(令和2年6月16日(火)  9:17~9:29)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭、新型コロナウイルス感染症の検査について2件お話をさせていただきます。
 まず、抗原検査の関係でありますが、これまで鼻咽頭ぬぐい液による抗原検査で陽性の場合は確定診断となる一方、陰性の場合は確定診断 のために再度PCR検査を行うという運用をさせていただいてきました。今般、発症 2日目から9日以内の有症状者については、抗原検査とPCR検査の結果の一致率が高いことが確認されました。
 このため、新たに抗原検査で陽性の場合に加えて、陰性の場合についても、それをもって確定診断できるようにしたいと考えて、本日厚 生科学審議会感染症部会を開催し、関係ガイドラインを改訂するなど所要の手続き を行うことにしております。抗原検査は、その場で30分程度という短時間で診断 することが可能であります。また、キットでありますから、非常に使い勝手が良いということもあります。今後、救急患者を含め、関係機関や施設で発熱がある場合 などの活用が期待されるところであります。

 2件目は、抗体検査の調査結果であります。感染者数の多い地域と少ない地域として、東京都、大阪府、宮城県の3都府県について、それぞれ一般住民約3千名を 性・年齢区分別に無作為抽出をし、6月第1週に血液検査による抗体検査を実施しました。調査においては、FDAにおいて緊急使用許可がされた、定量的に陽性か陰性かを判断できる検査法を用い、測定方法が異なる2種の検査方法の両方で陽性が確認された者を陽性と判断することといたしました。
 その結果、各自治体における 抗体保有率は東京都で0.10%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%でありました。 これらの陽性検体については、検体中の抗体が実際に新型コロナウイルスに対してどの程度の防御機能を持つのかなどについて、国立感染症研究所でさらに精査することとしております。今回の調査結果のほか、産生された抗体の持続期間や免疫防御機能との関係に関する他の研究の状況を踏まえて、抗体検査の活用方策や、更なる抗体保有率調査について検討していきたいと思います。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
2点お伺いします。抗体保有調査結果について、大半の人が抗体を保有していないということについての受け止めをお願いします。
 もう1点、雇用調整助成金のオンライン申請について、外部の専門家を交えてと仰っていましたが、もうすでに決まったのか、月内にも始められそうなのか見通しをお願いします。
大臣:
まず抗体関連でありますが、お手元の資料に調査結果がありますが、累積感染者数といわゆる感染率の5月31日時点のものが、それぞれ出されています。それと比べてどうかという判断なんだろうと思いますが、それぞれの地域によっても倍率もずいぶん違っているという状況もあるので、一概にはこれだけで全て語ることはできないと思いますが、抗体保有率を調べる一つの調査結果であると認識しております。
 それから、雇調金のオンラインの関係でありますが、5月20日に運用を開始してすぐに停止をし、6月5日に再開をして、すぐにまた停止をしたということであります。こうした問題を含めて、外部の専門家、専門家というか事業者も入れて、徹底的な究明を行いたいということで、外部の事業者に打診をし、今相談させていただいて、早々に契約決定に至りたいと思っております。その上で、全体のシステムについて等々チェックをしていただいて、一日も早くシステムを稼働させたいと考えておりますが、現時点でいつごろという目途を立てるにはまだ至っていません。
記者:
2月に最初に公表した相談・受診目安についてお伺いしたいと思います。当時、第一回専門家会議の前に4日を待たずに相談と原案に表記があったと思うのですが、これは実際に公表された目安では削られました。ここのところの経緯というのは、議事概要しかないためよく分からない部分もあるので、どのような認識経緯でこうなったか教えてください。
大臣:
受診・相談の目安は、特に高齢者・基礎疾患のある方等へ確実に必要な診療につなげていただきたいということで、専門家の意見を踏まえて、目安としてお示しをさせていただきました。その際の専門家会議でのたたき台になった資料で、それをふまえてここで様々な議論を踏まえて最終的に縦書きの内容に変え、また、議論を踏まえて少し体裁とか分かりやすさを考えこれにさせていただきました。そして、最終的にこれについてもう一回、専門家のチェックをいただいたということです。
 体裁を変えてできる限り目安として分かりやすいということで受診前に心掛けていただきたいこと、ご相談いただく目安、かかる時のお願いとか分けて、それぞれ書かせていただく等々をさせていただいたという。基本的なスタンスですね、最初に申し上げたように、こうした状況になったら確実に受診につなげて欲しいという方針に何か変わりがあるわけでもないし、それを踏まえて作らせていただいたということで、意図的に削除するというわけではなくて、全体のトーンを作る中での変更ということであります。ご承知のとおり分かるように体裁も、作り方もより分かりやすいものにさせていただく中での変化ということであります。
記者:
4日を待たずにというのがなくなったことで、4日待ってしまったという方もかなりおられたようなんですけれども、大臣度々37.5℃、4日間については国会等でもご答弁されていらっしゃるかと思うのですが、この4日を待たずに相談が削られた経緯みたいなものは改めて検証されるお考えとかご予定はございますでしょうか。
大臣:
経緯は今申し上げたように、4日を待たずにと書いた文章について色々ご議論いただいて、それをそこだけではなくて全体を分かりやすく作らせていただいた、それで縦書きの資料については専門家のご意見もいただいたと、そういうプロセスを踏んでいるということで、一個一個のことが同じ体裁で意図的に切ったり貼ったりしているのであれば仰るような視点があるかもしれませんが、全体の構成を変えて作っておりますから、一個一個が結びついているということでは必ずしもないということは是非ご理解いただきたいと思います。
 ただ、基本的なトーンとしては、当時の新型コロナウイルス感染症という新たな疾病について、どういう状況、当時インフルエンザや風邪等もありましたから、風邪だから大丈夫じゃないかと仰る方がいてもこのくらい経ったら少なくとも受診して欲しい、それから高齢者については重症化しやすいから2日以上続けば必ずそうしてくださいと、そうした趣旨を書かせていただきました。今仰るような形で十分伝わらなかったと批判も中にはあることも含めて、改めて5月にも作らせていただいたということであります。
記者:
弊紙の調査で、新型コロナウイルスの死者の定義が、自治体によって異なっていることがわかりました。感染者が亡くなった場合にそのまま死者に計上するという自治体もある一方、感染者であっても死因が別にあると判断された場合には死者から除外している自治体もあります。厚労省としてはコロナによる死者をどのような定義の基で集計することが望ましいとお考えなのか、また、統一した定義が示されるお考えがありますでしょうか。
大臣:
今回、厚労省からは、各都道府県に対して、新型コロナウイルス感染症患者が死亡したときは速報として報告して欲しいということをベースに依頼をさせていただいております。したがって、新型コロナウイルス感染症の患者が死亡したということでありますから、死因が何かということではなくて、その方がお亡くなりになったといった場合に、元々患者として届け出があって、容態変化があれば報告をいただくということでありますが、特に亡くなったということについては報告をしていただきたいということがまずベースにあります。
 それを踏まえて、各都道府県はホームページ等でそれぞれの地域において亡くなった方の数を日々日々更新しておられ、我々はそれを集計して出させているとこれが一連の流れであります。今ご指摘の報道等も含めて、改めて新型コロナウイルス感染症の患者が死亡したときという取扱いで周知を徹底していきたいと思います。

(了)