日時 令和2年5月1日(金曜日)9時23分~9時37分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)大型連休を迎え国民の皆様へのお願いについて(農林水産物の消費拡大等)
  • 令和2年度補正予算の周知について
  • 緊急事態宣言が延長された場合の生産・流通・小売りへの影響について
  • 小麦粉等の転売及び供給状況について

 

大臣

  冒頭、いくつか私から発言をさせていただきます。いよいよですね、また、緊急事態宣言も期間が延長されるというような報道がされておりますけれども、国民の皆様方にはできる限りお家にいていただくというお願いをしておる訳でですね、なかなか農林水産を巡る状況は厳しさが変わっておりません。補正予算が昨日通りまして、5,400億円を超える予算がこれから執行できるということは大変いいことではありますけれども、ゴールデンウィークに入ってもですね、我々としては、この予算が現場に理解をされて、しっかり活用していただけるように、この期間中も努力をしていきたいというふうに思っております。その上でいくつか申し上げます。
  まずですね、花についてはですね、農業新聞さんでも少し価格が戻ってきたというような報道をしていただきましたが、これは農家の方で厳選出荷、いわゆる本数を減らしてですね、出荷する量を減らして、その結果価格が、市場価格を見ると上がっているというだけのことでありますので、決して報道を間違えであるということではありませんが、農家の経営から見るとですね、その厳しさは依然続いております。いよいよ5月になりました。クールビズに私もなっておりますけれども、母の日が10日にはやってまいるわけでありますが、先だっての記者会見でもお願いしましたように、5月を是非「母の月」ということにさせていただいてですね、カーネーションはもちろんではありますけれども、カーネーション以外のお花も、やはりご家庭で、家族そろって過ごす中にお花がある暮らしというものはいいものだと思いますので、是非お花をですね、これネットでも買えますので、是非御購入を国民の皆様方の温かいお気持ちで御協力いただければなと思います。
  野菜につきましてもですね、物によっては価格が上がっているものもあれば、下がっているものもあります。果物については、特に高級品を中心に非常に厳しい展開です。私の地元のマンゴーもですね、いよいよ完熟マンゴー、太陽のタマゴも発売になりましたけれども、これも昨年とは全く様変わりした価格帯での販売ということで、苦戦を強いられております。こういったものについてもですね、是非、国民の皆様方にお買い求めいただきたいと思います。このゴールデンウィークはですね、東京、いわゆる都会で働いている、遠方にいる家族が、田舎に集まって、地域で一気に地産地消が進む一つのチャンスであるはずなんですけれども、今回は皆様方がですね、高い意識を持って帰省を控えていただくことは大変ありがたいことですが、残念ながら、地域においての地方の農産物に対する特需のようなものは逆になくなってしまうということになります。そういったことも御理解いただいた上でですね、こういったものの御購入を是非お願いしたいと思います。
  肉につきましてもですね、ALIC事業等を利用して、販売促進、それからいろんな事業をさせていただいております。マルキンとかですね、それから肥育農家に対する出荷時のお金の出し方とかいろんなことをさせていただいておりますが、かつて経験したことのない、短期間での価格の低下がみられておりますので、やはり、国産の野菜や肉、そういった農産物・畜産物を国民の皆様方の力で是非支えていただきたいと思っております。
  牛乳についても皆様方に御協力いただいて、うちの若い職員たちも頑張ってですね、BUZZ MAFF等で発信させていただきましたけれども、改めてですね、このゴールデンウィーク期間中も含めて、この厳しい時期を乗り越えるまで、牛乳を是非、もう一杯、もう一本、飲んでいただけるように国民の皆様方にお願いをしたいと思います。5月から6月はですね出産のピークになります。大体、4月から比べると乳量は2万トン増えることになります。この2万トンいう量は決して需要で、いわゆる国民の皆様方に御協力いただければ消化できないような量ではありません。そんな量ではありません。パーセンテージで5%くらいですから。しかしケーキ屋さんもですね、店を閉めざるを得ないような事態も生じて、この生乳の引きというものは弱まっておりますから、是非もう一度ですね、国民の皆様方には大変申し訳ないんですけれども、もう一杯、もう一本、そして乳製品の御購買よろしくお願いしたいというふうに思います。
  それから魚につきましても、相変わらず、マグロ、ブリ、カンパチ、それからウニとかですね、ノドグロとか、そういう高級なものについては外食が制限されていることによって、価格が異常な値段になっています。そしてウナギなんかもですね、今年はシラス漁が非常にいい感じになっておりますが、しかし、池入れは進みつつありますけれどもですね、ウナギの販売も極めて厳しい状況になっています。
  こういったものにつきましては豊洲市場ドットコムというものがだいぶ紹介されておりますので、しかし各都道府県とか様々な団体で、今、ネットを使った販売が行われています。ぜひ国民の皆様方にはですね、豊洲市場ドットコムのようなサイトを一度見ていただきたいと思います。私もだいぶ買わせていただきました。大変、びっくりするような値段でお買い求めいただけます。これは肉に限らず、野菜に限らず、高級な果物に限らずですね、いろんなものが大変お得な値段でお買い求めいただけます。そして昨日の補正予算の成立を受けまして、こういった、ネットで買ったものについては送料等について国で支援することができるということになります。クール宅配便になるとかなり送料がかかるわけですけれども、そういう宅配の業者の皆様方には負担をかけることについては申し訳なく思いますけれども、是非御家族でですね家にいていただくということであれば、こういったネットを通じて日本全国にはたくさんまだ、皆さんが知らないおいしいものがありますから、是非この機会にですねお取り寄せいただいて、そして楽しんでいただいて、その上で生産者を支えるという取組をしていただければ大変ありがたいというふうに思っております。
  私の方からは冒頭の発言は以上であります。

