(令和2年4月10日(金) 8:28 ~ 8:48 )

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭5件申し上げさせていただきます。1つは、電話や情報通信機器を用いた診療について、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の方針に則って、初診からの対応を可能とすることにいたしました。多くの国民の皆さんに活用していただけるよう、専用の機器やアプリケーションがない場合であっても、電話があれば医師の判断で診断や処方を受けられることとし、また薬についても薬局の薬剤師が電話等により服薬指導した上で、配送等により届けることができることとします。医療機関や薬局においてすぐにでも取り組んでいただけるよう、今日にでも具体的な通知を発出することにしております。具体的には週明けからこうした取組がスタートすることになります。ぜひ、お近くの医療機関や薬局にそうした取扱いがあるかないか、お聞きの上ご利用いただければと思います。加えて国民や患者の利便の向上のため、こうした対応を行う医療機関を都道府県ごとに取りまとめて公表していきたいと思っております。都道府県や関係団体の協力を得ながらできるだけ早期に、お知らせできるよう準備を進めて参ります。
 2点目は、個人向け緊急小口資金等の特例貸し付けについてであります。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少等により当面の生活費が必要な方に対して、全国の社会福祉協議会で個人向け緊急小口資金等の特例貸し付けを実施しております。このたび、この特例貸し付けに関する問い合わせを受け付けるための専用ダイヤルを設置し、明日11日土曜日から開始を致します。番号は0120-461-999であります。土曜日曜祝日を含む朝の9時から夜の21時まで、4月11日から運用を開始いたしますので、ぜひご利用いただきたいと思います。なお、4月4日時点の速報値ではありますが、緊急小口資金の申請件数は1万8900件、決定件数は1万3686件、決定金額は22.7億円で、平均すると1件あたり16.6万円となっております。支援が必要な方に対しては、迅速な支援を行うようにしていくとともに、この制度についての周知をしっかりと図っていきたいと思っております。どうか、ご地元の市町村の社会福祉協議会の方に、そうした申請が必要な方は出向いていただく、あるいは連絡を取っていただきたいと思います。
 保育所の関係でありますが、新型コロナウイルス感染症について一部の地域で感染の拡大が見られる中、保育所の開所のためにご尽力いただいている現場の皆さんや、登園の自粛などにご協力をいただいている保護者の皆さんには、改めて感謝を申し上げたいと思います。4月7日の緊急事態宣言を受けて、地方自治体に対し保育所の対応に関する考え方をお示しいたしました。市区町村によってはもちろん感染の状況等も違うわけでありますけれども、対応にも差があるということから、改めて厚生労働省の考え方をお伝えしたいと思います。1点目としては、まずは仕事を休んで家にいることが可能な保護者の皆さんに対しては、園児の登園を控えるようお願いをするなど、保育の提供を縮小して対処して開所することを検討いただきたいと思います。2点目として、園児や職員が罹患した場合や地域で感染が著しく拡大している場合で、保育の提供を縮小してでも実施することが困難な時には、臨時休園をご検討いただきたいと思います。なお、この場合においても医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な方、一人親家庭などで仕事を休むことが困難な方などのお子さんの保育はぜひ、確保していただきたいと思います。この3点について、理解をいただくと共に感染防止には、最大限留意をし、必要な方に保育が提供されるよう、対応いただきたいと思います。なお、昨日厚生労働省において保育の確保が必要な対象者の考え方などについて、Q&Aでお示しをするとともに、東京都においては市区町村に対して、都の考え方を文書で示されたと伺っております。これらには十分留意していただきたいと思います。
