令和2年2月14日(金)

 今朝の閣議においては,法務省案件として,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律に基づく報告が閣議決定されました。また,主意書に対する答弁書が1件ありました。続いて,私から3件報告がございます。
 まず1件目ですが,本日こちらに飾られている花が,福島県飯舘村のお花でございます。除染で出た土を農地で再利用する実証実験によって栽培されたものです。
 先日飯舘村を視察された小泉進次郎環境大臣から,このお花についてお話がございまして,月曜日の記者会見で小泉大臣がこのお花を飾っておられました。私も,福島県,被災地である飯舘村の復興を少しでもお伝えしたいとの思いから,本日,法務省でも会見場に飾らせていただくことにいたしました。今後も,閣僚全員が復興大臣との意識を共有し,被災地の再生のために力を尽くしてまいります。
 続いて2件目ですが,「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」に関する有識者会議の開催についてです。
 法務省においては,現在,日本で生活する外国人の皆さん向けの「生活・就労ガイドブック」の日本語版,英語版及びベトナム語版に加えて,やさしい日本語版を,外国人生活支援ポータルサイトに掲載しております。
 国や地方公共団体が外国人向けに情報発信を行う際には,このガイドブックのやさしい日本語版のように,やさしい日本語を用いることが重要と考えております。そこで,やさしい日本語の活用を促進するためのガイドラインを作成することとし,この度,出入国在留管理庁において,文化庁と連携し,「在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインに関する有識者会議」を,2月21日(金)から開催することとなりましたので,お知らせをいたします。
 有識者会議は,今後概ね月に1回程度開催し,本年7月頃を目途に,やさしい日本語に関するガイドラインを作成・公表することを予定しております。この有識者会議は,報道機関に公開することとしておりますので,皆様にもお時間があれば,傍聴いただければと思います。外国人の皆さんには,日本に住んで,日本語を勉強することで,やさしい日本語であればある程度話せるし,理解できる方も少なくないと思いますが,「拝聴する」などといった敬語などは理解しづらいものもあると思いますので,やさしい日本語を活用することが共生社会にとって重要だと考えております。
 最後に3件目です。本日閣議決定された,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律に基づく報告についてです。
 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律第36条に基づき,平成31年及び令和元年中の通信傍受の実施状況等について,国会に報告すべく,先ほど報告案が閣議決定されました。本日,国会に報告がなされることとなります。平成31年及び令和元年中は,10事件につき傍受を実施し,その結果,合計48人を逮捕しております。捜査当局においては,今後も通信傍受を適切に活用していく方針と承知しております。

新型コロナウイルス感染症に関する質疑について

【記者】
 政府は,昨日,新型コロナウイルス感染症の緊急対応策をまとめました。出入国在留管理庁と検疫所の連携を強化して水際対策を徹底するというような内容ですが,感染症拡大の防止に向け,これらの対策をどのように運用していくか,大臣の所見をお願いします。

【大臣】
 昨夕,新型コロナウイルス感染症対策本部を官邸で開催し,緊急対応策をまとめまして,各省庁にまたがって様々な対策を決めたわけですが,法務省においては,地方出入国在留管理局と検疫所との連携を強化することなどが盛り込まれております。入管法に基づく厳格な上陸審査を実施していくとともに,検疫としっかり連携していくということです。例えば,日本人と外国人とを問わず,本邦に到着した旅客が上陸審査ブースにおいて体調不良等を訴えた場合には,再度検疫手続に戻って症状についての相談を行うよう案内し,検疫に協力するということを現在行っております。
 また,中国で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症の更なる拡大を防止するため,本年2月1日以降,検疫と入国審査の連携による,閣議了解等により決定された厳格な上陸審査の対象地域における滞在歴の二重チェックを行っています。
 具体的には,中国から到着する外国人について,検疫におけるチェックの後,上陸審査の過程において,日本語,中国語及び英語で記載された「確認票」を用いて,先ほどの対象地域の滞在歴の有無を申請者に申告させて,署名をしていただいております。そして,旅券の発給地をも確認するなどして,厳格に上陸審査を実施しているところです。今後も,更なる水際対策の強化を図るため,検疫所と連携を一層密にして,厳格な上陸審査を徹底してまいります。

【記者】
 新型コロナウイルス関連で,昨晩,国内で初めて,神奈川県の80代の女性の死亡事案が確認されました。まずそのことについての受け止めと,一部先ほどと重なるかもしれませんが,それを受けて改めて対策をお考えのところをお願いします。

【大臣】
 昨日,新型コロナウイルス感染症の日本人の80代の女性の方が亡くなられたという報道に接しまして,非常に心が痛みました。すぐに私も発信をさせていただきましたが,心から御冥福をお祈りし,また,御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。
 今後の感染症の拡大防止に向けて,政府を挙げて全力で取り組んでまいります。法務省,出入国在留管理庁に対しては,その報道に接してすぐに,今後の感染の流入防止をなお一層強化するために,厳格な上陸審査を徹底するようにと指示を出しました。

(以上)