令和2年2月25日

茂木外務大臣とグロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長との会談(握手)

茂木外務大臣とグロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長との会談(茂木大臣発言)

茂木外務大臣とグロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長との会談(グロッシー事務局長発言)

 2月25日,午後7時頃から約2時間,茂木敏充外務大臣は,外務省賓客として訪日中のラファエル・マリアーノ・グロッシーIAEA事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi,Director General of the International Atomic Energy Agency)と会談及びワーキングディナーを行ったところ,概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭,茂木大臣から,グロッシー事務局長の就任後早期の訪日に歓迎の意を述べた上で,「日本は,同事務局長の下でのIAEAの取組を最大限支援し,他の加盟国と協力してIAEAの活動強化に尽力していく」と述べました。これに対し,同事務局長からは,「日本にはじめて訪問したのは35年も前であるが,今回は,IAEA事務局長としての初訪日となった,日本の寛大な協力に感謝する,引き続き緊密に協力したい。」と述べました。
  2. 茂木大臣からは,東京電力福島第一原発の廃炉・処理水対策に関するIAEAの協力に謝意を述べました。グロッシー事務局長からは,「復興と廃炉を同時に進める日本の取組を高く評価し,引き続き日本と協力していく。ALPS処理水(注)については,現在IAEAとして多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)の報告書を精査しており,IAEAとしても建設的な役割を果たしたい。いずれにせよ,開放性と透明性の確保を含め,本件の解決に向けて日本政府と協力していきたい。」と述べ,緊密に連携していくことで一致しました。
  3. また,両者は日IAEA協力関係強化の方途につき意見交換し,茂木大臣からは,「IAEA保障措置の基盤強化や原子力の平和的利用分野での取組等に協力していく」と述べました。グロッシー事務局長は「保障措置はIAEAの中心である」と述べ,日本の協力に謝意を表明し,両者は一層の協力関係構築に向け連携していくことで一致しました。
  4. さらに,両者は北朝鮮の核問題やイランの核合意をめぐる情勢についても意見交換を行い,引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

(注)ALPS 処理水:ALPS(多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System))を含む複数の浄化設備で浄化処理した水。