(令和2年2月23日(日)18:30~19:12省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

冒頭発表

大臣:
本日、新型コロナウイルス感染症政府対策本部が開催され、総理から、今後の状況の進展を見据えて、国民や企業に対する情報提供、感染拡大防止策、医療提供体制について、これから講じていくべき対策を整理し、国民の皆様に総合的な基本方針としてお示しできるよう、私を中心に、速やかに策定に当たるよう指示がありました。新型コロナウイルス感染症に対する現在の状況でありますけれども、国内の発症例は、本日までで132例、うち無症状で病原体を保有している方が16名となっています。最近の発生事例を見ると、現時点で明らかな感染経路が判明していない事例がかなりの割合を占め、一部地域には小規模な患者のクラスターが把握されるような状態にあります。お手元にもありますけれども先般の専門家会議との、まさに現時点と書かれたところが今の私たちが立っているところと認識をしております。上の方に目を上げていただきますとちょうど太い赤い線と細い赤い線が枝分かれする、ちょうどその場所に繋がるわけであります。まさにこの時期、患者の増加のスピードをどう抑えていくのか、そしてそのことが最終的には流行のピークを引き下げていく、まさに私たちは患者の増加のスピードを可能な限り抑制をしていく、そのことが非常に重要だと考えます。そしてまた同時にこの時期において、医療のパイ、これは一つの具体的な数字というのをイメージと取っていただきたいと思いますけれども、今後は患者が増えてきたときに、こういうピークに対して、全体の医療体制を強化をする、そしてそうしたピーク時においても、医療的な対応が取り得る、もちろんピーク時の対応と初期のとは医療の対応は異なってまいりますけれども、そうした対応が取り得る、こういったまさに医療提供体制を整える準備期間にもあると。こうした現状認識に立ちながら、患者の増加のスピードを可能な限り抑制することなどを目的として、関係省庁とも連携しつつ、今後の状況の進展も見据えた対策を早急に整理し、「基本方針」として、国民の皆さんにお示しをしていきたいと思っております。そのため明日10時から専門家会合を開催し、その中身、基本方針の内容についても御議論いただきたいと思っております。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客については、陽性者と同室の方を除く方々でPCR検査結果が陰性の方は健康状態を確認の上、2月19日から、順次下船していただき、本日までで、合計982名の方が下船されています。それ以外、各国が用意したチャーター便でお帰りになった方もいらっしゃいます。そうした中、昨日、下船前の検査結果は陰性だったものの下船後に発症し、陽性になった方が栃木県で1名確認されました。19日から下船を開始した方々については、不要不急の外出を控えること等をお願いしてフォローアップを行っておりますが、本日の政府対策本部において、総理から、健康状態のフォローアップをさらに強化するよう指示をいただいたところであります。下船後に陽性となった方が確認されたという事実、これは私どもは真摯に受け止めなければならないと思っております。そうした中で本日の総理の指示も踏まえ、下船後定期的に実施することとしていた健康確認、まさにお電話をして状況を確認するということでありますが、これを毎日実施すること等を内容とする事務連絡を発出をいたしました。これは各都道府県の衛生主管部局、保健所設置市、特別区等であります。また、基本的には保健所で対応いただくわけでありますけれども、都道府県の担当部局とも下船された方の情報を共有し、下船された方の健康フォローアップを私ども、都道府県、また保健所と緊密に連携する中で、しっかりと対応していきたいと思っております。3点目でありますけれども、昨日、東京都の介護施設の職員が新型コロナウイルスに感染する事例が発生いたしました。高齢者等は重症化しやすいことから、高齢者施設等で感染防止対策に万全を期していただくようこれまでもお願いをしてきたところでありますけれども、今回、職員は出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められる場合には出勤しないことを徹底すること、入所者への面会は緊急やむを得ない場合を除き制限し、発熱等の症状が認められる場合には面会をお断りすること、また通所サービスの利用者の送迎の際には本人の体温を必ず計測をし、発熱等の症状が認められる場合には利用をお断りするなど、感染拡大防止のための留意点をまとめた自治体宛の事務連絡を、明日にも発出をしたいと考えております。また、何度も申し上げるところでありますが、まさに今が、これからの患者の増加のスピードを抑えるかどうかという大変大事な時期であります。風邪のような症状がある場合には、学校や仕事をお休みいただいて、外出を控えるとともに、手洗いや咳エチケットを徹底していただいて、感染拡大防止につながる行動を改めて国民の皆様方にお願いをしたいと思っております。厚労省としても、国内の感染拡大の防止と重症化防止に全力をあげて取り組んでいきたいと考えております。私からは以上です。

