(令和2年5月26日(火曜日)14時50分 於:本省会見室)

冒頭発言

航空機等が停止された地域における邦人の出国・帰国

【茂木外務大臣】毎回報告しております邦人の出国・帰国に関してでありますが,これまでに出国・帰国された方,合計で9,923名に上ります。引き続き,出国・帰国を希望されている方が,27か国で約260名,これらの方々のうち約60名の方は,今月中に出国・帰国予定となっております。

北方四島における共同経済活動(管轄権棚上げ)

【朝日新聞 佐藤記者】北方領土でのですね,共同経済活動の法的枠組みを巡って,一部報道でロシア側が管轄権問題の棚上げを提案しているという報道がありましたんですけども,それに関する事実関係の確認と,現在の進捗状況等,もしお話しになれる部分がありましたらお聞きしたいと思います。

【茂木外務大臣】お尋ねの件につきましては,長門での首脳間の合意に基づいて,日露双方の法的立場を害さない形でのプロジェクトの実施に向けて,鋭意取り組んでいくことに変わりありません。今後の日程等につきましては,コロナの状況等も見極めつつ,外交ルートを通じて調整中であります。

G7サミット

【読売新聞 大藪記者】G7サミットについてお伺いいたします。議長国の米国が,来月下旬に米国でG7サミットを開きたいという意向のようです。外相会談ではございませんけれども,コロナ,あるいはそれ以外の国際情勢の諸課題を巡ってどのような議論,あるいはどのような成果を期待されますでしょうか。

【茂木外務大臣】G7の首脳会議につきましては,現時点で引き続き,日程・開催方法について調整中でありますが,自由民主主義,基本的人権,法の支配といった普遍的な価値を共有するG7が連携をして,自由かつどの国・地域にも開かれた形で世界の感染症対策をリードしていかなければならないと考えております。G7の首脳会議では,我が国の経験や知見も生かしながら,世界の感染症対策,コロナ時代の国際秩序作りにおいて,強いリーダーシップを発揮したいと考えております。
 また,昨日,総理が記者会見でも言及されておりましたが,特許プールを活用した支援については,薬やワクチンを迅速に,また大量に生産をして,途上国を含めます全ての国に手の届く価格で普及させる観点から,重要であると考えておりまして,G7首脳会議の成果とすべく,しっかり今,準備をしたいと考えております。
 同時に,日程,またコロナの全世界における拡大であったりとか,収束の状況にもよると思いますけれども,今後,世界経済をどうしていくか,こういったことも,当然議論にはなってくるのではないかなと考えております。

新型コロナウイルス(外務省の勤務体制)

【NHK 山本記者】一点,外務省のテレワークの体制についてなんですけれども,昨日,緊急事態宣言が解除されまして,これまで外務省はほとんど課や室でテレワーク,在宅勤務を進めていたと思いますけれども,今後,変化っていうのは出てくるんでしょうか。

【茂木外務大臣】基本的に今のテレワークの状況,すぐに変更するということではないと思っております。ある意味,コロナと共存しながら新しい働き方であったりとか,新しい生活様式,ライフスタイル,そういったものを考えていかなければいけないと思っておりまして,当面,テレワーク等々も継続する必要がある。更にはローテーション等々も続けていきたいと考えております。
 その中で大切なのは,テレワークもそうでありますけれども,それと今度は出省している人たち,これの接触についてどうするかということが重要だと思っておりまして,仮に半分の方がテレワークと,そして会議や様々な形の打ち合わせでの接触の機会,これがかつての4割になりましたら0.5×0.4ですから8割は達成できると思っております。
 いずれにしても,そういった中でどういう形がコロナ対策上必要なのかと。同時にやはりですね,様々な打ち合わせであったりとか,外交のいろいろな議論もこれから本格化させていかなくてはならない,そういう中での両立を図っていくことが重要だと思っております。