(令和2年7月7日(火) 11:15~11:32)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭2点ございます。まず、7月3日からの豪雨による浸水被害などにより九州南部を中心に甚大な被害が生じており、今なお、豪雨が続いている状況にあります。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害、被災にあわれた方々に対してお見舞いを申し上げたいと思います。
 今朝6時時点で私どもが報告を受けている状況でありますが、まず水道施設については熊本県及び鹿児島県では最大で10,613戸以上の断水が確認されましたが8,462戸においては解消し、現在2,151以上の断水が生じ、応急給水等の対応を取っているところであります。福岡、佐賀、長崎では、現時点で断水はないとの報告を受けているところです。
 他方、熊本県球磨村をはじめ、水道の通水状況について確認中の地域もあります。昨日からの九州北部を中心とする豪雨の新たな被害状況の把握にも努めております。日本水道協会と連携し、派遣可能な状況になり次第、水道関係者を派遣し、給水等の作業に当たるべく、現在待機をしているところです。医療機関の関係ですが、熊本県全体としては合計20医療機関が浸水等の被害を受けています。このうち、4つの有床診療所において、入院されていた患者さんが他の医療機関に搬送されたということでありますが、残り16医療機関については、電源車等の派遣により機能を維持していると承知しています。
 また、特に被害が深刻な球磨医療圏では、災害拠点病院である地域医療機能推進機構、いわゆるJCHOの人吉医療センターを中心に医療機能が維持されております。また、本日はDMAT隊が18都府県から103隊出動し、県庁等での情報収集活動や医療活動等の実施などの支援に当たることとしています。
 また、昨日からの豪雨の影響により、鹿児島県で1医療機関が建物の一部損壊が、近くで土砂が崩れたため起こりましたが、機能は維持されているということです。また福岡県で1医療機関が浸水の被害を受けているということであります。また、社会福祉施設について、熊本県では八代市、人吉市など10市町村合計56施設において浸水等の被害が生じております。
 昨日からの豪雨の影響について現在状況を確認している段階です。また避難所における健康管理等でありますが、現在、九州地方では、現在確認中の福岡県、大分県を除き6,855人以上の方が706箇所以上の避難所において避難生活を送られております。また、避難勧告、避難指示が出された全国の13県については、9,906人以上の方が避難されているとのことです。
 7月5日から熊本県に対して、厚生労働省から4人の職員を派遣し、避難所における新型コロナウイルスをはじめとした感染症対策や熱中症の予防対策などに取組に当たっております。また、熊本県からの要請に基づき、本日、福岡市と徳島県から保健師2チームを派遣いただいたところです。被災地の保健医療活動を支援する災害時健康危機管理支援チーム、いわゆるDHEATについても熊本県から要請があり、派遣に向けて調整を行っています。
 災害時における物資支援については、内閣府防災を中心にプッシュ型支援を実施しているところですが、マスクや消毒液など衛生関係の物資については、私どもからまず関係業界に対して流通在庫等による迅速な支援実施を要請するとともに、内閣防災と調整をして、医療機関向けに確保されたマスクの融通、あるいは消毒液の調達支援を併せて実施することとしています。引き続き、各自治体と連携を密にして、被害の状況把握に努め、先手先手で被災者の支援に万全を期していきたいと考えております。
 
 2点目であります。これまで準備を進めてまいりました新型コロナウイルス感染症対応休業支援金、いわゆる雇用調整助成金の個人支給に関し、申請開始に向けて、申請書やQ&Aといった情報を公表する準備が整いましたので、本日、厚生労働省ホームページに関連情報を掲載したいと思っております。
 申請書類は、厚生労働省のホームページからダウンロードいただくこともできますし、ハローワークでも入手していただくことが可能です。お手元に申請書の様式をお配りしていますが、記載内容は、申請者や事業所の名称あるいはお名前と住所、振込先口座など必須の事項のほかは最小限の内容とさせていただいております。
 申請に必要な書類の準備をまずは進めていただきたいと思いますし、これは本日の夕方以降になると思いますが、申請の簡単な説明をした動画をアップしていきたいと考えております。この支援金は、複数の事業所で勤務をされていて休業されている方についても、複数事業所分の申請をいただくことが可能です。こちらは、別途受付体制を構築していく必要があるのですが、これに若干時間がかかっておりますので、申請開始までしばらくお待ちいただきたいと思います。
 また、コールセンターも本日から稼働させていただきます。お手元の資料に記載しているように、電話番号は0120-221-276です。土日祝日もコールセンターを開けて運営したいと考えております。現在、様々な準備を進めておりますが、順調に進めば7月10日金曜日を目途として、まずは郵送での受付を開始したいと考えています。
 最終的にはシステムの最終確認を行った上で改めて開始時期をお伝えしたいと思います。また、複数事業所で休業されている方は、先ほど申し上げましたように、少し遅れて申請していただけるようになります。7月10日から一般の方の郵送が始まれば、その1週間後を目途に開始できるよう今準備を進めております。
 なお、オンラインでの申請については準備が整い次第開始したいと思いますが、残念ながら7月10日には間に合いませんが、その開始時期について、後日併せてお知らせしたいと思います。こうした対応によって、先ほど申し上げたように7月10日から郵送での受付を開始することができれば、支給に関しては7月中に順次お知らせをさせていただきたいと考えております。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
熊本に今厚労省の職員2名が派遣されて感染症対策や熱中症対策に当たっているということですが、現時点の報告ではどのような支援を今現地では必要とされているとお考えなのかお聞かせ下さい。
大臣:
