令和2年6月15日

カナダ政府主催WTO少数国閣僚テレビ会合の実施1

カナダ政府主催WTO少数国閣僚テレビ会合の実施2

 6月15日,午後8時から約2時間,カナダ政府主催により,WTO少数国閣僚テレビ会合(オタワ・グループ会合(以下参考))が開催されたところ,概要は以下のとおりです。日本からは,若宮健嗣外務副大臣,牧原秀樹経済産業副大臣が参加しました。

1 若宮副大臣からは,新型コロナによって大きなダメージを受けた自由貿易を「コロナ後」の世界で強化していくには,WTO改革を進めることが急務であり,その中でも通報制度や紛争解決制度が有効に機能することが欠かせないと述べました。その上で,新型コロナ危機に対応するための具体的取組として,以下の点が重要である旨指摘しました。

(1)新型コロナを受けて導入された貿易上の緊急措置は,的を絞り,目的に照らし相応で,透明かつ一時的なものであり,WTO協定に整合的なものとし,貿易歪曲的効果を持つ措置については早期に撤回すべきであること。そして,この原則を全てのWTO加盟国が確認すべきであること。

(2)サプライチェーンを強靱化するため,貿易や投資を一層円滑化する必要があり,WTOにおいて,ビジネス環境の改善に資する投資円滑化のルールを策定することが重要であること。

2 今次会合において,「オタワ・グループによる声明:新型コロナウイルスに焦点を当てた行動」が発出されました。

3 最後にトルドー首相が参加し,自由貿易を推進するためのWTOの役割が今ほど重要な時はないとしてオタワ・グループの貢献を歓迎しました。

[参考]オタワ・グループ

(1)WTO改革につき議論することを目的としたカナダが主導する有志国グループ。

(2)参加国:
   オーストラリア,ブラジル,カナダ,チリ,EU,日本,ケニア,
   韓国,メキシコ,ニュージーランド,ノルウェー,シンガポール,スイス。
  (以上のメンバーに加え,WTO事務局も参加)