2020年6月30日

経済産業省は、災害等により電気の需給バランスが大きく崩れた場合においても、電力市場を通じて、分散型電源を含めた発電設備や、電力消費量を調整するディマンドリスポンスを積極的に活用するため、6月30日、インバランス料金に関する省令及び告示の改正を行いました。

1.背景及び趣旨

  • 2018年9月の北海道胆振東部地震では、北海道全域で停電(ブラックアウト)が発生しました。この経験も踏まえ、電力・ガス基本政策小委員会において、需給バランスが大きく崩れた場合等における卸電力取引市場の取引停止に係る取扱い及び卸電力取引市場が停止した際のインバランス料金について、検討を行ってきました。

  • 本検討を受け、経済産業省は、6月30日、インバランス料金(市場参加者の需要計画と需要実績等の調整に係る料金)の算定の基となる省令(一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則)の一部を改正する省令及び告示(一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則第二十七条第一項第四号及び同条第二項に基づき経済産業大臣が定める額を定める件)の一部を改正する告示の公布を行いました。

  • これらの仕組みを通じ、災害等により電気の需給バランスが大きく崩れた場合においても、電力市場を通じて、分散型電源を含めた発電設備や、電力消費量を調整するディマンドリスポンスを積極的に活用し、いち早い停電からの復旧や社会コストの抑制を目指します。

2.省令及び告示の一部改正の概要

災害時等におけるインバランス料金について、下記のとおり規定を改正します。

(1)電力スポット市場の停止中(※)

  1. 電力スポット市場が停止したエリアのインバランス料金

    ・前日に電力スポット市場取引が行われた場合:前日の取引におけるエリアプライスを用います。
    ・電力スポット市場の停止により取引が行われなかった場合:電力スポット市場停止1週間前から停止日までのエリアプライスの時間帯別平均値を用います。

  2. 電力スポット市場が停止していないエリアのインバランス料金

    インバランス料金の算定に用いるα値(系統全体の需給状況に応じた調整項)について、市場が停止したエリアのインバランス量を除いて算出します。

(2)電気事業法に基づく電力使用制限又は計画停電が実施された場合

電力使用制限又は計画停電が実施されているエリアのインバランス料金は、電力・ガス取引監視等委員会の制度設計専門会合における「2022年度以降のインバランス料金制度について(中間とりまとめ)」を踏まえ、それぞれ100円/kWh、200円/kWhとします。

(※)第 21 回・第22回電力・ガス基本政策小委員会において、ブラックアウト(全域停電)が発生した場合にはスポット市場を停止し、ネットワーク機能復旧の翌日(ネットワーク機能の復旧が午後4時以降の場合は翌々日)からスポット市場を再開することと整理されました。

3.関連資料

4.参考資料

電気事業者の皆様へ

電気の使用者の皆様へ

担当

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部
政策課 電力産業・市場室
担当者:堀内、緑川

電話:03-3501-1511(内線 4741)
03₋3580₋8485(FAX)