令和2年2月25日
水産庁

水産庁は、外国漁船が違法操業を行うことのないよう、漁業取締りを実施しています。また、令和元年は北太平洋公海で操業する外国漁船に対して、国際的な水産資源の保存管理措置の遵守を確認するための乗船検査を実施しました。
令和元年の水産庁による外国漁船への取締実績は、立入検査8件(前年14件)、拿捕1件(前年6件)、我が国EEZ内で発見された違法設置漁具の押収37件(前年26件)、北太平洋公海における乗船検査3件となりました。

1.我が国周辺水域における外国漁船の操業と取締りの目的

我が国EEZ(EEZ:Exclusive Economic Zone)には、二国間の漁業協定に基づき、中国漁船、韓国漁船、ロシア漁船が我が国の許可を得て入漁し、操業を行っています(日中間では平成29年6月以降、日韓間では平成28年7月以降、漁業交渉が合意に至っておらず、令和元年はロシア漁船に対してのみ、操業の許可がされました。)。
水産庁では、外国漁船が許可された操業条件等に従って操業を行っているか確認し、違反操業の防止を図るため、立入検査を行い、魚倉内の漁獲物、操業日誌、漁具等を確認しています。
また、我が国EEZの外側の境界線付近においては多数の外国漁船が操業しているため、これら外国漁船が許可なく我が国EEZ内で操業を行うことのないよう、境界線付近で監視取締りを行うとともに、外国漁船によって違法に設置されたものとみられる漁具を押収しています。
水産庁は、引き続き、漁業取締船の建造など漁業取締体制の強化を図るとともに、違法操業が多発する水域・時期における重点的かつ効果的な取締りを実施し、海上保安庁との連携等を通じて、我が国の漁業秩序を脅かす外国漁船の違法操業に厳正に対応してまいります。

200225_大和堆退去警告.png200225_公海乗船検査.png

2.外国漁船に対する取締りの状況

(1)令和元(2019)年の水産庁による外国漁船への取締実績は、立入検査8件、拿捕1件、違法設置漁具(かにかご、刺し網等)の押収37件でした。

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(2)拿捕件数の1件は、韓国のいか釣漁船で、我が国EEZ内での無許可操業でした。
(3)立入検査件数が、平成28年以降減少しているのは、中国、韓国との漁業交渉が合意に至っておらず、我が国EEZ内での二国間協定に基づく操業の許可を出していないことによるものです。
(4)日本海大和堆周辺水域ではスルメイカの違法操業を目的として多数の北朝鮮漁船や中国漁船が我が国EEZに進入し、我が国いか釣漁船等の安全操業の妨げにもなっています。水産庁は、スルメイカの漁場ができる前からこの水域に漁業取締船を重点的に配備し、海上保安庁と連携して必要な場合には放水等の厳しい対応を行い、これらの外国漁船を我が国水域から退去させています。令和元年の水産庁の退去警告隻数は延べ5,122隻(前年5,315隻)で、そのうち延べ1,590隻(前年2,058隻)に対して放水を行いました。

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(5)北太平洋公海では、北太平洋漁業委員会(NPFC:North Pacific Fisheries Commission)においてサンマやサバ等の保存管理措置が決められています。NPFCではこの保存管理措置の遵守を確保するため、加盟国が相互に乗船検査を行うことが合意されています。水産庁はこの合意に則り、北太平洋公海において、NPFC加盟国の漁船に対して乗船検査を実施しました。NPFC加盟国・地域(日本、カナダ、中国、ロシア、韓国、米国、バヌアツ、台湾)の中で日本が最も早く乗船検査を開始しました。令和元年の水産庁漁業取締船による北太平洋公海での乗船検査は3件でした。
(※北太平洋公海における乗船検査の動画はこちら)
https://www.jfa.maff.go.jp/j/koho/douga/200225.html

〈添付資料〉
(参考)漁業取締現場写真

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資源管理部漁業取締課

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