記者

  2問お願いできればと思いますが、1問目はですね、補正予算の成立を受けてですね、今回盛り込まれた取組の効果を農林水産関係の事業者にどのように届けていくのかについて、大臣の考え、改めてお聞かせいただければと思います。

大臣

  私が今回、農林水産省の皆さんとお話をしてきたことはですね、勿論、予算は国会の御審議を経て、国会を通過しなければですね、これは堂々と表で言えることではありませんが、しかし農林水産省としてはこういう支援策を考えていますということをですね、早めの段階で現場にはなるべくお知らせする努力をしてまいりました。先ほども申し上げましたように、予算を通してもですね、内容が分からない、非常に複雑だ、申告もしづらい、気が付いたら期間も終わってしまっていたということになっては何もなりませんので、この連休期間に入りますけれども、この内容を分かっていただけるようにしたいと思っております。
  特にですね、外国人研修生の部分のですね、就農支援の部分はですね、様々な形態があるものですから、この場合はいくら国としては支援がもらえるのか、例えば研修費とか旅費とかですね、宿泊費はどうなるのか、そういったことについては現場でちゃんと説明をしないとですね、なかなか難しい部分があります。しかし、公金である予算を執行する以上は、きちんとしたルールの下でやらなければなりませんので、この補正予算がですね、しっかり現場で理解され、そして農家の経営基盤を守る上で役立つように、休みの期間であっても省の職員には頑張ってもらおうというふうに思います。

記者

  もう1問お願いしたいんですけれども、政府の緊急事態宣言についてですね、安倍総理が昨日期限を延長する意向を表明されました。実際に延長になったときのですね、全国の農林水産業、生産、流通への影響、それから小売りの現場への影響についてですね、現時点での御所見をお願いいたします。

大臣

  大変だと思っています。率直に言ってですね、大変だと思っています。この、まだ延長される前の期間を経験してきてですね、やはり生産現場ではですね、最初のうちは、例えば牛の現場でもですね、子牛の値段は下がってきたけども、しかし、「頑張りますよ、拓さんも頑張って」というような前向きな声が多かったような気がします。それは漁業でも、農業者の方々でもそういった方々はたくさんおられましたけれども、最近はですね、本当に大丈夫かと、いつまで続くんだと、このような状態が続くと厳しいという声が増えてきたという印象を受けます。ですから、持続化給付金とかですね、そういったものをしっかり活用してくださいと、それから次期作に対する作付けについての支援策とかですね、そういったものをちゃんと説明しないとですね、まずいと思います。しかし、最初に私がこの大臣にならせていただいた時に申し上げたように、農政を推進する上では、国民の理解を得ることが欠かせないと思います。日本の食を支えることができるのはですね、日本国民であるという自覚を是非持っていただきたい。日本の国民の皆様方がですね、感謝をしてくださいというところまでは申し上げませんが、やはり日本の農林水産業というものをですね、自分たちの選択によって支える、そのことによって食の安全、食料安全保障は担保されるんだということをですね、この機会に考えていただけたらありがたいと思います。そのことを感じることができればですね、生産現場も、我々が日本の食を支えているんだと、そして都市で暮らしている皆様方にもですね、安心で安全な食を届けるために頑張らなきゃいかんという気持ちをですね、強く持って頑張っていただけるんだと思いますので、これから緊急事態宣言が延長されるかどうかはまだ確定的なものではありませんけれども、しかし、いかに生産意欲があるとか、将来に対する希望であるとか、そういったものを決して失うことがないように、昨日の予算委員会でも申し上げましたけれども、この厳しい期間の中にあって、農業や林業や水産業から離れてしまう、その業を諦めてしまう人が出ることがないように、できるだけの努力を必死でやりたいというふうに思っております。

記者

  話変わるんですけれども、食料品の転売の問題についてなんですけれども、最近メルカリ等のフリーマーケットのアプリでですね、ホットケーキミックスとかですね、強力粉とか、そういったものの転売が話題になっています。好ましくないことかと思うんですけれども、どのように受け止めてらっしゃるかということと、農林水産省の対応があればお聞かせください。あと、一部で品薄が見られるこういった粉物についての供給状況とか、分かる範囲でお願いします。

大臣

  まず強く申し上げたいのはですね、例えば小麦粉あたりで、ネット上の、マージンを乗せた転売が行われていることは把握いたしております。まあ、極めてけしからん話ですね。こういう時にですね、人の不安心理に付け込むようなことをする人は良くないと思いますよ。しかもですね、今御指摘あったようにですね、原材料の輸入については全く問題ないですから。全く。そして国内の製粉メーカーの方ともこの間ネットでお話をさせていただきましたけれども、工場もフル稼働していただいております。そして、パンのメーカーの方ともお話をさせていただきましたけれども、例えば食パンの引きが強ければですね、今まで閉まっていた工場を更に開いて、そして新製品の販売を止めて、商材を絞り込んで消費者の方々のニーズに応える生産体制、それは利益を追求するという企業の姿勢ではなくてですね、安定的に食材を消費者の方々にお届けしようという高い意識の下の、私は行動だと思います。そういう方々もいると。反対側でですね、そもそも不足もしていないものをですね、そんなところで売る。例えばそういうものを、先ほど私もネットの話をしましたけれども、ネットで見て、あっ、こんな売り方をしてるということは、きっと足りないんだ、と思う人もいるかもしれないじゃないですか。こういうことはですね、随分マスクについては厳しく規制が今公的な立場でもかけるようになっておりますけれども、このようなことが蔓延するということであればですね、農林水産省としてもしっかり対応する必要があると思っています。

報道官

  他にございますか。よろしいでしょうか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上