質疑

記者:
明日の専門会議で議論ですることですけども、決定は週明けにでもという大臣からの発言もありましたが、見通しはどうでしょうか。
大臣:
最終的には、内閣官房で運営されている新型コロナ政府対策本部で決定するということですが、週明けに開催され、決定が諮られていくというスケジュール感ですすめてまいりたい。
記者:
昨日栃木県で下船者1名陰性から陽性になった事例ですけれども、今回の下船オペレーションが難しい判断になったということがありますけれども、あらためて5日以降に感染拡大防止策を徹底されていたのかということや、船内で健康監察期間を過ごすというのが最良だったのか大臣からお考えをお願いします。
大臣:
1つは国会でも申し上げましたけれども、新型コロナウイルスについて、まだまだ解明できていない点があります。それから、やはり今回の検疫そのもの、これは最終的に検証されていくべきものというように思いますけれども、現実的な選択肢、どういう対応をとっていくのか、そうした判断の積み重ねだったと私は思っております。したがって、先日もありましたが、これだけ大勢の方を日本国内で安全に輸送するということがあるのかないのか、いろんな検討をしていくなかで、最終的に、当初は沖合での検疫でありましたけれども、それでは色々課題があるということで、着岸検疫させていただく、また定期的に外洋に出て行かなければならない事情も解消していく、さまざまな努力をしていく、また、それから船内においても2月5日から感染防止のための対策を専門家のご意見をいただきながら、逐次、そういった専門家、感染症の専門家に入っていただいて、改善すべき点は改善していくということを重ねてきたところであります。そうしたなかで、WHOによれば健康観察期間は14日間が望ましいとされていること、また、武漢からチャーター便で帰ってこられた方々のPCR検査を踏まえた国立感染症研究所の分析結果などを踏まえて、あるいは実際船内でどういう形で感染者が発生したか、いわゆるエピカーブというものですが、そういったことを総合的に判断する中で、専門家の判断を踏まえ、私どもの最終的な責任において、今回の決断をさせていただいた、その際にも、専門家のみなさんから念のためということで健康フォローアップを行うこと、不要不急の外出は控えていただく、こういった視点も踏まえて、そうした対応をとらせていただいたということであります。そうしたことの中でこういった事実が発生したことを私達は真摯に受け止めなければならないですし、今後についてもご指導いただいたように、このフォローアップ体制、さらに強化を図ってまいりたいと思います。
記者:
下船された方のフォローアップの強化の点ですけれども、これは各保健所であったり厚労省の方が毎日電話をしていくというでありますでしょうか。
大臣:
基本的には、それぞれの保健所において対応していただくということになります。ただ、保健所だけでなく都道府県とも、それぞれ下船された方々について、どういう方がおられるのかという情報、もちろん個人情報ですから、守秘には万全を図らなくてはなりませんが、情報共有することによって、それそれの保健所、都道府県、そして私どもが三位一体でしっかりフォローアップしてまいりたいと思います。
記者:
現時点で栃木のケース以外で、下船された方で同様に症状を訴えていらっしゃる方とかですね、検査に回っている方ですとか把握されていますでしょうか。
大臣:
現在、検査に回っている方というのは私どもが把握している限りでは承知しておおりません。下船された方の専用ダイヤルを設けさせていただき。いくつかご相談はありますけれども、症状が治まらないですとか、そういったことではないと承知しております。
記者:
明日の専門家会議ですけども、基本的には対処方針の話になると思いますが、国内のフェーズといいますか、現段階は国内発生早期だと思うんですが、それについて、もう一度専門家の方々の意見を伺うというというか、そういうことはありますでしょうか。
大臣:
皆さん、よく早期か拡大期か、拡大期イコール蔓延期という認識になること、これは一般の方は当然のことと思いますけれども、そこはこの図を作った由縁であります。したがって、まさにここから移行しようとしている時期だというのは共通の認識で、前回、現在は問われれば、国内発生早期ではあるけれども、いつ次のフェーズに変わっていってもという話しがありました。まさに移行期であり、そして移行する状況、これがまさに今の私たちの取組によって異なってくるという、この認識は専門家会合とも一致しているわけです。むしろそういった専門家会合の認識も踏まえながら私どもは作業をすすめているということであります。
