(令和2年6月2日(火)10:30~10:43 於)復興庁6階621会議室)

1.発言要旨
  おはようございます。
  「名取市震災復興伝承館」、「いわき震災伝承みらい館」の開館についてお話しさせていただきたいと思います。
  復興交付金で整備を進めてきた2つの施設、すなわち、宮城県名取市閖上地区の「震災復興伝承館」、福島県いわき市薄磯地区の「震災伝承みらい館」が、去る5月30日にそれぞれオープンいたしました。
  昨年末の基本方針においてお示ししたように、被災各地にある追悼施設、震災遺構、伝承施設等の間で連携しつつ、復興の姿をわかりやすく正確に情報発信いたしまして、東日本大震災の記憶や教訓を風化させることがないように後世にしっかりと伝えていくことは、大変重要であると考えております。
  情報発信や教訓の伝承によって、今後の防災力の向上を図りたいと考えておりまして、今般開館した2つの施設を含め、追悼施設・伝承施設等に多くの方に訪れていただけることを期待しておるところでございます。
  以上でございます。

2.質疑応答
(問)伝承施設の関係なのですが、福島県が整備しております原子力災害のアーカイブ施設に関しては、今年の夏を目標にしていましたが、新型コロナの影響がありまして、開館が秋にずれ込む見通しになっております。
  今回、いわきや名取で開館が進む一方で、原子力に関する伝承施設というのは遅れが出ているということで、震災10年に向けて、大臣がおっしゃるように記憶や教訓の伝承について課題があったと思いますが、こちらについて、福島県に対する支援などをどのように考えていらっしゃいますか。
(答)お話にありましたように、当初、本年夏頃に開館を予定しておりました。コロナの件で、いろいろと緊急措置によって秋にずれ込むと見込まれて、現在準備しておるところでございます。
  福島の伝承館も双葉町にということでございまして、私どもも非常に重要なことでありますし、今お話ししましたように、大変なことが起こったわけでございまして、こういうことをしっかりと継承することとあわせて、これからそういうことが起きないようにきちんと伝えていく、また、参考にしていくことが大切だと思っておるところでございます。
  以上でございます。
(問)もう1点お伺いいたします。
  昨日、原子力災害の「福島12市町村将来像提言フォローアップ会議」が書面開催で行われまして、復興に向けての工程表が改訂されました。
  これまでの総点検の中で、被災12市町村が広域連携を図って都市機能、生活インフラを維持していくべきだというのが今回の議論だったのが、広域の公共バスや車のシェアなどのいわゆる公共交通機関については、採算性がなかなか見込めないということで、改めて検討が必要だというようなことも盛り込まれておりました。
  これから本格的な復興に進んでいく中で、本当に自治体間で広域連携を進めていくのであれば、公共交通網の整備が必要かと思われますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
(答)昨日、「第7回福島12市町村将来像提言フォローアップ会議」を書面開催によって実施したところでございます。
  今年は「ロードマップ2020」の最終年に当たるために、これまでの進捗状況を総点検し、実績や課題を整理いたしました。
  お話がありました、バス交通等へのことでございますが、フォローアップ会議でお示しした総点検結果は、各所の取り組みと実績、あるいは今後の課題を整理することによって、将来像の提言の進捗状況を確認させていただいて、今後の提言見直しに向けた材料とすることを目的としておるところでございます。
  復興庁としても、引き続き関係省庁や県、市町村ともしっかりと連携して、将来像の提言の実現に向けて取り組んでまいります。
  詳細は事務方にお尋ねいただければと思っております。
  以上でございます。
(問)災害公営住宅の家賃補助についてなのですけれども、低所得者向けの特別家賃低減事業に関して、5月21日の衆議院特別委員会の時に、10年間という期間も含めて見直すというお話があったのですが、先日5月29日の参議院の特別復興委員会で、10年間は支援しますと方針転換されたと認識しているのですが、このあたりは、短期間で方針が変わった理由を教えていただけますでしょうか。
(答)方針が変わったというか、先般の委員会も、お尋ねに対してお答えしたこともあったわけでございまして、ちょっと説明させていただきたいと思います。
  見直しの方向性としては、確かに5月29日に答弁したとおりでございますけれども、特に低所得者向けの施策であります特別家賃低減事業は、これまでの制度どおり、管理開始から10年間の支援を継続する方向で検討しております。
  また、家賃低廉化事業は公営住宅法で支援が定められておりまして、公定の補助率は最大20年間確保されております。その上で、これまで復興交付金制度で行ってまいりました補助率かさ上げについては、期間を特別家賃低減事業と同じく、管理開始後10年間の継続とすることを目指しております。
  復興庁としても、概算要求にて要求内容を示して、年末の予算案に向けて調整に努めてまいりたいと思います。いずれにしても、引き続き関係省庁と連携して居住の安定に努めてまいりたいと思っております。
  方針が変わったというよりは、基本方針に基づいてこのように取り組んでおると思っていただければ結構だと思います。「『復興・創生期間』後における東日本大震災からの復興の基本方針」、令和元年12月20日に閣議決定したことに基づいて、こういう対応をしておるということでございます。
  以上でございます。
(問)低所得者向けの特別家賃低減事業については、当初予定していた10年間の約束を守るということだと思うのですけれども、一方で、全体的に家賃を下げる家賃低廉化事業に関しては、本来20年間、震災に関しては特別な補助があったと思うのですが、それを一般の公営住宅法の補助に移すということは補助が縮小するという認識だと思うのですが、なぜこちらだけ震災のときに取り決めたことが守られないのかというところについては、大臣はどういうふうに認識されていらっしゃいますか。 (答)私どものほうも、いろいろと今回対策として講じてきたことなのでございますけれど、諸般の状況等を勘案しながら、そして、実際に困っていらっしゃる方たち、また、いろいろと御要望等も踏まえながら判断していこうということでございます。
  いずれにしましても、昨年12月に閣議決定した、今お話しした基本方針に基づいてでございますけれど、自治体からの御要望とか、御意見をいただいておりまして、丁寧に調整してきたところでございます。
(問)もう1点なのですけれども、低所得者向けの特別家賃低減事業にしても、家賃低廉化事業にしても、国の補助と地方負担分ということで、負担を折半するという形になっていますけれども、ただ、地方負担分については、震災復興特別交付税で実際には地元の負担がないという形で進めていたと思うのですが、こちらの地元負担分はどのようになるとお考えでしょうか。
(答)このことも御要望が確かにございますし、いろいろなご意見があるわけでございますので、お話ししたように、来年の予算要望に向けてということで対応してまいりたいと思いますし、いずれにしても、概算要求等で具体化していくということで、今の時点では申し上げておきたいと思っております。
  ありがとうございました。

(以  上)