令和2年6月11日

1 6月11日(現地時間同日),サモア独立国の首都アピアにおいて,我が方寺澤元一駐サモア特命全権大使と先方トゥイラエパ・ファティアロファ・ルペソリアイ・サイレレ・マリエレガオイ・サモア独立国首相兼外務貿易大臣(Hon.Mr. Tuilaepa Fatialofa Lupesoliai Sailele Malielegaoi, Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and Trade of the Independent State of Samoa)との間で,供与額1.50億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

2 サモアにおいては,自国民を含めて入国を全面的に停止するなどの措置が取られた結果,現時点では新型コロナウイルス感染症の感染者は確認されていませんが,人的・物的往来の制限の長期化によるサモア経済及び国民の生活への打撃は深刻です。サモア政府は,こうした状況に対応すべく,今後の入国制限措置の緩和を視野に入れつつ,それに伴って感染者が出た場合の対応を検討中ですが,同国では,検疫・隔離施設に加え,病院の医療機器が絶対的に不足しています。本計画は,サモアに対し,遠心分離機,超低温フリーザー等の保健・医療関連機材を供与することを通じて,同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

3 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は,人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日,日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり,国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ,保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は,在留邦人の健康・安全に直結するのみならず,我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり,我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

4 我が国としては,新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて,引き続き,国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。

5 我が国は,2018年5月に開催した第8回太平洋・島サミットにおいて,「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」を支援の柱として表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具現化するものです。

[参考1]サモア独立国基礎データ
 サモア独立国は,面積2,830平方キロメートル(東京都の約1.3倍),人口約20万人(2018年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は4,190米ドル(2018年,世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域,オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。サモアからはトゥイラエパ首相が参加した

(2)我が国は,PALM8において,(ア)自由で開かれた持続可能な海洋,(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化,(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として,今後3年間でこれまでの実績も踏まえた,従来同様の,しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。