 4点目でありますけれども、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大について、本日省令の改正を行いました。主な内容は、4月1日から6月30日までの緊急対応期間内に、事業主が休業等を実施した場合の助成率を、最大で10分の9まで引き上げる、事業主を解雇等しなかった場合には中小企業は10分の9、大企業は4分の3ということであります。また、教育訓練の加算額の引き上げ、短時間一斉休業の要件を緩和する、残業相殺制度を当面停止するなどを行います。また、雇用保険の被保険者以外の方も今回の休業助成の対象とするところであります。更に、申請書類の簡素化も行うことにしております。申請書類に事業主が記載すべき事項は、半減をするとともに、その記載内容についてもできる限りの簡略化を図りました。また、添付書類についても削減を図るほか、すでにある書類を使っていただくことを可能としております。こうしたことによって、事業主の皆さんのご負担をできる限り軽減を図ったところであります。こうした取組により、原則からこれまで2ヶ月ぐらいかかるといわれていた申請から、支給までの期間は1ヶ月となるよう取り組んでいきたいと思っております。事業主の方々にはこうした雇用調整助成金の特例措置を十分に活用していただき、従業員の雇用維持に最大限ご努力をいただきたいと思います。なお、私から改めて雇用維持や感染拡大防止に向けた取組について、経済団体に要請を行う予定であり、それぞれの業を所管する関係大臣と連名であらゆる業界団体に対して、雇用維持等の要請を行いたいと思います。また、都道府県労働局に対して、大量整理解雇等が行われる恐れがある事案を把握した場合には、引き続き適切に指導等を行うよう、改めて指示をしたところであります。
 最後でありますが、昨日、孔 鉉佑在日中国大使が橋本副大臣及び自見政務官を表敬訪問し、両国の新型コロナウイルス対策などについて意見交換を行いました。その際、中国政府より日本政府に各種衛生用品、感染防護具が寄贈されました。具体的には、サージカルマスク、N95マスク、防護服などであります。これらは、在中国の邦人保護のためにチャーター機を派遣した際に、日本から中国側に寄贈した各種衛生用品、感染防護具に対するお返しという意味も含めて、贈呈されたのではないかと考えているところであります。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
7都府県を対象に緊急事態宣言が発せられて数日が経ち、初めての会見となります。全国で日々新型コロナウイルスの新たな患者が増え続けておりますけれども、厚生労働省の立場からこの序盤の状況をどのようにご覧になっているのか、見解をお願いいたします。
大臣:
まずは、今回の宣言の中で、やはり今が大変大事な時期である、まさにこれから感染の爆発的な拡大につながるかどうか、こういう正念場にあるという認識であります。国民の皆さん方には、外出の自粛、なかんずく密閉、密集、密接、この「三密」、これを避けていただくように引き続きお願いをしたいと思います。政府においても、そうした状況が、例えばそれぞれの地域、例えば渋谷等々において、人の出入りがどうなっているか等の数字を適宜、皆さんにも公表する等、より協力をお願いできるように努力をしていきたいと思っているところであります。また、併せてその際にも、医療提供体制が逼迫をしている、こういうご指摘もありました。爆発的な感染があったときに、医療が崩壊するわけではなくて、累次に感染者数が増加するということが、医療の崩壊にもつながりかねない、こういう指摘もいただいております。それぞれの今、地域と私どものほうで地域毎に対応できる体制を構築いたしました。よくそれぞれの都道府県とも連携を図りながら、より一層の医療提供体制の整備、特に重症化をされた患者さんに対する的確な対応、これを図っていきたいと思っております。具体的には、軽症者等に関して、宿泊所等、あるいは自宅を活用した対応等を進めているところであります。そういったことも含めて、今申し上げたこれから更に感染者数が増加する中にあっても、対応できる医療提供体制をそれぞれの地域でしっかりと構築していく、厚労省としてもできる限りの対応をし、国民の皆さんの安心につなげていきたいと思っております。
記者:
雇用調整助成金の簡素化についてお伺いします。大幅に記載事項を削減されるということですが、申請書類は10種類以上あると言われておりますが、どれくらいまで減るということでしょうか。
大臣:
具体的にはまたあとで資料を提供させていただきたいと思いますが、項目数でいうと約半分になると承知しております。それから、これまで1つ1つ記載をしなければならないものを、まとめて書くといったことも可能にする、あるいは先ほど申し上げましたけれども、このために改めて資料を作らなくても既存に使われている資料をそのまま使っていただく、こういった様々な工夫をさせていただいております。相当な軽減が図られていると思います。いずれにしても、今回の申請書について、どう記載をすればいいのか、これも分かりやすく広報をしていきたいと思います。
