令和2年6月23日

1 6月23日(現地時間同日),フィジーの首都スバにおいて,我が方,大村昌弘駐ナウル日本国特命全権大使(フィジーにて兼轄)と先方マイケル・アロイ駐フィジー・ナウル高等弁務官(His Excellency Mr. Michael Aroi, Nauru High Commissioner to the Republic of Fiji)との間で,供与額1億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 ナウルにおいては,早期に入国制限措置がとられたことにより,現時点で新型コロナウイルス感染症の発症者は確認されていませんが,入国制限により人的・物的往来が制限されたことで,経済的に大きな打撃を受けています。今後,入国制限の全面的な解除に向かっていく中で,感染予防・拡大防止措置を講じる必要がありますが,同国は基礎的な保健・医療体制が不十分で,関連機材も不足しています。本計画は,ナウルに対し,ICUベッド,X線撮影装置等の保健・医療関連機材を供与することを通じて,同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

3 新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大は,人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日,日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり,国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ,保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は,在留邦人の健康・安全に直結するのみならず我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり,我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

4 我が国としては,新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて,引き続き,国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。

5 我が国は,2018年5月に開催した第8回太平洋・島サミットにおいて,「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」を支援の柱として表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具現化するものです。

[参考1]ナウル共和国基礎データ
 ナウル共和国は,面積21.1平方キロメートル,人口約1.3万人(2018年,世界銀行),一人当たりの国民総所得(GNI)は11,240米ドル(2018年,世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域,オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。ナウルからはワンガ大統領(当時)が参加した

(2)我が国は,PALM8において,(ア)自由で開かれた持続可能な海洋,(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化,(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として,今後3年間でこれまでの実績も踏まえた,従来同様の,しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。