総務省・新着情報

報道資料
令和2年4月27日
自己の名称等又は勧誘である旨を告げない勧誘の禁止等への違反に関する株式会社ラインセレクト及び同社の販売代理店に対する指導

 総務省は、本日、株式会社ラインセレクト(代表取締役 羽根 敏幸)及び同社の販売代理店において、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第27条の2第2号に規定する自己の名称等又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止その他の同法の規律への違反が認められたことを受け、同社及び同社の販売代理店に対し、同法の遵守を徹底することなどについて指導しました。

1.事案の概要

 令和元年10月1日より、電気通信事業法の一部を改正する法律(令和元年法律第5号)が施行されており、同法による改正後の電気通信事業法(以下「法」という。)第27条の2第2号では自己の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止等が定められています。この規定により、電気通信事業者又は販売代理店が、電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方に対して自己(販売代理店が勧誘を行う場合にあっては、自己に加え、勧誘に係る電気通信役務を提供する電気通信事業者)の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げずに勧誘することを禁止しています。

 今般、株式会社ラインセレクト(以下「ラインセレクト」という。)が消費者向けに提供するFTTHサービスである「エナジー光」及び「エナジー光プラス」(※)(以下「本件サービス」という。)に関して、改正後の法第27条の2第2号で定められた自己の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止に違反する勧誘その他の法の規定への違反が確認されました。

※「エナジー光」は、ラインセレクトがソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社から卸売を受け、消費者向けに提供する光回線サービス
 「エナジー光プラス」は、ラインセレクトがソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社から卸売を受けた電気通信事業者から卸売を受け、消費者向けに提供する光回線サービス

2.事案の詳細及び指導の内容

(1)ラインセレクトが消費者向けに提供する本件サービスに関して、総務省及び全国の消費生活センターに多数の苦情相談が寄せられており、その中には、自らを利用者が契約中の大手の電気通信事業者又はその販売代理店であるかのように名乗る等の行為により、利用者をこれらの者からの勧誘を受けていると誤認させた状態で勧誘を行っていたと考えられる事案等、不適切な勧誘と疑われる事案が多く含まれています。

(2)上記苦情相談を踏まえ、本件サービスに対して寄せられた苦情の原因となった電話勧誘について総務省が確認を行ったところ、別紙のとおり、法第26条(提供条件の説明義務)並びに第27条の2第1号(不実告知等の禁止)及び第2号(自己の名称等又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止)の規定への違反が認められました。

(3)また、ラインセレクトが作成した、販売代理店に対する業務の手順等に関する文書において、勧誘に先立って勧誘の対象となる電気通信サービスを提供する電気通信事業者名を名乗らず、サービス内容の紹介へ移行する記述が確認されました。この記述から、ラインセレクトは意図的に法第27条の2第2号の規定に違反した指示を行っていたと認められ、法第27条の4(媒介等業務受託者(販売代理店)に対する指導等措置義務)への違反が認められました。

(4)さらに、ラインセレクトの任意の報告から、本件サービスに関する相談窓口の受電率が著しく低い値であったことが確認されました。このことからラインセレクトは電気通信サービス又はその業務方法についての苦情及び問合せを適切かつ迅速に行っていないと認められ、法第27条(苦情等の処理義務)の規定への違反が認められました。

(5)これらの状況から、総務省はラインセレクト及び不適切な勧誘等を行ったと認められた販売代理店に対して法の遵守を徹底することなどについて指導しました。

(ラインセレクトに対する指導の主な内容)
1 法第26条、第27条、第27条の2第1号及び第2号並びに第27条の4の規定の遵守徹底

 法第26条(提供条件の説明義務)、第27条(苦情等の処理義務)、第27条の2第1号(不実告知等の禁止)及び第2号(自己の名称等又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止)並びに第27条の4(媒介等業務受託者(販売代理店)に対する指導等措置義務)の規定の遵守を徹底すること。
 これに際しては、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン(平成28年3月(令和2年3月最終改定))」及び「平成30年度消費者保護ルール実施状況のモニタリング(評価・総括)」を十分に参照することとし、特に以下の事項に留意すること。

・ 消費者が最低限理解すべき提供条件の概要を説明しないことは、法第26条の規定に違反すること。
・ 契約に関する事項であって利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて、不実の説明を行うことは、法第27条の2第1号の規定に違反すること。
・ 勧誘に先立って自己の名称等を告げず、また、勧誘を行うことを告げずに勧誘を行うことは、法第27条の2第2号の規定に違反すること。

2 再発防止措置の実施及び実施状況の報告
 ラインセレクトが提供する電気通信サービスにおいて、今後このような不適切な事案が生じることがないよう、上記の指導を踏まえ、再発防止措置を速やかに講じ、当該再発防止措置の内容について、総務省へ文書で報告すること。
 

連絡先
総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課
担当:東消費者行政調整官、石塚官
電話:03-5253-5488 FAX:03-5253-5948

発信元サイトへ