記者:
もう一つ雇用の件なのですが、乗組員の大量解雇を決めたタクシー会社があります。一時解雇して当面失業保険で生活してもらうというような考えのものなんですけど、こういう企業の在り方というのはどうご覧になられてますでしょうか。
大臣:
個々についてお答えは差し控えさせていただいておりますけれども、私どもとしては雇用を守るという立場から事業主の皆様には雇用維持に向けてですね、更に一層の努力をお願いしていくとともに、今回の雇用調整助成金の充実を含め、様々な措置を用意しておりますのでそれをしっかり活用していただいて、その雇用の維持をより強力に支援をしていきたいと思っております。また、経済団体あるいは先ほど申し上げたそれぞれの業界団体にも所管する大臣と一緒にですね、雇用維持等については要請していきたいと思います。今ご質問の休業手当を払うより解雇して雇用保険の失業給付を受けた方が良い、という判断、これはどういう判断なのか、という事になろうかと思いますが、これらを含めてですね、それぞれに対して、引き続き私どもの方から必要な指導等は行っていきたいと、個別論ではなく一般論として思っております。
記者:
もう1問。保育所の開所基準ということを改めて示されたということなんですが、都内ではもう休園を決めている区もありまして、いわゆるキーワーカーと呼ばれる人から、就労出来ないと声も出始めています。そうした人が働けるように配慮を求めるという趣旨ということでしょうか。
大臣:
これまでもこうした指針・方針を出しているところであります。仰るキーワーカーというのは、保育所が仮に休園することになっても、引き続きお預かりする保護者の例えば仕事ということだと思いますけども、それについてはかなりばらつきがあるということでありますから、それらを含めて、最終的にはそれぞれの市区町村の判断だ、ということになるわけですけれども、もう一度我々の考え方をしっかりと説明をさせていただく、ということになります。
記者:
昨日からですね、今日も愛知県の緊急事態宣言の件について伺わせていただきます。愛知県や京都府等の方からですね、緊急事態宣言に含めて欲しいというような要請があると思うんですけど、それぞれの現状についてどのくらい知っているのか、それから今後の対応についてお願いします。
大臣:
緊急事態宣言の対象に追加するかどうかについては、専門家というか基本的対処方針等諮問委員会に相談しながら、内閣官房において判断されるということでありますので、直接私の方から言及するのは避けたいと思いますが、ただ今お話があった例えば愛知県の医療については、愛知県からは必ずしも逼迫している状況ではない、というお話は聞かせていただいております。     
記者:
京都についてはいかがでしょうか。
大臣:
京都はそこまでの情報は入ってきておりません。    
記者:
厚労省のホームページ上に、全国の医療機関の医療提供体制の状況というものが公表されまして、その狙いと背景みたいなものを改めてお伺い出来ればと思います。
大臣:
ごめんなさい。色々なものを出しているのでですね、どれを指しているのか良く分からないのですが。     
記者:
4月8日にβ版として上がっている「全国医療機関の医療提供体制の状況」です。
大臣:
それは各都道府県ごとの状況、どういう情報でしょうか。もうちょっと具体的に。   
記者:
全国の入院病床を有する病院の医療提供状況を毎日確認しているもの、が上がっているんですけれども。
大臣:
そのシステムですが、やはりそれぞれの医療機関、それぞれの地域において、どういう状況であるかをリアルタイムで把握していく必要があるということで、これまで一つ一つバラバラに聞いていたりしたものを、統一的に行うことによって病院側の負担を軽減する、それから一定程度のタイミングで全国の状況を把握して、それを施策あるいは対応に反映をしていく、そういう仕組みを、作らせていただいたということです。詳細については事務方から説明をさせていただきますが、出来るだけICTを活用してより効率的に集約をしていきたいと思っておりますが、これによって日本全体の流れの中で何が起きているのか我々が把握するとともに、それぞれの都道府県の情報を共有して、連携して対応できるように、こうした体制作りに繋げていきたいというふうに思います。
 

(了)