1. 1 2月1日(現地時間同日),タジキスタン共和国の首都ドゥシャンベにおいて,我が方宮下孝之駐タジキスタン特命全権大使と先方シロジッディン・ムフリッディン外務大臣( H. E. Mr. Sirojiddin MUHRIDDIN, Minister of Foreign Affairs)との間で,「シフォバフシュ国立医療センター及び共和国立心臓血管外科科学センターにおける医療機器整備計画」(供与限度額9億5,700万円)に関する書簡の交換が行われました。

    2 タジキスタンでは,妊産婦死亡率(10万人中32人,2015年),5歳未満児死亡率(1,000人中43人,2016年)ともに依然として高い水準にあります。また,心血管疾患,脳卒中といった非感染性疾患が死亡原因の約7割を占め,特に心血管疾患はタジキスタンの死因第一位となっていることから,これら疾患に対応するための診断・治療サービスの強化が急務となっています。
     シフォバフシュ国立医療センター及び共和国立心臓血管外科科学センターは,首都ドゥシャンベに位置し,全国から集まる患者を対象に同国最高水準の診断・治療サービスを提供する国内最高次医療施設として毎年2万8千人の入院患者を受け入れていますが,医療機器の慢性的な不足や老朽化が問題となっており,専門的診断・治療を行うための整備が喫緊の課題となっています。

    3 本計画は,国立医療センターにCTスキャナー,人工呼吸器,内視鏡,腹腔鏡,超音波診断装置,X線診断装置,結石破砕装置等の41品目の医療機器を整備し,心臓血管外科科学センターには血管X線撮影装置1品目を整備するものです。この計画により,事業完成3年後の2023年には,年間のCT検査数が3,000件(直近の実績値1,200件),一般X線及び透視撮影装置での検査数が1万2千件(同8,400件),結石破砕装置での治療件数が500件(同0件),冠動脈撮影を行う症例数が1,770件(同866件)に増加するなど,医療サービスの質の向上が見込まれ,同国の保健医療体制の改善と国民の健康増進に寄与することが期待されます。

    [参考]タジキスタン共和国基礎データ
     タジキスタン共和国は,面積約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%),人口約930万人(2019 年,国連人口基金),人口1人当たり国民総所得(GNI)990ドル(2017年,世界銀行)。