2020年1月22日

経済産業省は、令和2年1月30日に出光興産株式会社千葉事業所において、石油化学プラントの設備内部でドローンを飛行させ、その安全性や法定検査(目視)を代替する可能性の検証を行います。

1.背景

  • 石油化学プラントにおけるドローンの活用は、設備の点検を容易にし、頻度の増加を実現できるなど、安全性や効率性の向上、さらには保安業務の合理化を図る上で重要です。このため、経済産業省では、2019年3月に消防庁や厚生労働省と連携し、石油化学プラントの屋外においてドローンを安全に活用するためのガイドライン等を整備したところです。これにより事業者による試行的なドローンの活用が急速に進展しました。
  • 一方で、橋梁や道路といった社会インフラの分野では、既にドローンにより目視検査の代替が実現しています。プラント分野においても、ドローンの活用を本格的な実装に近づけるためには、ドローン等による点検が目視を代替するものとして制度上、位置づけることが重要です。さらに、従来の人による目視検査と比較して、ドローン等の検査では、撮影された画像データを事後的にチェックできること、ビッグデータとして事故予兆に活用されることが期待されます。
  • プラントの点検において、ドローンの本格的な実装を進めるため、実際にドローンをプラントの設備内部で飛行させ、法定検査(目視)を代替する可能性の検証を行うとともに、設備内部でドローンを安全に飛行させるための課題を整理することが必要です。

2.実証試験

  • 経済産業省は、令和2年1月30日出光興産株式会社およびブルーイノベーション株式会社と連携し、出光興産株式会社千葉事業所において、プラントのタンク内部でドローンの飛行試験を行います。
  • 飛行試験の結果を踏まえ、①プラントの法定検査(目視)を代替する可能性の検証を行い、今後、制度上の位置づけについて検討するとともに、②プラントにおけるドローンガイドラインの改訂(設備内部での飛行の安全性等)に向けた課題整理を行う予定です。
  • 実証対象となるタンクの画像実証対象となるタンク
    提供:出光興産株式会社
  • 設備内点検のイメージの画像
  • 使用するドローンの画像
設備内点検のイメージと使用するドローン
提供:ブルーイノベーション
(Fly ability社製「ELIOS2」)

3.関連資料

担当

産業保安グループ高圧ガス保安室長 伊藤
担当者:小林、服部、藤井

電話:03-3501-1511(内線 4951~4954)
03-3501-1706(直通)
03-3501-2357(FAX)