令和2年3月13日

1 3月13日(現地時間同日),ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにおいて,我が方竹若敬三駐ラオス特命全権大使と先方アン・ペイ・ハッター・メコン川委員会(Mekong River Commission:以下「MRC」という)事務局長(Dr. An Pich Hatda, Chief Executive Officer,MRC Secretariat)との間で,供与額4億1,200万円の無償資金協力「メコン川流域洪水・渇水対策計画(MRC連携)」に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。

2 中国チベット高原を源流とするメコン川において,近年,気候変動等の影響により河川水量に変化が見られており,従来よりも複雑な洪水・渇水対策が求められています。こうした中,1995年に下流域国4か国(カンボジア・タイ・ベトナム・ラオス)が締結した「メコン川流域の持続的開発のための協力に関する協定」に基づき設置されたMRCは,これまで洪水や渇水への対策に加え,漁業資源やダム開発,環境問題等幅広い分野で統合的な河川管理を実施してきました。

3 本事業は,カンボジア,タイ,ベトナム及びラオスにおいて,MRCの施設・人材・機能の強化を行うことにより,メコン川下流域国の洪水・渇水対策能力強化を図り,もってメコン諸国の強靱性向上に寄与するものです。

4 本協力により,メコン川流域の対象地域において降雨量観測所や水位観測所の数が増加することで,同地域の降雨量及び水位を観測する精度が高まり,地域住民の安全な暮らしや安定的な水資源の利用に貢献することが期待されます。

5 また,本計画は,日メコン協力の方向性を示す「日メコン協力のための東京戦略2018(PDF)別ウィンドウで開く」及び「2030年に向けたSDGsのための日メコン・イニシアティブ(PDF)別ウィンドウで開く」に合致し,メコン地域における適切な水資源管理を促進するものとしても位置づけられます。

[参考]
 メコン川委員会(MRC)は,1995年に下流域国4か国(カンボジア・タイ・ベトナム・ラオス)が締結した「メコン川流域の持続的開発のための協力に関する協定」に基づき設置されました。