記者:
栃木の案件をうけての対策強化についてですけれども、この対象になる方は日本国籍で今、入っている方と、外国にいるような方も含まれるのか、そういった方を含めると対象人数はどれくらいになるのか。わかれば教えていただけますか。
大臣:
まず、海外の方も当然対象になります。ただ、この場合は、保健所というわけではなくて、今回のダイヤモンド・プリンセス号の運営会社に、こうした皆さんをフォローするセンターがあります。そちらでやっていただいていますが、そちらとも私どもはよく連携して対応していきたいと思います。
記者:
規模はどうでしょうか。
大臣:
下船者全員でありますので、さきほど申し上げた982名ということになります。ただ、一部海外の方はすでに出国された方もいらっしゃる、ちょっとそこは把握していません。加えて、濃厚接触者の方で国の施設に行かれた方も逐次、対象となります。
記者:
まとめて、この対策強化で健康の確認というのは、例えば発熱があるですとか、咳があるかとか、具体的にどのような内容を確認されているのか。
大臣:
今日、具体的な中身について通知を発出させていただきました。電話で本人に健康状態について聴取し、体温、咳の有無、咽頭痛の有無、全身倦怠感の有無、その他、ご本人から申告のあった症状、その発症時期、医薬品の使用の有無等を確認していただくことにしています。併せて、不要不急の外出はできる限り控え、周囲と接触する場合はマスクを着用し、可能な限り長時間の接触は避けていただくことや、やむを得ず移動する場合でも公共交通機関の利用は避けていただくこと、また、何かあればご本人から専用のホットラインに直ちに電話等で報告いただくことというような具体的な中身を指示した文書を発出したところであります。
記者:
英国の威厳ある国際学術誌レイジングマイブリュースアンドインファクションが新型コロナ感染患者の文書及び血栓調査という論文を発表しました。論文によると、人の血液や糞便、検体から新型コロナウイルスが発見されたとありますが、この論文は厚労省は確認し対策を検討していますか。論文の内容が事実であれば、不特定多数が使う公衆トイレ、駅や会社官庁やホテルなど全てのトイレの衛生管理を見直さなくてはならないはずです。また、性的接触など全ての場面での感染が問題になりますが、どのような対策を検討されていますが。
大臣:
すみませんが、私自身が今の話を直接知っている訳ではありません。また後でブリーフの時に説明させて頂きたいと思いますが、正直、いろいろな可能性を指摘する論文がたくさんあります。大事なことは、それがどういう状況で起こりうるのか、どういう頻度で起こっていくのか、一般論ですが、その辺りをしっかり分析していく必要があるんだろうと、一般論ですが、思いますので、詳細は後ほど事務的なブリーフの中で答えさせて頂きたいと思います。
記者:
もう一問。日本テレビの社員2名と番組制作会社の1名が感染の疑いが強いという話があります。メディア感染者がでれば記者クラブ、ひいては中央官庁や政府にまで影響が及ぶと思われますが、今後の対策、対応についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今の話は私ども確認しておりませんから、それを前提にはお答えできないと思います。ただ後半のご指摘ですが、マスコミは、それぞれの会社において対応して頂いているものと思いますが、政府においては、もちろんしっかりとした感染防止を行うとともに、厚労省はまだこれからですが本日の政府対策本部で、テレワークや時差通勤を実施するなど、それぞれできる防止対策を進めていくという話がありました。それぞれが取り得る対策を取ることによって、トータルとして、先ほど申し上げた、患者の増加のスピードを可能な限り抑制していきたいと思っています。
記者:
最後にもう一問だけお願いします。厚生労働省は新型コロナウイルスを防ぐには、という情報の冒頭に、ウイルス性のかぜの一種ですと発表していますが、これを読んだ人が過剰に油断してしまうのではないかと思いますが、そこのところどうでしょうか。
大臣:
文書全体は知りませんが、ある部分だけではなくて、全体の中において、そういうものではあるけれどもこうなんだという書き方がなされているのではないかと思うのですけれど、ホームページですかそれ。
記者:
そうですね、はい。
大臣:
ホームページの中身を精査、チェックしてみたいと思います。
記者:
その地域の女性の件ですけれども、感染拡大の防止策を取った5日以降に船内で感染した可能性もあると現時点で見ていらっしゃるのか、それとも潜伏期間が長かったと考えていらっしゃるのか、このタイミングで陽性となった原因についての現時点の分析を伺っていいでしょうか。
