(令和2年6月5日(金曜日)15時01分 於:本省会見室)

冒頭発言

感染症危険情報の引き上げ

【茂木外務大臣】私の方から,まず感染症の危険情報の引き上げについて発表させてもらいます。新型コロナウイルス,現在も新興国・途上国を中心に,感染拡大が継続しておりまして,警戒が必要な状況であります。今日現在で,188か国・地域で657万人以上の感染が確認をされ,全世界の死亡者数は38万人以上となっております。
 このような状況を受けまして,1万人当たりの感染者数等を含みます様々な状況,日々のトレンド等もそうでありますが,それを総合的に勘案して,新たに18か国,お手元に配っている資料の赤字の国でありますが,これに対しまして,感染症危険情報レベルを「レベル3」に引き上げることにいたしました。すでに発動ということであります。

新型コロナウイルス(出入国規制の緩和)

【NHK 木村記者】段階的な入国規制の緩和について,お聞かせください。大臣これまで,ベトナム,ニュージーランド,オーストラリアと電話会談をして,必要な人材の往来の可能性について協議をされているかと思いますけれども,PCR検査であるとか,日本に入国した後の待機とかですね,どういった条件を設けることになるのか,緩和した後にですね,その見通しをお聞かせください。

【茂木外務大臣】まず,私(大臣)は電話会談,もう40か国以上とやっておりますので,その3か国だけではありません。もちろん挙げていただいた3か国については,世界全体で見ても感染症はかなり収まっている国だと考えておりますが,先日来お話ししているように,今後の緩和に当たりましては段階的に行うと。まずは人材面でも段階的に行いますし,国についてもまずは限られた国からということになってくるのではないかなと思っております。
 その上で適切な感染症対策,これは当然とる必要があると思っておりまして,今,関係省庁との間で,どういった対策が必要なのか,PCRの問題,そしてやはり隔離といいますか,待機の問題を含め,どういう措置が感染症対策上適切であるかという検討を進めているところであります。

【NHK 木村記者】まさに今,検討中ということだとは思うんですけれども,改めてその2週間の待機という期間が今求められているわけですけれども.併せて入国する人のニーズを考えたときには,その2週間の待機といったときに,そのニーズと合致するのかという問題もあるかと思いますが,2週間の待機をどう思われますか。

【茂木外務大臣】これですね,コロナ対策と経済活動の再開,これは国内でもそうでありますが,そのバランスをどう取っていくかということが極めて重要だと思っております。当然,ビジネス等でお越しになる方にとっては,来たその日からでも活発に仕事をしたいということであると思いますが,一方で感染症対策上,それで万全なのかということは考えなくてはいけない。それは検査も含めてでありますし,また,どういった形でその人たちが移動の範囲を設定するか,こういう問題もあるのだと思っておりまして,そういった点も含めて,今,関係省庁で検討しているということであります。

感染症危険情報の引き上げ

【NHK 木村記者】別件でありますけれども,先ほど感染症危険情報の「レベル3」への引き上げの国を挙げていただきましたが,これまでの手続きと同じく,関係省庁と協議をした上で,また関係閣僚で協議をした上で,入国拒否になるというふうに見込んでよろしいですか。

【茂木外務大臣】基本的にはそうなのですが,今見ていただいている18か国は,それほど日本との間で,人の往来が圧倒的に多いという国ではありませんので,適切なタイミングで措置を執りたいと思っております。

新型コロナウイルス(出入国規制の緩和)

【読売新聞 阿部記者】入国制限の緩和の関連でお伺いしたいのですが、相手国のある話ですけれども、日本政府としては、往来の再開の時期については、いつごろを念頭に協議を進めていくお考えなのかお伺いします。

【茂木外務大臣】まさに今,協議中であります。

旧朝鮮半島出身労働者問題(被告日本企業の差押資産の現金化に向けた動向)

【テレビ朝日 大石記者】日韓関係についてお伺いします。旧朝鮮半島出身労働者問題を巡って,韓国側が公示送達の手続をとりまして,日本製鉄の資産現金化の手続が一歩進んだ形にはなりますが,その受止めと,あと,大臣はかねてより,現金化を避けなければならないと強調されていますが,今後の日韓の協議にどのように臨まれるか,改めてお聞かせください。

【茂木外務大臣】まず,旧朝鮮半島出身労働者問題に係ります韓国大法院判決及びそれに関連する司法手続き,今回のものを含めてでありますが,これは明確な国際法違反であると,このように考えております。
 その上で今回の措置と,それによって現金化を行えることではありませんけれども,今回の措置で,資産の差押命令に関する手続が進むということでありまして,その先で現金化ということになりますと,それは深刻な状況を招くので,避けなければならない。この点は,先日の日韓外相会談の時にも明確に申し上げたところでありまして,その前に問題を解決しなければいけないということでは,日韓の間の認識は一致していると。外交ルート含めて,しっかりと協議をしていきたいと思っています。

新型コロナウイルス(出入国規制の緩和)

【産経新聞 原川記者】先ほど来,質問が出ています入国規制の緩和,段階的な緩和に関して伺いたいんですけれども,どこかの国との間で入国規制の緩和について話し合いをする中でですね,その時はもう,いわゆる相互主義といいますか,相手国の方が日本に来るときの条件と,日本人が相手国に行く条件は基本的には同じもので,その合意を目指していくことになるのですか,各国と。

【茂木外務大臣】基本的には,何度か申し上げておりますけれど,同じ措置であることが望ましい,そして同じタイミングであることが望ましい,そのようには考えておりますけれども,それぞれの国によって制度も違っていたりするわけでありまして,そこの中で,完全に同じ形になるかどうか,こちらから向こうに行くのと,向こうからこちらに来るのが完全に同じ形になるかどうか,それからタイミングにつきましても,では何月何日からということで,「ヨーイドン」ということになるのか,若干のずれが出るかと,こういうことはありうると思いますが,そこにつきましては,あまり違わない形が望ましいと思っております。