(令和2年3月20日(金曜日)11時42分 於:外務省中央庁舎4階)

冒頭発言

【茂木外務大臣】先程,10時半過ぎから70分になりましたが,新型コロナウイルスに関する日中韓の外相会談,開催したところであります。私から新型コロナウイルスへの対応にはこの地域の平和と安定に責任を有する3か国の協力,これが極めて重要である,こういったことを述べた上でですね,それぞれ国内の状況を説明してですね,中韓両国からもですね,3か国協力の重要性,これについて同意が得られたところであります。
 さらにあの,冒頭の発言の中でもそうでしたが,事態を収束させるためには,3か国のより専門的なですね,保健当局の協力が重要でありまして,早期にですね保健大臣会合を開催すべく提案いたしまして,3カ国で保健大臣会合,早期に開催するということで一致をしたところであります。
 この関連で私から具体的に,具体的な協力として4点申し上げました。1つは既存の情報共有メカニズムを一層活用していくことです。2点目として医薬品,ワクチンの開発の状況に関する情報を共有していくということであります。3番目に,医療物資であったりとか,医薬品の円滑な輸出入の確保と緊急融通に向けて3か国で協力をしていくということであります。そして4点目として3か国だけではなくてですね,国際的な公衆衛生対策についても協力をしていきたい,こういう4点を申し上げまして,今後3か国の実務レベルでさらにこの4点について具体化をしていくということで一致をみたところであります。
 最後に私から人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として,完全な形でですね,東京オリンピック・パラリンピックを実施したい,この旨述べまして,中国,韓国からですね,支持を得たところであります。今回のテレビ会議は非常にタイムリーに行えた,こんなふうに考えておりまして,今日日本だけ休日だったんですけれど,休日に出てきた甲斐があったと言ったら二人とも笑っておりました。
 また引き続きですねこういった外相レベル,さらにはおそらくですね,今後,G20含め首脳レベルでの協議と,こういったこともあると思うんですけれども,ハイレベル,さらには実務レベルでの協議というものも続けていきたいと思っております。

質疑応答

【記者】保健衛生担当大臣のテレビ会議,だいたいメドとしてはどれくらいという話は出ましたでしょうか。

【茂木外務大臣】いやそれは出ていませんが,できるだけ早期にということでありまして,中国の保健大臣は今,武漢の方にいるという状況もあったりしますけれど,いずれにしても,武漢からでもつなげるからという話をしておりましたので,早期に開催できればと思って日程調整したいと思います。

【記者】冒頭大臣水際対策について,情報共有必要だというようなお話をされていたと思うのですが,各国からそれについて何か意見というものはありましたでしょうか。

【茂木外務大臣】今ですね,国際的にこの新型コロナウイルス感染症が拡大をしたわけでですね,一定期間,各国がですね,水際対策を行っておくことは必要だと,いうことで意見が一致いたしました。その中でですね,日本,中国,韓国それぞれが慎重に,そして適切に水際対策をとっているということで意見の一致をみたとこであります。

【記者】もう一つ,テレビ会議というのは異例の形だと思うのですが,途中音声が途切れ途切れになったりといった場面もありましたが,全体的にこのテレビ会議というものについて,大臣のご感想というのはいかがでしょうか。

【茂木外務大臣】冒頭ちょっとですね,音声乱れたところはあったのですが,実際この70分やってまして,あの部分だけです。あとはかなりクリアに聞き取ることができまして,テレビのないですね,電話会談より相手の表情も見れますし,にこやかにしているかどうかわかりますんで,本来は対面がいんですけれど,この状況は,対面ではできませんから,テレビ会議というのは非常に有効な手段だなと感じました。

【記者】東京五輪の関係なんですけれども,大臣が完全な形でと言われて,中韓から支持を得たということなんですが,中韓からどういった言い回しで支持を得たのでしょうか。

【茂木外務大臣】先にですね,王毅国務委員の方から,私の発言の前にですね,東京オリンピックがいい形で開催されることを期待しているという発言がありましたので,私の発言の中で,先週のG7首脳会合のですね,総理の発言,完全な形で実施をするという,そしてこの新型コロナウイルスにですね,人類が打ち勝った,こういう証にする,こういう大会にしたいということをお話を申し上げて,そして話して,G7の方の各国から支持を得たという話をしまして,それについて王毅国務委員も,そして康長官もその後にですね,日本の立場を支持したいと,こういう発言がありました。

【記者】一部報道で,中韓両国からの入国制限,これを2週間から1か月程度延長するというのが出ているんですけれども,外務省としてビザの発給の停止とか無効について,これも同様の措置を執るとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】今ですね,世界的にこのコロナウイルス感染症の広がり,そして状況は日々変わっている中でですね,適時適切に各国が判断をしていくということになるんだと思います。先程申し上げたようにですね,日中韓,3カ国がそれぞれ執っている水際対策については,慎重かつ適切な対策を執っているということで意見の一致をみたところでありまして,そういった中でそれぞれがまさに国内でのですね,蔓延を防止する対策としてどういったことが必要かということを検討していくことになると思います。

【記者】今日の会議なんですけれども,呼びかけというのはどちらの国からあったのでしょうか。

【茂木外務大臣】これ,日中韓の間で様々なですね,やりとりを行っておりますので,そういった中でですね,やろいうといった感じの雰囲気が自然と醸成されたということであります。

【記者】先程4点提案された医薬品の流通等の実務レベルでの協議というのは,これは基本的には保健当局間での実務協議ですか。

【茂木外務大臣】今日のですね,フォローアップ,これをですね,まずは実務レベルでやるのと同時に,保健大臣会合,こういったものも開いていくと,そういった中でですね,具体的な措置につきましては,むしろ保健大臣会合のフォローアップという形になるのかもしれません。いずれにしても,今日のフォローアップをですね,きちんとしていきたいと思っております。