大臣:
少なくとも現時点でそれを分析し得るものは持ち合わせておりません。ただ、やはり我々がこうしたひとつの基準を作って下船をされた。その中において、下船後陽性になられた方がおられた。この現実は私どもは重く受け止めなければならないと思っております。したがって、先程申し上げたフォローアップの体制を強化していくというのはそういう思いからであります。
記者:
この関連なんですけれども、乗客については基本的に5日以降の感染はないと考えての対応だったと思うんですけれども、この感染を受けて見解を変える必要性は現時点ではないでしょうか。
大臣:
ないというのは、こういう議論ではそぐわない部分があるのかと思います。私どもも感染防止対策が有効に効いていたという言い方、専門家の方もそう言っておられましたので、したがって有効に効いていた中において、14日間の健康観察期間を過ごしていただいた。こういう認識です。
記者:
栃木の女性の関連で、先程、下船した方々に対して可能な限り長時間の他者との接触を控えたり、公共交通機関の利用を避けるよう通知を出されたとのことですが、下船をする時は皆さま公共交通機関で帰ってもらって問題ないという対応だったと思うんですけれども、そこは下船者への認識を変えられたということでしょうか。
大臣:
これはあくまでも念のための措置を徹底するということで事務連絡を出させて頂きました。ただこのこと自体は、元々フォローアップセンターが、空港から来られて、健康観察の対象とすべき方等々を対象にフォローアップを行っておりました。そういった皆さま方に対しても同じようなことをお願いしてきたということでありますので、正にそれと同じことを今回お願いしているということであります。
記者:
それはチャーター機の方のことでしょうか。
大臣:
チャーターだけでなく、一般に来られた方でも、私どもとしてフォローアップの対象になった方については、フォローアップセンターが逐一、まさにフォローアップしていくという体制を組んでいます。クルーズ船から下船された方々に対してもその形で対応する。基本的には下船された時からそういう方針ではあったのですけれども、更にそこを徹底しているということ。と同時に、毎日電話で確認をする点は強化をした部分であります。
記者:
明日の専門家会議について教えてください。初回の会議では国内発生早期という評価を流行状況、感染状況について言われたかと思うんですが、明日の会議でもそういった現状の感染の状況について、専門家の方の評価を改めて求めることが議題になるのかということが一つと、感染期とか蔓延期みたいな表現の仕方は、一方で一般の方にとっては、ある種今の時点がどういう状況なのかわかりにくかった面もあると思うんですけども、そういった言葉を使うか、使わないかについて大臣のお考えを教えてください。
大臣:
前回も、今がどこにあるかということは必ずしも中心ではなく、これからどう動いていくかということを大きく議論して、見解を出させていただきました。ただ、この場で、ではどこなのかというご質問があったので、座長から、どこかと言われれば今はまだ感染早期だと、こういうお話をされたと私は理解しております。その上で、大事なのはこの図だと考えています。この図をしっかり理解していただくということをぜひお願いをしたいと思います。感染期に入るというと突然、中にはこの時期に来たのかと思われる方もいらっしゃると思うんですね。それはある意味で、いろんな意味で間違いが含まれている。まさにここまで来てしまえば、いろんな手段というのはかなり限られてきます。しかし、そうではなくて私たちは今ここにいるんだと、そうしていろんな手段を講じることによってこれからの感染拡大のスピードを抑えていくことができる、こういう立場に立っているんだということを国民の皆さんに理解していただくことが、大事だと思いますし、その旨は、私どもも、専門家の方々から、再三再四、聞かせていただいているところです。ぜひそこはご理解をいただきたいと思います。
記者:
そうすると、大臣、先ほど移行期っておっしゃっていたのは、どこからどこの移行期と理解したらよろしいですか。
大臣:
まさに最初は、中国とか武漢とか湖北省由来に結び付くケースがぱらぱらと生じた時期があったと思います。そこから国内で転々と増えてきている。そしてさらに増えたのがこの辺の時期で、これからより拡大をしていく時期になってきている。そういった意味での移行という意味ですが、ただ、細かくステージが分かれるわけではなく、イメージ的には、微増程度で進んできたものが、立ち上がり始めているという言い方なんだと思います、ただ、立ち上がり始めているその角度と言うんでしょうか、スピード、増加の率と言うんでしょうか、そこは対策次第で高くも低くもなっていく。これが専門家の方々から指摘をいただいたことであります。
