厚生労働省においては、3月30日にLINE株式会社と「新型コロナウイルス感染症のクラスター対策に資する情報提供に関する協定」を締結し、この協定に基づく情報提供に資するため、LINE株式会社の公式アカウントにおいて、サービス登録者に対して「新型コロナ対策のための全国調査」をこれまでに4回にわたり実施しました。今回、その分析結果より、以下のようなことがわかりましたので、お知らせします。
 
全国調査のまとめ
・発熱者(37.5度以上の発熱が4日間以上)の回答者における割合(発熱率)は、全国調査第1~3回にかけて、全国的に上昇していましたが、第4回の結果では、減少傾向が見られました(それぞれ、0.11%、0.13%、0.15%、0.13%)

・第4回調査時点で、「身体・健康について心配している」に「はい」と回答された方の割合は26.8%で、タクシードライバーが最も高く32.7%、学生が最も低く18.9%でした。

・一方で、学生は職業種の中で、「人間関係について不安を感じている」、「毎日のように、ほとんど 1 日中ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちでいる」、および「ほとんどのことに興味がなくなっていたり、 大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめなくなっている」に、「はい」を回答する割合が最も高い結果でした。それぞれ12.9%、14.4%、13.0%でした(回答者全体では9.3%、8.7%、8.3%)。

・「収入・雇用に不安を感じている」に「はい」と回答された方は、全体の31.1%でした。回答結果は職業種で大きな偏りがあり、タクシードライバー(82.1%)、理容・美容・エステ関連(73.0%)、宿泊業・レジャー関連(71.2%)、飲食(飲食店含む)関連(62.2%)の方が、過半数以上「はい」と回答されました。また、職業種によっては、従業員規模が小さいほど、より多くの方が「はい」と回答する傾向がありました。

結果1
 全国調査第1~3回はそれぞれ、2020年3月31日~4月1日、 4月5~6日、4月12~13日に行われました。発熱者(37.5度以上の発熱が4日間以上)の回答者における割合(発熱率)は、0.11%、0.13%、0.15%と上昇傾向でした。しかし、5月1~2日に行われた第4回では、発熱率0.13%と、3回目から減少が見られました。発熱率の減少は全国的に認められました(図1)。
 
図1:全国調査第1~4回における、発熱者の割合(%)

発熱=37.5度以上の発熱が4日間以上。凡例の白色は全国調査第3回における都道府県平均。15歳以上、110歳以下の有効回答を使用(第1回=24,011,023人、第2回=24,209,762人、第3回=23,374,019人、第4回=18,121,559人)

結果2
 第4回調査時点で、「身体・健康について心配している」に「はい」と回答された方の割合は26.8%で、タクシードライバーが最も高く32.7%、学生が最も低く18.9%でした(表1)。
一方で、学生は職業種の中で、「人間関係について不安を感じている」、「毎日のように、ほとんど 1 日中ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちでいる」、および「ほとんどのことに興味がなくなっていたり、 大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめなくなっている」に、「はい」を回答した割合が最も高い結果でした。それぞれ12.9%、14.4%、13.0%でした(回答者全体では9.3%、8.7%、8.3%)。
 「収入・雇用に不安を感じている」に「はい」と回答された方の割合は31.1%でしたが、職業種によって多く偏りがありました。タクシードライバー(82.1%)、理容・美容・エステ関連(73.0%)、宿泊業・レジャー関連(71.2%)、飲食(飲食店含む)関連(66.2%)の方が、過半数以上「はい」と回答されました。
 
表1:職業種別の、最近2週間以内の心配・不安に関する質問に「はい」と回答した方の割合(%)

  身体・健康について心配している 収入・雇用に不安を感じている 人間関係について不安を感じている 毎日のように、ほとんど 1 日中ずっと憂うつであったり沈んだ気持ちでいる ほとんどのことに興味がなくなっていたり、 大抵いつもなら楽しめていたことが楽しめなくなっている
回答者全体 26.8 31.1 9.3 8.7 8.3
オフィスワーク中心(事務・企画・開発など) 27.2 27.6 9.4 7.2 7.1
外回り中心(営業など) 27.9 39.6 10.7 8.6 8.3
オフィス以外の職場での仕事中心(生産・製造・現場など) 28.4 44 10.7 7.8 8.9
飲食(飲食店含む) 25.8 66.2 10.1 11.5 10.7
教育 26 22.6 8.2 6.6 6.2
医療 29 23.6 9.4 7 7.1
ヘルパー・介護 31.9 24.1 11 7.8 8.4
タクシードライバー 32.7 82.1 9.2 13.6 12.1
運送 30.1 44.7 10.5 7 8.5
小売り(店舗含む) 29.7 43.9 9.7 8.1 8.2
宿泊業・レジャー関連 27.2 71.2 10.7 11.9 10.9
保育 27 27.2 7.7 5.6 5.6
理容・美容・エステ 25.5 73 9.8 10.1 9.5
官公庁(国と地方公共団体の役所) 26 8.5 7.6 5.7 6.2
その他、収入のある仕事をしている 26.1 40.9 9.3 8.4 8.3
学生 18.9 21.3 12.9 14.4 13
専業主ふ 25.1 19 6.2 9.2 8
その他 27.8 30.8 9.4 11.9 10.1

第4回調査。15歳以上、110歳以下の有効回答を使用。

結果3
 職業種の中で給与をもらう仕事を回答した方において、従業員規模別にみると、職業種によっては規模が小さいほど多くの方が 「収入・雇用に不安を感じている」に「はい」と回答する傾向がありました(図2)。
 
図2:従業員規模別の「収入・雇用に不安を感じている」人の割合

第4回調査。15歳以上、110歳以下の有効回答を使用。従業員規模は、職業種の中で給与をもらう仕事を回答した方のみの設問。

 
※結果をご覧いただく際の注意事項
調査アンケートへの回答結果をご覧になる際には、回答者の属性や調査自体の偏りを考慮する必要があります。例えば、本調査はLINEユーザーのみを対象としていること、重症者は回答しづらいこと、感染症予防の意識が高い人ほど回答する傾向にあることなどの可能性が考えられます。発熱はあくまで新型コロナウイルスの感染状況の一つの間接指標であり、絶対的な指標ではありません。ある地域(都道府県や市区町村)に発熱者が集中していることは、その地域において新型コロナウイルスの感染リスクが高いことを必ずしも意味するわけではありません。