2020年5月29日

同時発表:国立研究開法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

無人航空機の第三者上空での目視外飛行の実現に向けた「空の産業革命に向けたロードマップ」に基づき、「機体の安全性・信頼性の評価手法の検討」の研究開発成果として、「無人航空機性能評価手順書」を公表します。

1.背景

近年、無人航空機は、農薬散布、空撮、測量、インフラの点検等の場で広く活用されはじめ、さらに既存の手段では困難であった、迅速で場所を選ばない物の輸送や、空からの画期的な映像取得等が可能となるため、人手不足や少子高齢化といった社会課題の解決や、新たな付加価値の創造を実現する産業ツールとして期待されています。

今後、さらに多様な産業分野の幅広い用途に無人航空機を利用し、多くの人々がその利便性を享受し、産業、経済、社会に変革をもたらすためには、第三者上空での補助者なし目視外飛行の実現が必要不可欠となります。その実現に向けて取り組むべき課題について、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」では「空の産業革命に向けたロードマップ」をとりまとめており、その一つとして、「機体の安全性・信頼性の評価手法の検討」が挙げられています。

2.本手順書について

経済産業省「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の一環として、国立研究開法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以降、NEDO)では、海外の関連動向を踏まえつつ、福島ロボットテストフィールド(以降、RTF)を活用した試験データ等を活用しながら、目視外・第三者上空飛行を行うための無人航空機の性能評価方法の検討・開発を進めてきました。

この研究開発成果を、「無人航空機性能評価手順書」として取りまとめましたので、ここに公表します。無人航空機の性能を統一的に評価する基準及び手法としては国内で初めて包括的にとりまとめられたものです。今後、事業者による機体開発に係る性能目標の設定や機体選定の際の指標、無人航空機の運用の際の考慮事項など広く活用されることが期待されます。また、今後のドローン利活用拡大に向けた更なる制度設計における検討材料としても貢献するものです。

3.福島ロボットテストフィールドについて

「福島イノベーション・コースト構想」の一環として、ドローンの長距離飛行・運航管理試験をはじめ陸・海・空のフィールドロボットに関する多くの実証試験が可能な拠点として、RTFが整備され、2020年3月に全面開所しました。RTFでは、関連の試験施設が整備されており、本手順書に基づく評価試験等を実施可能であるほか、試験用プラント設備、橋梁などの実際の現場を模した試験環境が整備されています。

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担当

製造産業局産業機械課長 玉井
担当者:和泉、古賀

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