記者:
クルーズ船に関して、乗員の方々の下船に関しては本日の対策本部では議論にはなりませんでしたでしょうか。
大臣:
乗員の下船については特段議論になっておりません。乗員の皆さんも今、PCR、かなりの部分終わっており、若干、残っている方がいますが、そうした検査を実施して、逐次、下船をしていただくこととしています。ただ、具体的な国の名前は出せない状況だと思いますが、一部の国からは乗組員の方々を自国へ搬送するためのチャーター機を用意しているところもありますので、そういったものとタイミングを合わせていかなければならないと思っております。また、最終的にはクルーズ船そのものの機能というのがありますので、その辺をどうしていくのかということを含めて、船主側ともよく相談をしながら進めていきたいと思いますが、基本的には乗客の方と同じような取扱いになっていくということは、前から申し上げている通りです。
記者:
大臣の今までのお話でも、そのグラフでも、今、医療対応の体制を強化すべきだとお話があったと思うんですけど、今日お話に出た以外で何か他に体制として強化することで、例えば一般病棟でもそういう診察を可能にするとか、そういったところも入っているのか、その辺の認識を教えてください。
大臣:
まさに今、それを具体的に、我々の方で検討させていただいており、その辺も含めて明日の専門家会合で、具体的な議論をいただきたいと思います。いずれにしても、先ほどのスケジュール感で言えば火曜日にでも具体的な基本方針をお示しするということでありますから、それに向けて作業を進めているということであります。
記者:
このいただいたグラフについてなんですけれども、この先を見てみますと重症化防止というのが主要な対策になってくるんですけれども、現状で軽症者はなるべく家にいて、医療資源を重症者のほうに振り分けましょうという状況にはまだなっていないのか、どうなのか教えてください。
大臣:
今は、そういう症状のある方は基本的に病院に入っていただいていますし、今回のクルーズ船を含めて、軽症であろうと、無症候であろうと、陽性反応が出た方は基本的に病院に入っていただいているというのが今の状況です。
記者:
この先もし拡大してくれば、重症者にもう少し振り分けるというふうに変わっていくのでしょうか。
大臣:
今そうした点も詰めているところですが、新型インフルエンザのときのものを見てみますと、やはりこういったピーク時等に来ると、軽症の方々は自宅で、重症者あるいは基礎的疾患があり重症化しやすい方を優先的に入院させていくと、そういった書きぶりがあります。当然そういったことを踏まえながら作っていくことになると思います。
記者:
今のお答えに補足的に確認ですけども、大臣からおっしゃった通り2009年の新型インフルエンザのときもこういった基本的対処方針を示されていますので、新型インフルエンザの対処方針の枠組みや内容も参考にして作っていきたい、そういうイメージでよろしいでしょうか。
大臣:
これは以前も申し上げたように、またこの間の専門家会議でも新型インフルエンザの基本的対処方針を踏まえて、また今回の新型コロナウイルスの特性を反映して作るべしと、確かそうした指摘をいただいておりますので、そうした方向で作業を進めております。
記者:
栃木の女性なのですが、念のための確認なのですが、昨日公表された検査から漏れた人には入っていないということでしょうか。
大臣:
入っておりません。
記者:
そうするとこれまでの質疑と重なるのですが、2月5日以降に感染した可能性というのは否定できないということでしょうか。
大臣:
先ほどのご質問と全く一緒で、そこのところを判断する材料を私ども今のところ持っておりません。
記者:
先ほどの下船者へのフォローアップの強化のところで、マスクをつけたり、公共交通機関を避けるというのは、ご本人にその内容を要請されたのではなくて、都道府県や保健所を設置する市などにそういう情報を報告してくださいという事務連絡を出したという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
元々下船される際の健康カードに、不要不急の外出を控えてください、あるいは外出時には必ずマスクを着用してください等々の中身、あるいは毎日体温を測定してください、あるいは咳や呼吸が苦しくなるなどの症状の有無を確認してくださいということを記載し、ご本人にもお渡しをしております。それを踏まえて、健康フォローアップをする時にはそういったことを確認をしてほしいということを、それぞれの保健所等にお願いをしているということであります。
記者:
健康カードには公共の交通機関は使わないようにということは書いてあるのでしょうか。先程の質問ですが回答がよく分からなかったので、下船時に公共交通機関を使ったことは問題ではなかったという認識でよろしいでしょうか。
