令和2年3月31日

G20貿易・投資担当大臣臨時テレビ会議の実施(若宮副大臣発言)

G20貿易・投資担当大臣臨時テレビ会議の実施(会議参加の様子)

 3月30日午後9時頃から約2時間半,G20貿易・投資担当大臣テレビ臨時会議が行われたところ,概要は以下のとおりです。今回の会議は,本年のG20議長国サウジアラビアの呼びかけで開催されました。日本からは,梶山弘志経済産業大臣と若宮健嗣外務副大臣が参加しました。G20貿易・投資担当大臣間でテレビ会議が行われるのは初めてです。

1 G20閣僚は,新型コロナウイルス感染症に関し,貿易・投資を含む世界経済への影響や危機の克服に向けた対応について議論を行いました。

2 冒頭,世界保健機関(WHO),世界貿易機関(WTO)等の国際機関から,新型コロナウイルスの感染拡大の現状及びこれが世界の貿易・投資に与えている負の影響について報告がありました。

3 若宮副大臣からは,世界経済全体の危機的状況への懸念を共有すると述べた上で,この危機の克服に向け,以下の点を強調しました。
(1)グローバル・サプライチェーンの維持と医療関連を含むモノやサービスの流通の確保のために,健康保護を目的とする緊急措置であっても,目的に照らし相応かつ透明性があり,一時的なものでなければならない。
(2)中長期的な課題として,経済回復のためにも,ルールに基づく多角的貿易体制の下で,貿易・投資をコロナ危機以前よりも活性化すべきこと,この観点から,第12回WTO閣僚会議を適当な時期に開催し,「大阪トラック」の下での電子商取引交渉等,新たなルール作りの成果を上げるべき。また,知的財産の一層の保護と活用を通じ,感染拡大の阻止に向けた治療薬や医療機器の開発や利用を後押しすべきである。
(3)保健と貿易・投資の両面で,脆弱性を抱える国々への支援でもG20が連携すべきである。

4 参加した閣僚の間でも,現下の状況において,国際的な健康及び重要物資のサプライチェーン断絶のリスクの軽減や,経済回復に向けたモノとサービスの流れの円滑化の重要性が共有され,過度に貿易制限的な措置を導入してはならない点に一致が見られました。また,危機の克服に向け,WTO改革を始めとする多角的貿易体制の強化,関連国際機関との連携,後発開発途上国への支援,経済回復に向けた電子商取引の促進等の重要性を指摘する国もありました。議論の詳細は,閣僚声明として発表されました。

[参考1]参加メンバー
サウジアラビア(議長国),日本(前議長国),イタリア(次期議長国),アルゼンチン,豪州,ブラジル,カナダ,中国,フランス,ドイツ,インド,インドネシア,メキシコ,韓国,ロシア,南アフリカ共和国,トルコ,英国,米国,EU(以上G20),スペイン,シンガポール,スイス,アラブ首長国連邦

[参考2]招待された国際機関
世界保健機関(WHO),世界貿易機関(WTO),世界銀行,国際通貨基金(IMF),経済協力開発機構(OECD),国連貿易開発会議(UNCTAD)

[参考3]過去のG20貿易・投資担当大臣会合への日本からの出席者
2019年(つくば):河野太郎外務大臣,世耕弘成経産大臣(共同議長)
2018年(アルゼンチン):中根一幸外務副大臣,平木大作経産大臣政務官
2017年:開催されず