(令和2年6月23日(火)  10:43~11:01)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭2件申し上げさせていただきたいと思います。1つは、今後の医療提供体制の整備と保健所体制の整備であります。先週6月19日金 曜日に今後を見据えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備の事務連絡を都道府県等宛に発出をさせていただきました。今後の感染の拡大また長期化などを見据えて、次の感染拡大が生じるまでの間に、新型コロナウイルス感染症への医 療提供とそれ以外の一般医療の確保を両立した持続的な医療提供体制を都道府県が主体的かつ着実に整備していただくことが重要だと考えております。
 今回都道府県に対しては、これまでの国内の感染実績を踏まえた、新たな患者推計を行い、その推計結果に基づいて感染拡大のフェーズに応じた段階的な病床の確保を、7月末を目途に行っていただくようお願いしました。これにより地域において、効率的に病 床確保をしていただき、これまで延期をされていた手術など新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者さんに対する医療についても、しっかりとした感染対策をしたうえで実施していただくことも可能になってくるものと考えております。
 今後も都道府県としっかり連携を取りながら、今回の第二次補正予算等も活用して、次なる流行の波に備えた医療提供体制の整備に努めていきたいと考えております。また保健所体制についても、同じ6月19日に今後を見据えた保健所の即応体制の整備についての事務連絡を都道府県など宛に発出いたしました。新たな患者推計などを踏まえた今後の保健所における業務量の目安、保健所の即応体制の整備の考え方について整理した指針をお示しさせていただくとともに、各都道府県、保健所設置市及び特別区において、相互に連携をしていただいたうえで、7月末には全庁的な体制の構築をお願いしているところであります。

 2点目でありますが、先日申し上げた接触確認アプリについては、23日、今日の9時時点で、371万件のダウンロードをしていただきました。ご登録をいただいた皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。19日スタート早々には、ストアでの検索ができなくなるような事態があり、また、実際時間がかかったということもありました。ご迷惑をおかけした皆様には、お詫び申し上げます。今回のアプリは、アップルとグーグルの技術を活用した仕組みです。アジアでは初めての試みでもありますし、1億を超える人口を有する国としても最初の取組です。
 今回のアプリは、民間の有志の技術者や団体など、多くの方々に無償での協力をいただいて開発をされたものであります。こうした意味では、これまであまり前例のないやり方であったと認識しております。政府としても、次の感染の拡大に備えて、できるだけ早くにこのアプリをリリースして多くの国民の皆さまに利用いただきたいということで、最初のバージョンを19日にリリースいたしました。この1ヶ月間は、試行版という位置付けであります。多くの方々からの協力や助言、指摘もいただき、併せて国民の皆様にも利用いただき、機能やデザインを含めた改善を、この期間にしっかり図っていきたいと考えております。
 また、前回も申し上げましたが、今回のアプリは本人の同意を前提とした、個人情報が入らない、プライバシーに最大限配慮した仕組みということであります。こうした仕組みについて、国民の皆さまのご理解をいただいて、参加を拡げながら、感染拡大の防止に取り組んでいくことが大事であると考えております。そうした中で、アプリそのものの改善も大事でありますが、それだけではなく、併せてこのアプリを社会全体としてどう活用していくのか、使いこなしていくのかという、より大きな仕組みを作り上げていくことが重要と考えております。
 国民の皆さまにはどうかこの新しい挑戦に積極的に参加していただくことをお願いしたいと思います。私の方からは以上です。

質疑

記者:
今ダウンロードの件数が371万件というお話がありました。この件数について大臣の評価を、また今後さらに拡げていくためにダウンロードしたい人へのインセンティブという声もありますが、促進策についてどうお考えかお願いします。
 また、2点目としてアプリの不具合が発生しているということですが、その内容と処理番号の通知がいつから変わっていたのか、また修正の終了メドが出ていればお願いします。そして、こうしたデジタル化の不具合が相次いでいますがその受け止めについてお願いします。