大臣:
下船時の段階においては先程申し上げた判断の中で、公共交通機関を使う際など、必ずマスクを着用をしていただきたいとお願いをしました。また、今回こうしたことが発生したことを踏まえて、更に強化する必要があるということで、フォローアップの対象となる方にお願いしている中身について、重ねてそれぞれの方にお伝えいただきたいという旨を通知するものです。
記者:
健康カードの件はいかがですか。健康カードには公共交通機関を使わないようにということが書いてあったりするのですか。
大臣:
具体的には書いておりませんが、不要不急の外出は控えてほしいということは書かせていただいたところであります。
記者:
カードに書いていなくても伝えたりとかはされているんですか。
大臣:
健康カードをお渡しをさせていただいておりますので、それ以上については、今保健所の方でお願いするということであります。
記者:
すみません、確認ですけれども、公共交通機関を使わないようにという指示はその下船をした方には何も特に言っていないということでよろしいでしょうか。
大臣:
今、既に接触されている保健所からはお話をされているかもしれませんけれども、これからその旨をお伝えしていただきたいということを含めて通知をさせていただいたということであります。
記者:
その通知は今回初めてということでいいですか。公共交通機関を使わないという指示は。
大臣:
そこのところはもともとフォローアップセンターのスキームを使ってお願いをすることになっておりました。したがって、そのフォローアップセンターのスキームの中には公共機関を使わないようにということは入っておりました。今回、改めて保健所から下船された皆さんにコンタクトしていただきますから、その際にはそこをしっかりと伝えて欲しいというのが今回の通知ということであります。
記者:
たびたびすみません。健康カードの記載のことですが、感染する恐れがないと書かれていたのですが、この点については現状は違うというか、修正するというお考えなんでしょうか。
大臣:
いや、これはまさに上陸を許可したときには恐れがないと判断して上陸を許可したということであります。ただ、その後こういう事態が生じたので、フォローアップを強化するというものです。したがって、上陸の判断を取り消すものではありません。
記者:
もう一点、新たに検査対象となった厚労省の職員41名についてなんですけれども、現時点でその陽性であるとか症状が悪いという話は出ていますでしょうか。
大臣:
今確認をしていませんから、いい加減なことは言えませんが、少なくともそういう指示をした中で、私の方に症状が悪化したという話は入っておりません。また、PCR検査もかけるということで逐次作業に入っていると承知をしておりますが、その検査結果はまだ私まで上がってきておりません。
記者:
職員の検査なんですけれども感染していないという医療関係者のように保護がしっかりして感染していないという確信があれば当然検査する必要はないと思うのですが、職員の防護策について着脱の仕方含めて厚労省としての指導とか監督は十分だったのかどうかという認識をお聞かせください。
大臣:
現場ではそういう指導をした上で対応していたと承知しておりますが、しかし、実際厚労省等の職員で4名感染したという事例がありました。したがって、昨日申し上げたようにそうした状況を踏まえた中で、すでに船の中で活動が終わった方については、全員PCR検査を行うと、それから、ご承知のようにPCRが陰性だからといってその後発生しないということはありませんから、14日間の兼行観察期間をおいて、その間、自宅でテレワーク等で仕事をしていただくということを昨日申し上げたところであります。
記者:
公共交通機関の利用の件で確認なのですが、健康カードの中には症状が出たら公共交通機関は使わないでくださいという文言があったと記憶していますが、今回、改めてお願いしているのは、症状の有無に関係なく外出、もし外出するときは公共交通機関は使わないでくださいということになったということでしょうか。
大臣:
先ほど申し上げましたように、もともとのフォローアップ体制というのがありました。その仕組みにおいては、これは下船された方ではなくて、フォローアップの対象となる方については、公共交通機関の利用は避けるようにということを申し上げておりました。そのスキームを今回活用するということは従前から、それぞれの保健所にお願いしていたことでありますけれども、今回、こうした事案もあったので、もう一回そこをしっかりと通知をしてほしいと、それを含めて事務連絡を出させていただいたということであります。
記者:
念のためなのですが、通知もし配布可能であれば情報提供いただけますでしょうか。
大臣:
はい。通知しておりますからそれは大丈夫です。
 

(了)