一つは避難所における感染防止に対する懸念も抱えているということですが、昨日3箇所既に回らせていただいた避難所においては、内閣防災と私どもとで既に出させていただいた通知に沿った運営がなされているということでありました。
 更に、それ以外のところにも回らせていただくとともに、今の状況の把握、特に昨日からの北九州北部を中心とする豪雨についてまだ情報が十分把握できておりませんから、その状況をしっかり把握しながら私どもで対応する部分について必要な対応を図っていきたいと思います。
記者:
厚生労働省のアドバイザリーボードの関係ですが、先週勉強会が開かれておりますが、いつごろどのようなメンバーで会議再開されるのかお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
アドバイザリーボードは厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部の下に今年2月に設置させていただきました。その後、ご承知のような状況等もあってしばらく活動を、むしろ専門家会議等に移していたということもあります。
 ただこのアドバイザリーボード自体、私どもの政策決定を行うに当たって現状分析、評価をしていただいて専門的技術的な見地から必要な助言をいただくという趣旨で設けたものですので、再びこれを開催すべく現在リスクコミュニケーションの専門家や、あるいは、病院の経営の問題がありますので病院経営者など、こうした観点の議論をしていただくために新たなメンバーにも加わっていただくということで調整をさせていただいているところです。メンバーが確定次第、開催していきたいと思います。
記者:
豪雨の関係でお伺いします。今回、コロナの影響下の中での災害となったと思いますが、避難所は密集しやすく感染リスクが高いまた、感染リスクを恐れて避難控えということが懸念されています。現在の状況は落ち着いていますが、感染対策含めた被災地の方々へ取るべき対応・方法の呼びかけをお願いします。
大臣:
避難所については先ほど申し上げましたように、内閣防災等で既に通知を出させていただいております。ホテルや旅館の活用も含めた可能な限り多くの避難所を開設していただくこと、あるいは発熱・咳等の症状が出た方々のための専用スペースの確保を図っていただくこと等を各地方自治体にお願いしているところであります。
 密閉・密集・密接いわゆる3密を回避していただく、あるいは手洗い・咳エチケットを実施していただく。定期的な清掃、十分な換気を行っていただく、まさに感染防止において日頃から皆さんが対応していただいていることの延長線上のルールであると思いますが、そうしたことを図って万全を期していきたいと思いますし、私ども職員も各避難所を回らせていただきながら現状把握、必要があれば改善すべき点について助言等をさせていただきたいと思います。
 このような対応をさせていただいておりますので、それぞれ避難勧告が出た地域においては最寄りの避難所等へ避難をしていただきたい、あるいは命を守る行動をしっかりとっていただきたいと思います。引き続き各地方自治体と連携しながら避難所における感染防止、熱中症対策を我々も一緒になって取り組んでいきたいと思います。
記者:
これから被災生活が続けば、お年寄りや既往症をお持ちの方を中心に医療機関を利用する方が増えることが予想されますが、新型コロナ対応含めて各地域の医療体制がひっ迫していく可能性はないのか、そのあたりの現状でのご認識をお伺いします。
大臣:
一つは、先ほど被災地の保健医療活動を支援するDHEAT、熊本県から要請がありましたけれども、そういった方々を派遣することによって避難所等における健康管理等に当たっていきたいと思っております。また、地域の医療機関については、もちろん感染防止の視点もありますけど、今、被災の中で、医療機能というものをしっかり確保できるように電源車を派遣したり、あるいは給水活動を行ったり、それぞれの医療機関がそもそもの機能をしっかり果たしていけるよう支援をしていきたいと思います。
 その上に立ってということでありますが、日常の医療活動ということでありますから、まず日常の医療機能の確保、これをまず進めていくということであり、また、当該地域において今のところ新型コロナウイルス感染症が必ずしも発生していない地域もありますし、そんなに数の多くない地域でもあります。もちろん引き続き感染症対策を行いながら、それ以外の疾病あるいは今回の災害において怪我をされた方あるいは体調を崩された方そういった方に対する対応をしっかりとっていきたいと思います。
記者:
今回、新型コロナ感染初めての大災害というで、ボランティアのあり方についても色々検討が必要かなと思っていますが、そのあたり現状での県境をまたぐようなボランティアのあり方についてどのようにお考えなのかお願いいたします。
大臣:
ボランティアを含めて、県を越えて移動することに対して既に国としての方針を出させていただいています。それは県を越えて移動されることを前提に物事を進めているということですので、そうした国全体の方針を踏まえながら、ただ、どの地域からどういう風にボランティアの方が来ていただくかというのは感染症だけではなく様々な観点があろうかと思いますから、それはそれぞれの地域の中でのご判断だろうと思います。
記者:
来年度の薬価改定に向けた薬価調査について伺います。先日、官房長官から薬価調査について予定通り実施するとお話がありました。一方で、薬や医療の業界団体からは実施について反対の声もあります。調査の実施や薬価改定に向けて大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
官房長官からは、4大臣の合意事項を基本として進めていきたいと、記者会見で発言があったと承知しております。毎年度の薬価調査・毎年薬価改定については、骨太方針において市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響などを把握した上で、2020年中に薬価改定の対象範囲を決定し、2021年度より実施すると方針に書かれているわけであります。
 今、それを踏まえて中央社会保険医療協議会において必要な議論を進めており、今お話しがありましたように、今回の新型コロナウイルス感染症に伴って様々な影響が出ているという声も出ていることは承知しておりますが、関係者の皆様方からのご意見も聞きながら丁寧に検討していきたいと思います。

(了)