臣の御発言ですと、前提は変わらないというふうにおっしゃっていますが、避難指示解除について人が住むことを前提とした要件と、人の居住は考えなくても土地利用があるということを前提とした避難指示解除の要件ということで、2つの考え方を今回、内閣府としてはつくろうとしているというふうに私は認識しておりますが、大臣の認識はいかがなんでしょうか。
(答)飯舘の件については、いろいろとやはり要望に基づいて各関係で協議されておるわけでありますが、また他の地域においては、またいろいろと違う御要望もあるわけでございまして、私どもも一律ではないと、いろいろとやはり地域地域の要望の中でいろんな事情があるんだろう、このように思って、そういう対応をきちっとしていかなければいけないと、このように考えておるところでございます。
(問)大臣、質問と答えがかみ合っていないんですが、私が指摘しているのは、政府として避難指示解除の2つの考え方を、2種類ですね。人の居住再開を前提とした避難指示解除と、今回飯舘村の求めているように、人が住めなくても、公園として土地を活用したいと、そういうことで避難指示解除をしたいという2つの考え方を今回考える方向で、規制委員会に安全かどうかについて諮ったという認識なんですが、今の大臣の説明ですと、政府としての方向性は変わらないというふうに改めて言っているようなんですが、実際の認識はどうなんでしょうか。
(答)今のところは、いろんな検討がなされているということは承知しておりますけれども、まだ結論が、いろんな形で出されたというふうには伺っておらない状況でございまして、私どもも今後どういうふうな形になっていくのか、状況について注視しておるところでございまして、今どのようになっているということは、申し上げておる状況ではございません。私の立場はそういうことです。
(問)話が変わりますが、復興道路のことでちょっとお伺いします。
  整備中の関係内容ですけれども、今年度という震災10年という節目で一応全線開通を目指していたわけですけれども、岩手県内の一部の区間で、工事の工程がおくれそうということで、今年度の全線開通はちょっと難しいんじゃないかと、2021年中の開通になるんじゃないかという発表が東北地方整備局からありました。改めてこの遅れに対する受けとめと、今後の整備に向けた意気込みをお願いします。
(答)普代・野田間の開通が令和3年にずれ込むということを、国交省が公表したということを承知しておるところでございますが、私どものほうも、早速確認しておるところでございます。理由は、地山といいますか、地盤の関係でどうしてもやはりそういう状況になったということでございます。私もちょっと一瞬コロナのことでも何かあったのかなと心配したわけでございますけれども、そういうことでは決してなかったようでございますが、いずれにしましても、トンネルの地山が崩れやすく工程に遅れが生じたということの報告でございまして、私どもも、これからきちっと対応をしてほしいというふうに思っておるところでございます。

(以  上)