1. 1 近年,宇宙利用の多様化及び活動国の増加に伴って宇宙空間の混雑化が進むとともに,衛星破壊(ASAT)実験や人工衛星同士の衝突等によるスペースデブリの増加の問題が生じ,持続的かつ安定的な宇宙利用に関するリスクが増大しています。

    2 こうした中,2月6日,国連ウィーン本部にて開催中の国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第57会期において,引原毅在ウィーン国際機関日本国政府常駐代表特命全権大使とシモネッタ・ディピッポ国連宇宙部長が「日本国政府及び国連宇宙部によるスペースデブリに関する共同声明仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」に署名しました。また,本共同声明の署名の機会を捉え,COPUOS加盟国全95か国を招待し,署名式,スペースデブリ問題に関するセミナー及びレセプションからなるサイドイベントを開催しました。

    3 引原大使は,署名式において,スペースデブリ問題への国際的な関心喚起の重要性を述べるとともに,今後の国連宇宙部との協力に対する期待を示しました。

    4 今般署名された共同声明は,昨年6月に採択された「宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)ガイドライン」を踏まえ,我が国政府及び国連宇宙部が,スペースデブリ問題の理解向上や既存の技術ガイドラインの実施に向けた国際協力の強化等を共同で促進することを宣言したものです。

    5 我が国は,引き続き,諸外国と連携しつつ,スペースデブリに関する国際的な取組を推進していきます。

    [参考]国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)
     COPUOSは,1959年の国連総会決議(1472)「宇宙空間の平和利用に関する国際協力」により設立された国連総会直属の常設委員会。オーストリア・ウィーンにおいて開催され,本委員会(毎年6月頃に開催)のもとに,科学技術小委員会(毎年2月頃に開催)及び法律小委員会(毎年4月頃に開催)がおかれ,宇宙活動に関する諸問題に対し,それぞれ技術的側面及び法的側面からの検討等を行っている。2020年2月時点,日本を含む95カ国が加盟。本年のCOPUOS科学技術小委員会は,2月3日から14日にかけて開催される。

    [参考]]宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)ガイドライン
     昨年6月にCOPUOS本委員会において全会一致で採択された加盟国が自主的に実施すべき宇宙活動の長期的持続可能な実施のためのガイドライン。本年2月,COPUOS科学技術小委員会の下にワーキンググループが新たに設置された。