(令和2年3月26日(木曜日)0時22分 於:外務省中央正面玄関)

冒頭発言

【茂木外務大臣】G7の外相会談,今終わったところです。日本時間で言いますと2日間にわたったと言うことになりますけれど,昨晩の午後8時から始まりまして,4時間強,G7外相会合に参加いたしました。今回,初めてですね,テレビ電話方式,これでの会議,こういう形になったわけであります。まず,国際社会の喫緊の課題であります新型コロナウイルス,この対応について,G7の首脳会議の議論,これも踏まえて,時間をかけて議論しまして,外相間でも連携を確認をしたところです。私からは,日本の取組,そして教訓を紹介しながら,G7そして国際社会として5点が重要である,こういった発言をさせていただきました。5点と言いますのは,1つは教訓・知見のG7及び国際社会での共有であります。2点目は水際対策におけます関係国間での連携であります。そして3点目,治療薬やワクチンの開発における官民の取組強化,そして国際協力。4点目は各国に在留をしている国民の安全確保。そして,人,物の移動について必要最低限の輸送手段,これを確保するための協議。最後5点目,今後感染拡大が懸念される途上国支援におけるですね,G7のイニシアティブの発揮であります。これらの点につきましてですね,G7の各外相からも同じような発言,ありましてですね,共通の認識と確立することができたところであります。また,この新型コロナウイルス感染症の問題,本当に1時間ぐらいかけて議論しましたが,そのうえでアジア情勢であったり,中東情勢を含みます地域情勢についても議論を深めたところです。中でも北朝鮮については,G7の最優先課題の一つとして,私がリードする形で議論を行いました。特に,累次の弾道ミサイルの発射に関して,国際社会として,これは容認できない,この認識で一致をし,G7として,北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVID,これに向けて米国の取組を支持をし,また,安保理決議の完全な履行のために,G7各国が緊密に連携することを改めて確認をいたしました。アジア情勢について議論する中で,中国の問題についても議論を行いました。中国が,自由で開かれたルールに基づく国際システムにおいて,建設的な役割と,より大きな責任を果たすことを促していくために,G7が緊密に連携していくことが重要である,こういった認識を改めて,G7各国でですね,確認をしたところであります。国際社会全体が新型コロナウイルスへの対応という共通の課題を抱えるなか,また国際社会が様々な課題に直面するなかでですね,G7の外相間で,団結,そして連携を再確認できたことは,極めて有意義だったと思っているところであります。今後も,様々な外交機会をとらえて,G7を始めとする国際社会と連携を図っていく考えであります。最後にですね,主催国でありますアメリカのマイク・ポンペオ国務長官の方からも,非常にいい機会だった,機会を捉えてまたこういったことを検討しよう。こういった話もあったところであります。日本にとっては2日間にわたる議論だったけど,と。こんな話もありました。以上です。

質疑応答

【記者】新型コロナウイルスの対策に関して,各国での教訓,知見を共有するという話がありますけれども今日の会談の中で日本側としてはどういった取り組みを紹介されましたか。

【茂木外務大臣】先ほど言ったようにですね,日本側としては一つはですね,一定期間の水際対策,これも有効であるし,ただそれをとっていくうえで各国間の連携が重要であること,それには特に今薬の開発,具体的に日本でも進めているところでありまして,その具体的な薬も含めてですね,こういった取り組みをしていく。
 これについては国際的な共同開発,こういったことも今後も視野に入れていこう,こういう話もしたところでありますし,更には今あの様々な帰国のオペレーション,日本としてもやってきたことでありますが,これからも例えば,日本にいるG7の他の国の人たち,更にはG7の日本以外の国にいる邦人,この帰国に向けて,こういった問題についても協力していこう,こんな話をしました。

【記者】東京オリンピックの延期についてはどういった意見交換を行われましたか。

【茂木外務大臣】東京オリンピックにつきましてはですね,私の方から昨日ですか,一昨日になるのかな,安倍総理がですね,バッハ会長,ここに電話をしましてですね,やはりこの新型コロナウイルスに打ち勝った形で,完全な形での実施ということでですね,時期の延期について,完全な形で実施できる時期にですね,開催をしたいということでバッハ会長からも100パーセント支持を得た,こういう話をしまして,G7の各国の理解を得たい,こういうですね,発言をいたしまして,各国から支持を得たところであります。

