令和2年6月15日

1 6月12日(現地時間同日),ボツワナ共和国の首都ハボロネにおいて,我が方,竹田浩三駐ボツワナ日本国特命全権大使と先方タペロ・マツェカ財務・経済開発大臣(Hon. Dr. Thapelo Matsheka, Minister of Finance and Economic Development)との間で,供与額3億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

2 ボツワナにおいては,3月30日に新型コロナウイルス感染者が確認された後,非常事態宣言が発出されましたが,その後も新規感染者の確認が続いています。同国は,保健医療サービスの質及びアクセス向上に尽力しているものの,近年,財政赤字が続いている上に,今般の感染拡大の影響で大きな財政収入の落ち込みが予想されることから,保健分野の予算確保にも困難を抱えています。感染者が継続的に増加する中,医療機材が不足しているため,感染症拡大防止に向けた保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は,ボツワナ共和国に対し,サーモグラフィー,自動対外式除細動器(AED)等の保健・医療関連機材を供与することを通じて,同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

3 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は,人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日,日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり,国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ,保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は,在留邦人の健康・安全に直結するのみならず,我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり,我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

4 我が国としては,新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて,引き続き,国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。

5 我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)拡大とアフリカ健康構想の推進を表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具現化するものです。

[参考]ボツワナ共和国基礎データ
 ボツワナ共和国の面積は約56.7万平方キロメートル(日本の約1.5倍),人口225万人(2018年),一人あたりGNI(国民総所得)は7,750米ドル(2018年,世界銀行)。