大臣:
まずこれだけ短期間で371万件のダウンロードをいただいたということ、これは多くの皆さまの関心も高いということの反映なのだろうと思いますが、更に多くの皆さまのご参加を是非いただきたいと思います。また、不具合の関係でありますが、詳細は必要があればあとで事務方からご説明をさせていただこうと思いますが、例えばアプリの利用開始日として表示される日付が当日の日付に更新をされる、あるいは陽性者としてアプリに登録するためには処理番号が必要となるのですが、これに任意の数字を入力すると、登録が完了した旨表示されてしまう等の問題が指摘されていると承知しております。
 今、それぞれ改善すべき作業が進められていると認識しております。こうした一連の作業が終了したときには、先ほど申し上げましたように、現在試行版ということでありますが、これの修正版という形で、アプリの更新をしたいと思います。具体的な期日について、今申し上げるものは持っておりませんが、あまり時間をかけず1つ1つ対応していきたいと思っています。
 促進策について、今の仕組みでは陽性者と接触が確認された方について通知がなされ、その方に症状があればその方に対して、現段階では相談センターでありますが、各地域で対応が整ってくれば、PCRセンターを直接通知させていただいて、より検査が受けやすい状況を作っていくということがまず第一なのだろうと思います。加えて、それぞれの都道府県等において、多くの方々に是非これを積極的に活用いただくよう、それぞれの利用者等に、あるいは県民の方、市民の方にも訴えていただくということが併せて必要だと思います。
 冒頭申し上げましたように、これまでにない仕組みでもあります。アプリの開発、改善のみならず、このアプリをどうやって使っていくのか、国民の皆さまの参加をいただきながら、我々も日々改善させていただいて、作り上げていく、こういった姿勢で取り組んでいきたいと思います。まさに、みんなで作るアプリ、あるいはみんなで作る感染防止対策といった意識で取り組んでいきたいと思っております。
記者:
新出生前診断の関係で伺います。先日、日本産科婦人科学会が、できる施設をもう少し増やすために要件を緩和した新しい指針を明らかにしまして、実際に運用するかは厚生労働省に判断を仰ぐと言っていました。厚労省としての、今後の対応を教えてください。
大臣:
日本産科婦人科学会が、出生前診断の実施施設を広げる指針改正案を発表したということは報道ベースで承知しております。なお、それ以上については直接説明を受けておりませんので、コメントするのは差し控えたいと思います。
 他方、厚生労働省においては、従前からワーキンググループを作っておりまして、必要なデータや事例の収集に努めておりますが、近日中にこのワーキンググループを再開して、その作業を更に進めていきたいと思います。
記者:
学会側と厚労省が近々、話し合いを設けるとかそういった予定はありますか。
大臣:
ありません。
記者:
昨日、骨太の方針を議論された諮問会議にて大臣が示された資料に、新たな日常にも配慮したオンライン診療の実施という文言がありました。これは具体的にどのようなことを示しているのか。また、コロナの対応でオンラインの初診も認めていますけれども、初診を今後も継続していくことになるのでしょうか。
大臣:
まさに新たな日常ということがこれから展開されていくわけでありますから、新型コロナウイルス感染症あるいはウイルスと付き合っていく状況がこれから更に続いていきます。そうした中で、オンライン診療を今進めておりますけれども、これを更にこれからの状況の中においても推進をしていくということを申し上げたということです。
 何か特別にギアをチェンジするという意味を込めたわけではなくて、引き続きオンライン診療の推進を、これまでもそうでありますし、今後とも推進していくという意味であります。具体的には新型コロナウイルス感染症の感染が収束するまでの間の時限的な対応であるという位置づけ、これは変わるものではありません。その間、3か月毎に検証を行うということでありますから、4月からスタートしておりますし、4、5、6月の3か月間の実績等を踏まえて、まずは3か月毎の検証を、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会においてしっかり行っていただきたいと思います。
記者:
出入国規制の緩和について、14日間の隔離を不要とするいわゆるビジネストラックと呼ばれるものの導入は、今、検討される方向で進んでいるのかということを教えていただきたいです。その上で、入国後に感染者が出た場合は、検査や入院、治療費の負担は国が負うべきなのかどうかということについて、どのようなお考えなのかまだ決まってはいないかもしれないですけど、方針を教えてください。
