令和2年7月2日

 7月2日(現地時間同日)、ミャンマー連邦共和国の首都ネピドーにおいて、我が方、丸山市郎駐ミャンマー日本国特命全権大使とバラッ・シィン投資・対外経済関係副大臣(H.E. Mr. Bharat Singh,Deputy Minister for Investment and Foreign Economic Relations of the Republic of the Union of Myanmar)との間で、無償資金協力3件(ヤンゴン河航路標識改修計画、経済社会開発計画計2件(浄水器材支援及び治安対策能力強化支援)、合計21億9,900万円)に関する交換公文の署名が行われました。対象案件の概要は、以下のとおりです。

1 無償資金協力「ヤンゴン河航路標識改修計画」
  【供与限度額13億9,900万円】

 ミャンマーでは、民主化の進展に伴う経済成長が顕著であり、ヤンゴン港での貨物取扱量が増加しています。しかしながら、ヤンゴン河の河口からヤンゴン港までの航路は、狭い川幅と強い潮流、不十分な航路標識や未整備の航路管制システムにより、航行におけるリスクが高く、船舶の衝突や座礁事故がしばしば発生しているほか、夜間の船舶航行支援施設の未整備により、一日一回の昼間の満潮時間にのみ航行が限定されているなど、ヤンゴン港へのアクセス環境の改善が喫緊の課題となっています。
 本計画は、かかる状況下、航路標識の整備や夜間航行を可能にする灯台の設置などを通じ,船舶の安全性向上と通行の増加を図り、ミャンマー国内外を結ぶ物流の効率化に寄与するものです。

2 浄水器材の供与を通じた衛生的且つ安全な水供給支援(無償資金協力「経済社会開発計画」)
  【供与額7億円】

  ミャンマーの中心部に位置するマンダレー市は、ヤンゴンに次ぐ人口約150万人を抱えるミャンマ第二の商業都市であり、また観光資源にも恵まれ、ミャンマーの経済発展にとって重要な都市です。しかしながら、マンダレー市の平均給水率は2018年時点で約59%に留まっており、現行の主要水源である井戸水に加え、水の浄化を通じて安全な水を確保していくことが喫緊の課題とされています。
 本計画は、かかる状況下,浄水設備を整備し、同市アウンミェターザン地区の東部及び西部を中心に水・衛生面分野の向上に寄与するものです。

3  車両及び無線の供与を通じた治安対策能力強化支援(無償資金協力「経済社会開発計画」)
  【供与額1億円】

 ミャンマーは、テロ、違法薬物取引及び人身売買等の越境犯罪の拠点或いは中継地としてのリスクが年々高まっており、警察機関の様々な分野での能力強化が喫緊の課題となっています。とりわけ、ミャンマー警察の装備品は、20年以上に亘り買い替えが行われておらず、近代化が著しく遅れているために、治安対策活動の効率的な実施に影響を及ぼしています。
 本計画では、要人警護用の車両及び無線機を供与することにより、民主化及び公務員改革を進める同国警察の治安対策能力を強化し、社会の安定化を図り、同国の経済社会開発に寄与するものです。

[参考]ミャンマー連邦共和国基礎データ
 ミャンマー連邦共和国は、面積約67.7万平方キロメートル、人口約51.4百万人(2014年、ミャンマー政府調査)、一人当たりの国民総所得(GNI)は1,310米ドル(2018年、世界銀行)。