令和2年5月25日

1 5月22日(現地時間同日),スイス連邦のジュネーブにおいて,山崎和之在ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権大使とテドロス・アダノム・ゲブレイェスス世界保健機関(WHO)事務局長(Dr. Tedros Adhanom Ghebreyesus, Director-General, WHO)との間で,3億2,800万円を供与額とする無償資金協力「保健施設及び地域社会における精神的健康支援及び心理的支援改善計画」に関する交換公文の署名が行われました。

2 イエメンは,深刻な人道危機に直面しており,国連の報告によれば,人口の約8割にあたる約2,400万人が何らかの人道支援を必要としています。特に北部地域各県においては精神疾患者数が増加傾向にあり,約500万人以上がメンタルヘルスケアの受診を必要とする一方,イエメン国内の精神科医・心理医師数は10万人に対し約0.2人のみ,メンタルヘルスサービスを提供する国内の保健施設は全体の約2割のみという状況にあります。

3 この協力は,北部8県(サヌア,サアダ,ハッジャ,アムラン,マハウィート,イッブ,ダマール及びベイダ),南部1県(アデン)及びその他2県(ホデイダ,タイズ)において,緊急的メンタルヘルスサービスの提供,関連保健施設の改修,医薬品及び関連機材・設備の供与並びにメンタルヘルス分野におけるスタッフの研修等を行うことにより,紛争の影響を受けた人々に対するメンタルヘルスケア及び心理的サポートサービスへのアクセス確保,同サービスの質の向上を図り,もってイエメンにおける人道状況及び保健医療の改善に寄与することが期待されます。

[参考]イエメン共和国基礎データ
 イエメン共和国の面積は55.5万平方キロメートル(日本の1.5倍弱),人口は約2.845万人(2018年,世界銀行),1人当たりの国民総所得(GNI)は960米ドル(2018年,世界銀行)。