大臣:
先日、ビジネストラックについての考え方は、本部決定されたところであり、それを踏まえて、当初の念頭に置いていたオーストラリア、ニュージーランド、タイ、ベトナム4か国と、交渉に入っていると承知しております。これはまず、2国間でそれぞれ確定していく中での話だと思いますから、2国間での交渉が決着すれば、逐次実施に入っていくということで、それにあたっての考え方は、現在、入国禁止等の措置を変えるものではありません。
 したがって、その中で求めているPCRの実施とか、二週間にわたる公共交通機関の利用を回避した上で、指定する場所において待機をする、それを前提とした上で、更に今回先ほど説明したアプリとか、位置情報案内など様々な要件を加えることで、ビジネスとしての動きを認めていくと、そんな仕組みになっていると承知しております。
 その中で、現在は医療費について、日本の公的医療保険に入っている方については、公的医療保険を活用し、自己負担分については公費で補填させていただいており、公的保険に入っていない方は、全額公費でというのが今の対応であります。今後日本に入って来られるときの保険について、強制するかどうかということと同時に、民間保険にできるだけ入っていただき、民間の保険でカバーできない部分を含めて、その辺をどう調整するのか、その課題は今残っています。
 今、改めて民間保険を活用するとした場合の対応について私どもの方で検討させていただくところであります。その上に立って、基本的には民間の保険等にできるだけ入っていただくように、これはビジネストラックだけでなくて、これから更に広がっていく中においてもお願いしていくことは少なくとも必要だと考えております。
記者:
空港などでのPCR検査能力の増強に関して、1日あたりの検査数および検査に関わる人員、スタッフの増強について現在どういう準備をされているのか教えてください。
大臣:
出国する場合と入国する場合があると思います。入国する場合は、我々の検疫所において検査するということになりますから、そこにおける能力を高めていく。それから現在、結果が出るまで時間がかかりますので、宿泊等で一日過ごしていただく等の対応をしておりますが、今、新しい検査方法がどんどん出てきておりますので、できるだけ検査の結果を短期間でできるようにしていく、そういったことを含めて能力アップを図っていきたいと思います。
 出国ということになりますと、これはまた別の話となりますので、それに対してもPCRセンター等を作って対応していくという話が先般、ビジネストラックの議論の中で出ていたと承知しておりますので、どういう主体がどういう風にやっていくのかということも含めて、我々としてもそういった体制ができるよう支援していきたいと考えております。
記者:
最初のアプリの質問に戻りますが、現在不具合が生じていて、改善・修正しているというところなんですけれども、試行版とはいえ利用者側からすると不具合が起きているものに対して、またダウンロードしようというモチベーションに中々ならないと思っておりまして、なおかつ、いつまでにという具体的な修正の日付も申し上げられないということだったんですけれども、こういった不具合がいま続いている状況について、改めてどういう認識でいらっしゃいますでしょうか。また、今後どのようにしたらアプリのダウンロード数が伸びていくとお考えでしょうか。
大臣:
こうしたアプリをリリースする場合に、様々なやり方があると承知しています。時間があれば、一定数の人だけでまず試行的に使っていただいて、その後で不具合を調整しながら進めていくというやり方も一般にあると承知しております。今回できるだけ短期間で、できだけ速やかに対応していくということも含めて、今回は試行版ということでありますけれども、多くの皆さんにまず入っていただくということを進めていこうということで、現在の段取りを取らせていただいたところです。
 もちろんそうした不具合がないのがベストでありますし、それを目指していかなければなりませんが、残念ながら、そうした不具合が起きた時もできるだけ速やかに対応していくということ、また、それを通じて単に不具合だけではなくて、様々な皆さんから、こういう書き方よりもこういう風に書いた方が分かりやすいといった様々な改善点の指摘も頂戴しているところであります。
 まさに先ほど申し上げたように、ある意味では新たな手法によって多くの皆さんに参加いただいて初めて動いていく仕組みでありますので、皆さんで一緒に作っていただくということが大事なんだと思います。我々も課題があれば積極的に公表させていただいて、様々な方から知恵も頂戴しながら、より良いものにしていきたいと思います。

(了)