令和2年1月24日(金)

 今朝の閣議において,法務省案件はございませんでした。

世論調査の結果に関する質疑について

【記者】
 内閣府が先週17日の金曜日,死刑制度の是非を問う世論調査の結果を公表しました。死刑制度を容認する人は80.8パーセントと,前回の平成26年調査を0.5ポイント上回り,一方,死刑廃止を支持する人は9.0パーセントと,前回調査より0.7ポイント減りました。過去15年間にわたり,容認派が8割を超えておりますが,こうした世論を踏まえ,死刑制度の在り方について,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 死刑制度の存廃は,我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題だと思っております。国民世論に十分配慮しつつ,社会における正義の実現等,種々の観点から慎重に検討すべき問題であると考えております。この度発表された,令和元年11月実施の死刑制度に関する世論調査においては,死刑制度の存廃について,「死刑は廃止すべきである」とする意見が9.0パーセントであったのに対し,「死刑もやむを得ない」とする意見が80.8パーセントであり,国民世論の多数は,引き続き,死刑制度の存置はやむを得ないと考えているとの結果でございました。このように,国民世論の多数が極めて悪質,凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えておりますので,多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと,その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては,死刑を科することもやむを得ないのでありまして,死刑を廃止することは適当でないと考えております。

【記者】
 今の質問に関連しまして,日本弁護士連合会は昨年10月,死刑の代替刑として終身刑の創設を求める基本方針を策定しましたが,終身刑の受刑者が「反省,悔悟し社会で生活することを認めてよい状態になり得るのは否定できない」として,例外的に無期刑への減刑を認める手続の導入も提案していますが,こうした動きに対する大臣のお考えをお伺いします。

【大臣】
 日本弁護士連合会が基本方針を公表していることは承知しております。先ほど申し上げたとおり,死刑制度の存廃は,我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であり,国民世論に十分配慮しつつ,社会における正義の実現等,種々の観点から慎重に検討すべき問題です。先ほどの世論調査にも出ておりますとおり,国民世論の多数が極めて悪質,凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えている状況であり,一方多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等でございますので,日本弁護士連合会の考えも承知はしておりますが,その罪責が著しく重大な凶悪犯罪については,私としては死刑を科することはやむを得ないと考えております。

(以上)