2020年2月14日(金曜日)
9時29分~9時39分
於:記者会見室

冒頭発言

新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策及び予備費の閣議決定

おはようございます。

初めに、私から1点申し上げます。

今回のコロナウイルス感染症の拡大によりインバウンドが減少し、観光関連事業者に影響が生じていることや、今後、製造業等のサプライチェーンへの影響も懸念されることを踏まえて、昨日まとまった緊急対応策に企業活動への支援をしっかりと盛り込んだところであります。

本日、そのための予備費について閣議決定をいたしました。経済産業省としては、これも活用しながら速やかに対策を実行に移します。

まず、中小企業の資金繰りについては、5,000億円規模の融資・信用保証枠を確保することにより徹底的に支援をします。具体的には、日本公庫のセーフティネット貸付の要件を緩和し、支援対象を今後影響が懸念される事業者にまで拡大をいたします。

また、通常と別枠で100%保証を行うセーフティネット4号等の迅速な発動に向けた調査を開始をいたします。

さらに、サプライチェーン対策については、国内での生産体制の強化に向けて設備投資や販路開拓などの支援をいたします。

さらに、国内で逼迫するマスクの増産についての支援策も行ってまいります。

また並行して、中小企業へのしわ寄せ防止にも取り組んでまいります。

今回の対応において過度な負担の押し付けが行われないように、業界団体に対して下請取引に係る配慮要請をしてまいります。

今回の対策については執行状況をフォローするとともに、今後とも国内外の状況を丁寧に見極めつつ、必要な対策をスピード感を持って実行してまいりたいと考えております。

私からの報告は、以上です。

質疑応答

新型コロナウイルス感染症

Q:今も御発言がありましたコロナウイルスの問題ですけれども、12日の対策本部で中国からの入国拒否の措置を浙江省にも広げるということが表明されたと思いますが、現地に進出している日本企業ですとか日本経済に与える影響について御見解をお願いします。

A:浙江省も日本の企業、たくさん進出をしております。約370社出ているということでありますけれども、それらの影響について注意深く今動向を見守っているところであります。
前にも申し上げましたが、武漢のときと同じように、向こうでの完成品を作る、そのサプライチェーン、また部品等の製造業者も向こうに出ている場合、また向こうの業者に任せている場合に国内の感染者を、製造する工場への影響等、またどういった形でグローバルサプライチェーンへの影響があるかということも含めて、更にまた中小企業、下請企業にそのしわ寄せが、雇用調整みたいなものが入ってくるのかどうなのかということも含めて今状況を見極めているところでありまして、そういった調査を始めたということを先ほど述べさせていただいたということです。

福島第一原発のALPS処理水

Q:東京電力・福島第一原発の処理済汚染水の関連でお伺いをします。
御案内のとおりで、経産省の有識者委員会が1月31日に海洋放出を最も現実的とする案を取りまとめました。
福島県の隣県で、あと大臣の地元でもいらっしゃる茨城県の大井川知事が記者会見などで、この海洋放出案について到底受け入れられない、全く容認できないなどと反対する姿勢を明確にしています。大臣の地元の知事からこのような声が上がっているということについてどうお考えでしょうか。

A:今お話があったように、小委員会の取りまとめ、1月31日に行われて2月10日に提出をされたということであります。
福島第一原発のALPS処理水の取扱いに関する大井川茨城県知事の発言については、報道で私も承知をしております。
茨城県、これまで農林水産業が様々な風評被害を受けた経験があることから心配をされているというのも理解をするところであります。私どもも2011年の3月11日の事故以来、風評被害、かなりの被害であったと思っておりますし、私どもも最前線でその被害の風評の払拭、また被害への賠償や支援ということを取り組んできた、自分自身が取り組んできましたから、そういった心配は理解をするところでありますけれども、政府としては今回の報告も踏まえて、今後、福島県はもちろん、茨城県も含めて関係者、関係団体の御意見をよく伺った上で、風評への影響を抑えることも含めた対策についてしっかりと結論を出していく予定であります。
あくまでも小委員会の提案ということで結論を提出いただきました。その上で、それらを参考に関係者の意見を丁寧に聞きながら結論を出していくということで、今結論ありきということではありません。そういった中で丁寧に事を進めてまいりたいというのが今の私の思いであります。

新型コロナウイルス感染症

Q:コロナウイルスの件で伺いたいのですが、昨日の時点で、海外渡航歴がなかったり、あるいは中国から来た方と接触した履歴が確認できない感染者さんが国内でも出ました。過度に騒ぐのもあれかもしれないですが、国内でそういった事例が出たことについて国内産業にどのような影響があり得るのか、また経済産業分野を所管する大臣として、企業であったり産業活動にどのようなメッセージを出されていくのでしょうか。

A:先ほどの冒頭の発言でも申しましたけれども、中小企業、製造業のサプライチェーンの中での中小企業の影響や、国内の製造工程を持つ工場への影響ということは雇用への影響や、また国内での部品供給などをする方たちにも影響が出てくるものだと思っております。さらに観光面、インバウンド、中国の方たちが団体旅行を取りやめているということも含めて、その波及する風評も含めて観光地で結構大変な状況になっていると思っております。
中小企業の関係団体に相談窓口を設置しておりますけれども、かなりの件数の相談があることも事実であります。機敏、機動的に対応できるような準備をこの予備費でしたということでありまして、融資、またセーフティネットという形ですぐに対応できるような準備をしているところでありますけれども、今おっしゃったように、過度にそれを広げても、また更なる風評を招くこともあるので、しっかりと状況を見極めた上で適切に、適時適切に対応してまいりたいと考えております。

サイバーセキュリティ

Q:サイバーセキュリティ関係で、経産省は防衛とかインフラ関係の企業に対して、今日締切りということでサイバー攻撃の事例があったかどうか報告を求めたと思いますけれども、その辺りの回答状況についてお聞かせいただけますでしょうか。

A:本日が報告の締切りということで、先般、団体に申入れをして報告が入る予定であります。それらも踏まえた上で、まだ、現時点ではまだですけれども、それらも踏まえた上で改めてお話をさせていただきたいと思います。

福島第一原発のALPS処理水

Q:福島第一の処理水のお話なんですが、報告書の中では、いろいろな方法の絞込みもありましたけれども、前提として、デブリの取出しだとか燃料の取出しを進めていく上では十分な敷地を確保する必要があるということも指摘されていて、いずれかのタイミングではやっぱり処理が必要になるということも…。

A:何の処理が。

Q:処理水の処分が必要になるということも触れられていて、これについてはエネ庁の方でも同じ考えだと思うんですけれども、どんな方法を採るかとか、どういう対策を採るかというのはありますけれども、いずれ処理水を処分しなければいけないという点については大臣のお考えは変わりないということでよろしいですか。

A:そうですね。その処理方法はまた議論をしていくということになりますけれども、あくまでも小委員会の提出されたもの、提出された報告書を参考に議論をしていくことになりますけれども、いずれ、どの時点かではそういう形になると思います。
ただ結論ありきではないと、ずっと申し上げてきているんですけれども、ある程度皆さんに理解をしていただく、また、こちらが誠意を持って説明をしていくだけの時間は必要であると思っておりますので、それらも含めて今検討をしているところであります。

以上

最終更新日:2020年2月14日