令和2年4月24日

1 4月24日(現地時間同日),フィジー共和国の首都スバにおいて,我が方大村昌弘駐キリバス日本国特命全権大使(フィジーにて兼轄)と先方デイビット・テアボ駐フィジー・キリバス高等弁務官(H.E. Mr. David Teaabo, High Commissioner of the Republic of the Kiribati to the Republic of Fiji)との間で,供与額1.48億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

2 キリバスは,国内市場が小さく,国際市場から地理的に遠いなど,太平洋島嶼国に共通する開発上の困難を抱えています。また,高潮,渇水等の災害に極めて脆弱な状況にあります。

3 そのようなキリバスにとって,経済社会開発の基盤となる電力の安定的な供給は重要な課題です。同国では,太陽光を中心とする再生可能エネルギーの導入を進めているものの,現在の同国の電力需要に対応するためには,依然としてディーゼル発電による電力供給が不可欠です。
 しかし,老朽化した既存の電力設備には不具合が発生しており,昨年8月には計画停電の実施を余儀なくされました。また,電力需要の急増によって,緊急的な運用を強いられることで,電力設備への負担は過度なものになっており,それらの状況を補うために発電機等の整備が喫緊の課題となっています。

4 本計画では,キリバス政府に対し,発電機等を供与し,同国の電力の供給の安定化を図ることで同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。

5 この協力は,2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催された第8回太平洋・島サミットにおいて,我が国政府が表明した支援の柱である「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化(PDF)別ウィンドウで開く」に資する協力として実施するものです。

[参考1]キリバス共和国基礎データ
 キリバスは,面積730.0平方キロメートル,人口約11万6千人(2018年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は3,140米ドル(2018年,世界銀行)。

[参考2]第8回太平洋・島サミット
(1)第8回太平洋・島サミット(PALM8)は2018年5月18日及び19日に福島県いわき市において開催。16の太平洋島嶼国・地域,オーストラリア及びニュージーランドの首脳級等が出席。キリバスからはマーマウ大統領が参加した。

(2)我が国は,PALM8において,(ア)自由で開かれた持続可能な海洋,(イ)強靱かつ持続可能な発展の基盤強化,(ウ)人的交流・往来の活性化の3つを柱として,今後3年間でこれまでの実績も踏まえた,従来同様の,しっかりとした開発協力の実施及び成長と繁栄の基盤である人材の育成・交流の一層の強化を表明した。