【記者】今日テレビ会談という形なんですけれども,従来の実際に各国の外相の方とお会いして話すのと,このテレビでやるというその違いと言いましょうか,利点とあるいは不便な点,それ以外コミュニケーションが取りにくいとか,何かこの形式についてどう思われますか。感想として。

【茂木外務大臣】初めてのテレビ会議,そういった形で開催させていただいたと,これはあのコロナウイルス感染症の問題等があってですね,制約上そうなってしまったということでありますが,システムは上手く起動しましたし,比較的順調に議論というのは進んだんじゃないかなと,こんな風に思っています。もちろん直接会えばですね,更にそのあとバイの会談をやったりとか,そういった機会も持てる利点は多いと思いますけれどテレビ会議でも十分な成果を上げることができたのではないかなと思っております。
 先週もですね,日中韓外相間のですね,テレビ会議を行わせていただきましたし,一定の機会にやはりですね,移動が制約される中ではこういった形も使いながら外交の扉,これはしっかりと開けた状態でコミュニケーションを各国と図っていきたいとこんなふうに思っています。

【記者】大臣すみません。今回中東情勢は話題になったのか,なったのであればどういった話だったのか。

【茂木外務大臣】中東情勢についてもちろん話題になりました。イラクの問題についてもありますし,アフガニスタン,シリア等々の問題についても,それぞれ議論したところであります。特にイランの問題につきましては,日本のこれまでの立場,そして先日もザリーフ外相と私とで会談しましたので結果も含めてですね,日本の立場を説明したところであります。

【記者】すみません。地域情勢について,北朝鮮半島について話はあったのでしょうか。

【茂木外務大臣】朝鮮半島の情勢につきましては先ほど申し上げましたようにですね,日本がリードする形で私が発言をして,またマイク・ポンペオ長官をはじめ各国からも発言を求めてですね,国際社会としてですね,しっかりと北朝鮮に対して,大量破壊兵器,それからあらゆる弾道のですねミサイル等々のですね,CVIDを求めていくことが極めて重要であると同時にですね,国際社会全体として,安保理決議の完全な履行を確保していくことが極めて重要なんだとこういった点を改めて確認させてもらいました。

【記者】すみません大臣。今日の会談のなかでコロナの関連で各国の水際対策についてどういった意見交換をされましたでしょうか。

【茂木外務大臣】それぞれですね,先ほど言ったようにその一定期間の水際対策が必要でありますけど,同時に経済の問題もあります。先ほど言ったようにですね,自国民の帰国の問題もあります。そういった中でですね,必要最低限の輸送手段,これをどう確保していくか,これについてはですね,実務レベルの協議が必要だと,こういうところで認識したところであります。

【記者】別件で恐縮なんですけど,危険情報が全世界でレベル2に引き上げられましたけど,改めて国民に何か大臣から呼びかけたいことがあれば。

【茂木外務大臣】昨晩ですね危険情報につきまして,これは感染症の危険情報とは違うものでありますけれど,これ全世界についてレベル2に引き上げをさせてもらいました。これまでもですね感染症に関して,各地域での発生状況等々を見ながら,感染症の危険情報を引き上げてきておりましたが,現在の世界を見ますと,必ずしも感染が大きくなっていない地域においてでもですね,移動制限であったりとか,空港の閉鎖,さらには航空便の停止等々がとられておりまして,例えば一旦ですね,そういった国に行かれるとですね,移動が制限され,また帰国できなくなる,こういうですね,懸念もあるということで渡航する方のですね,注意喚起とこういった意味で全世界を対象にですね,この危険情報に引き上げさせていただいた次第であります。
 ぜひですね,国民の皆さんにも,こういった外務省の危険情報につきましてはですね,この一般的な危険情報,さらには感染症の危険情報がですね,外務省のホームページ等々でですね,ご覧いただけますので,また移動を考えているとこういう方がいたら,できれば良く再検討してほしいと思っておりますが,そういった情報もしっかりとですね把握をしていただきたいと思います。こちら外務省として,その海外にいらっしゃる方,また渡航された方のですね,安全確保,これについては引き続き万全を期していきたいとこんなふうに思ってます。