2020年3月24日(火曜日)
9時35分~9時44分
於:記者会見室

冒頭発言

独立行政法人の役員人事

初めに、私から1点申し上げます。
本日の閣議において、経済産業省所管の独立行政法人のうち、経済産業研究所を含め、3法人の理事長の人事について了解をされました。
具体的には経済産業研究所の理事長に、現経済産業研究所所長の矢野誠氏、産業技術総合研究所の理事長に、現AGC株式会社取締役兼会長の石村和彦氏を、それぞれ4月1日付で任命する予定です。
また、工業所有権情報・研修館理事長の久保浩三氏は再任する予定です。
詳しくはこの後、資料を配布いたしますので、そちらを御確認いただきたいと思います。
私からは以上です。

質疑応答

新型コロナウイルス感染の流行に伴う東京オリンピックへの影響及び経済対策

Q:幹事社からコロナの関連で大きく2点ございます。
1個目が五輪の延期論が出る中で、延期になった場合の国内経済への影響がどの程度あると今のところ見積もられていますでしょうか。
2点目が今与党がこれまでにない規模の経済対策を求めている中で、トランプ政権の方も2兆ドルの景気対策を表明しておりますけれども、これらを踏まえた上での経済対策の経済産業省関係の分としての望ましい規模やメニューについて、どうお考えでしょうか。

A:まず、オリンピックの話ですけれども、仮定の話についてはコメントを差し控えたいと思います。本件については、回答する立場ではないということであります。
ただ、昨日の予算委員会で総理がその可能性も言及をしたところですけれども、もしそういうことになっても影響が出ないような努力を重ねていくということだと思っております。
もう一点、経済対策についてということでありますけれども、新型コロナウイルスの感染症の拡大が経済全般にわたって甚大な影響を及ぼし始めている中で、政府全体としては、感染拡大の防止を徹底的にしていくことに加えて、雇用の維持と事業の継続を当面最優先に、全力を挙げて様々な施策に取り組んでいるところであります。
人の往来が少なくなる、また、物の往来もそれにつれて少なくなる可能性がある、そういった中で、経済全体が収縮をしている。それに対して事業の維持が難しいところが出てくる可能性がある。それに対して、資金繰りや雇用への雇用調整助成金などの支援などによって、雇用と事業継続をまずはしっかり応援をしていきたいと思っております。
26兆円の総合経済対策を景気の下振れリスクに備えて策定をしているところでありますが、これらを早期に実行していくということも一つの方策であります。
加えて、徹底した資金繰り支援などを柱とする第1弾及び第2弾の緊急対応策を速やかかつ着実に実行していくということであります。
先週から、様々な業界、また様々な立場の方々のヒアリングを総理と一緒に今しているところであります。影響を受けている現場の声に耳を傾け、前例に捕らわれることなく、マグニチュードに見合うだけの必要かつ十分な対策を練り上げてまいりたいと思っております。

新型コロナウイルス感染の流行に伴う米国渡航制限及び自動車産業への影響

Q:新型コロナの関連なのですけれども、北米でも渡航とか、いろいろな制限などが導入されていて、日本にも経済の影響が出ていると思いますけれども、日本経済への影響をどのように見ていらっしゃるか。
あともう一点、トヨタが国内の五つの工場で一時的に稼働を停止と発表がありましたが、大臣の認識と今後の対応などがありましたらお聞かせください。

A:毎回申し上げていますが、現在は国内感染の拡大防止が最優先ということになります。そのために、政府としてあらゆる措置を講じているところで、今般の米国に対する措置も、そうした対応の一環として行われたものと理解をしております。
日米間の緊密な経済関係は、頻繁な人の往来によって支えられている面があることは事実であります。日本企業では、日本からの出張を電話会議に振り替えるなど、様々な工夫で業務面での悪影響を回避しようという試みが既になされているものでありますけれども、製造業を中心にして、日本企業の北米事業はその大宗が現地の人員によって担われておりまして、今回の措置だけをもって甚大な影響が出るということにはならないと考えていますが、米国の各州で外出禁止令などによって、米国内の操業停止を余儀なくされるケースも出てきているということでありまして、こうした一連の措置による経済への影響をトータルで見極めていく必要があると思っております。
先週も自動車工業会、それぞれ各社のトップとお話をさせていただき、これからの皆さんの見方、予想ということもお話いただきましたし、現状お困りのことも含めて、いろいろなお話を聞かせていただきました。
状況は時々刻々と変化しているところでありまして、今後とも日本企業や経済への影響をタイムリーに把握して、必要な対応を迅速に図ってまいりたいと思っております。
もう一つのトヨタ自動車の件ですけれども、海外での市場や需要の状況に鑑みて、国内5工場、7ラインで、4月3日より一定期間の稼働停止を要請していると承知をしております。
昨日の21時に発表されたということでありますが、本件をもって世界的需要減が自動車産業に与える影響について、予断を持って申し上げることは差し控えたいと思いますが、その上で一般論として、日系自動車メーカーはグローバルに展開していることから、世界的需要減が拡大、長期化した場合の影響が大きいと懸念する声もあります。
国内の完成車の工場において、完成をさせたものを北米であるとか、欧州にも送り出しているということで、その市場が機能していないということになれば、当然在庫がだぶつくということになりますので、一時的に生産を停止をするということも、これからも出てくる可能性があるということであります。
経済産業省としては、今後の影響拡大の可能性に備えて、対応に万全を期す観点から、自動車業界と共同して、新型コロナウイルス対策検討自動車協議会を立ち上げております。これは自動車工業会と自動車部品の工業会、そして経済産業省と、いち早くこれらを立ち上げて情報を共有する、そして対応についても協議するというような場を設けております。必要な情報共有や必要な対策の検討も、これからもこの場を通じて行ってまいりたいと思っております。
引き続き各国の動向や企業の声を丁寧に把握した上で、必要な対策をスピード感を持って打てるように、万全を期してまいりたいと考えております。

Q:今おっしゃった自動車の関連で確認をしたいのですが、現状ではサプライチェーンの問題というのは、特に大きな問題として認識されておらず、需要の減少が今後響いていく可能性があるということでしょうか。

A:だんだん中国の方も立ち上がってきておりますので、部品を中国の製造に頼っていた部分も、これは大体順調に流れ出しつつあるということで、中国の完成車の工場の再開等も含めて、100%とはいかないまでも、大体稼働し始まっているということですから、今度は市場の問題ということに、北米、そして欧州の市場で今こういうことが起きているということでもあります。

 以上

最終更新日:2020年3月24日