日時 令和2年3月10日(火曜日)9時00分~9時08分 於:本省会見室
主な質疑事項
  • 新型コロナウイルス感染症による農林水産業への影響と農林水産省としての今後の対応について
  • 新型コロナウイルスに関する事業継続ガイドラインの策定について
  • 新たな食料自給率目標について
  • 名護市辺野古のサンゴの採捕に関する是正指示について

 

記者

  新型コロナウイルス対策で今日、政府が緊急対策を取りまとめる予定です。農林水産分野ではどのような支援策を検討しているのかお聞かせください。

大臣

  これから正式な報告を待っていただかなければなりませんが、まず一番トピックスとして大きく出ているのが学校給食の停止による食材の行方を失ったものに対する、国がどう対応するのかということについてでございますけれども、そういったものについてはですね、詳細はまた後ほどにということになりますが、しっかりとその対応ができるということになると思います。あと、国内では和牛やホタテやノドグロとかマグロとかですね、様々なもの、木材価格にも影響が出始めています。インバウンド、それから農泊なんかのキャンセルも激しく出ていますので、そういう現状についてですね、今回も第一弾で全てをカバーすることは無理ですけれども、かなり、省内での議論の中でも問題点は絞り込めてきていると思いますので、引き続き対応していきたいと思っております。

記者

  もう1点、新型コロナ対策で、8日、北海道に農水省の現地対策本部を設置しました。生産者など事業の継続に向けたガイドラインを作成するということですが、どのような内容になっているかお聞かせください。

大臣

  やはりですね、北海道は日本の中でも一番大きな食料供給基地ということであって、特に酪農で言いますとですね、全国の都府県の酪農家のですね、素牛、初妊牛を北海道から導入している。ですから酪農で言えば、日本中の酪農を支える基礎が北海道にはある。そしてまた、初妊牛をつくる農家はですね、家族農業が多い。家族農業の酪農経営であれば、お一人に発症すればですね、そこから先は当然濃厚接触ということになる。そして漁業も盛んですし、大規模農業も行われているということであればですね、そこで一つ発生すれば、ホルスにすれば1日2回搾乳しなければなりませんし、すぐにですね、搾乳しなければ乳房炎になって、牛そのものの健康状態、下手すればへい死をしてしまうという可能性もあります。そういうことも含めてですね、北海道で幅広に対策を議論することによって、農業、畜産業全般に対するですね、あり方というもののひな形ができるのではないかということ。それから100名を越えて発症しているという現状を踏まえてですね、伊東副大臣に行っていただきました。ですから大体ですね、案は昨日報告を受けましたけれども、精査が若干必要ですし、各局におきましてもですね、例えば水産庁、林野庁、生産局、消安局それぞれですね、やらなければならないことが多岐にわたっておりますので、もう2、3日はですね、しっかりとしたものを作って、卸売市場とかですね、牛の競り市とか、いろんな多岐にあまりにもわたるものですから、混乱を招かないようなガイドラインを農林水産省として、今、北海道を参考にして作成の努力をしているところでございます。

記者

  今週中に策定できるということでしょうか。

大臣

  自分としては、こんなものはあまり時間をかけてもいけませんし、しかし精査に精査を重ねすぎても時期を逸してしまいます。みんな待っている側面がありますから、できるだけ作業は急いでもらっています。

記者

  食料自給率の目標についてなんですけれども、カロリーベース、生産額ベースある中で、輸出を伸ばしていく中では、付加価値を付けて額を伸ばしていくいうというのが大事じゃないかという指摘があるかと思いますけれども、大臣としてカロリーベースの自給率をどう考えてらっしゃるか教えてください。

大臣

  カロリーベースの自給率が国民の皆様方にお示しすべき第一義的なものだと私は考えております。なぜならば、食料の安全保障に直結するのが熱量ベースであるからであります。ですから現在、日本が導入している農地、440万ヘクタール弱の農地に加えてですね、いわゆる荒廃農地といわれるものが、9万2千ヘクタールございます。それも含めてですね、非常時にどれだけの熱量を国民の皆様方に供給することができるか、備蓄米とかですね、小麦とか、いざとなればそういったものを活用されることになりますけれども、それに加えてこれから輸出について本格的に打って出るということであればですね、今、牛で言うと、国産で自給できる飼料のみを基礎に計算をしていますから、1頭あたりの11%しか、ほぼですね、カウントされておりません。しかし我々が国内で売るときも、海外に向かって売るときも、ピュアブラッドの和牛ですと、ということでブランディングをしていくというわけでありますから、なんらかの国の統計の数字の中でですね、この和牛の生産の畜産農家の御努力というものが数字として記されることが、極めて正確であろうと、そして畜産農家の方々の御努力がですね、やはりそこには反映される場所があっていいのではないか。ですから、指数が多岐にわたって分かりづらいという御批判があることは承知をいたしておりますが、あくまでも国民の皆様方にはカロリーベース、熱量供給ベースのものを主として見ていただいて、それ以外にですね、こういう見方もある、こういう側面からの分析の仕方もあるのだという多様な判断の基準を農家の方々にも、国民の方々にもお示しをするという趣旨であります。

報道官

  他ございませんでしょうか。

記者

  例の辺野古のですね、サンゴの移植をめぐって、沖縄県に先般、是正指示を出されました。これについて玉城知事がですね、受け入れがたいということで、考えをお示しされています。これについて受け止めと今後の対応を教えてください。

大臣

  今後については、今日お答えはできませんが、3月6日に許可処分を行う考えはないという回答があったことは承知をいたしております。ではありますが、今の私の気持ちとしては、是正の指示に示しておりますとおり、許可処分をしてほしいという気持ちであります。

記者

  今の関連なんですけども、県はこの回答書の中で、期限までには許可をしないというだけでなくて、今回の指示自体に地方自治法上問題があるということで、指示を再考して取消しをするように求めていますが、それについてのお考えをお願いします。

大臣

  この是正指示に対して国地方係争処理委員会の審査を申し出る方針ということが報じられておりますけれども、これは沖縄県で御判断をされることでありますので、私の立場から今日コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

記者

  今の関連ですけれども、今後、国としては、裁判や代執行を検討されるお考えはありますでしょうか。

大臣

  今、私が申し上げました、今後の対応についてはですね、今の段階で申し上げることはできないということでございます。

報道官

  他はよろしいでしょうか。では、以上で終了します。ありがとうございました。

以上