~トンネル切羽付近における新たな粉じん濃度測定・評価方法について提案~

 厚生労働省では、このたび、「トンネル建設工事の切羽付近における作業環境等の改善のための技術的事項に関する検討会」(座長:小山 幸則 立命館大学総合科学技術研究機構上席研究員)の報告書を取りまとめましたので公表します。
 
 この検討会は、トンネル建設工事の作業環境を将来にわたってよりよいものとする観点から、最新の技術的な知見などに基づき、簡便で負担の少ない正確なトンネル切羽付近の粉じん濃度測定とそれに基づく対策を検討したものです。
 今回の報告書では、切羽付近での測定を適切に実施するための定点測定や個人サンプリング※1による測定などの詳細な方法を提示するとともに、作業環境の改善措置が適切かを判定する指標である「粉じん濃度目標レベル」について、現状の3mg/㎥から2mg/㎥に引き下げるべきこと、測定結果に応じた有効な呼吸用保護具の選択・使用すること、粉じんの発散を低減する新たな技術的対策の導入を図ることなどを提言しています。
 
厚生労働省は、この報告書を踏まえて、速やかに省令などの改正作業を進めます※2
 
※1 作業に従事する者の身体に試料採取機などを装着し試料空気の採取を行う測定方法です。
※2 省令(粉じん障害防止規則等)などの公布は令和2年6月以降順次、施行は令和3年4月1日を予定し、所要の経過措置を設けます。また、関連する大臣告示の公布後、関連ガイドラインを改正する予定です。

 
【報告書のポイント】以下の項目について取りまとめました。

● 基本的事項について  ● 測定の詳細事項などについて
● 粉じん濃度測定結果に基づく措置について
● 工学的対策などと実施管理について ● 今後のスケジュールなど

 
 【別添1】 トンネル建設工事の切羽付近における作業環境等の改善のための技術的事項に関する検討会 報告書(概要)
 【別添2】 トンネル建設工事の切羽付近における作業環境等の改善のための技術的事項に関する検討会 報告書(全文)

(参考資料1)トンネル建設工事における粉じん濃度、換気能力等に係るアンケート調査の分析結果
(参考資料2)「トンネル建設工事の切羽付近における粉じん濃度測定に関する研究」報告書
(参考資料3)「トンネル建設工事の切羽付近における粉じん濃度測定に関する研究」令和元年度現場調査報告書