令和2年3月19日

1 3月19日(現地時間同日),カンボジア王国の首都プノンペンにおいて,我が方三上正裕駐カンボジア特命全権大使と先方ニック・ベレスフォード・国連開発計画カンボジア事務所長(Mr. Nick Beresford, Resident Representative, United Nations Development Program Cambodia)との間で1億7,900万円の無償資金協力「包摂的参加型ガバナンスのための市民参加,平和構築及び包摂的対話能力強化計画(UNDP連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

2 カンボジア国民の60%以上は30歳以下の若年層が占め,新たな世代の政治指導者や政府関係者が台頭しつつある同国では,政府と市民社会の対話促進を通じた,両者の建設的な関係の構築によるガバナンス強化が必要とされている状況です。カンボジア政府は2018年12月に国民和解の精神の下,国民が自らの権利や自由を行使するための政治環境や民主的な場を改善するための措置を打ち出し,その中で,市民社会との真の連携のため,内務省が半年毎に市民社会との定例会合を開催するほか,都・州レベルでも同様の会合を開催する旨,また,内務省の下に省庁間作業部会を設け,NGO法や関連法の改正問題を含め,市民社会から提起された問題を協議していく,また,外務国際協力省も同様に国際NGOとの協議機会を持つ旨発表しました。

3 本協力では,上記のカンボジア政府の取組を後押しすべく,カンボジア市民社会及び中央・地方政府に対し,建設的な双方向対話及び政策提言能力の向上のための環境整備及び研修を行い,政府及び市民社会双方が参加する対話促進を後押しすることで,同国のガバナンスの強化を通じた持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。

[参考]カンボジア王国基礎データ
 カンボジア王国は,面積約18万1,000平方キロメートル(日本の約0.48倍)を有し,人口1,529万人(2019年,人口センサス),人口1人あたりの国民総所得(GNI)は1,485ドル(2018年,世界銀行)。