日時 令和2年1月21日(火曜日)10時39分~10時48分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • ドイツ出張の成果について
  • 沖縄県で発生したCSFの状況及び今後の対応について
  • 日本漁船のロシアへの連行について

 

大臣

  私から冒頭に、国会が召集されまして、また通常国会では、皆さん方にいろいろとお世話になることもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

記者

  ドイツ出張についてお伺いします。出発前には災害対策、それからASF対策について各国と情報を共有していきたいと仰っておられました。今回の会議出席でですね、得られた成果について教えてください。

大臣

  まず、日本の取組について紹介したことは一つの成果であったと思います。それからASFの会議においてですね、そのリサーチャーを含めですね、ハイレベルの国際的な連携が必要であると、特にASFにつきましては、効果的なワクチンが存在していないということは、世界的にもコントロールすることが難しくなっていて、そのアウトブレイクですね、いわゆる爆発的な拡散を止められない一番の原因だということも申し上げました。ですから今年の2月にこの専門家を集めた、2月の末にですね、日本で専門家の会議を開催することも御紹介した上で、このことについてはですね、知的な資源、エビデンスの蓄積も含めて、国際的に共有することによってですね、ワクチン開発を促進する必要があるのではないか、という提案をいたしました。
  これは、やはり一国が開発に成功すればですね、非常に嫌な言い方ですけれども、利益につながっていくことではあるかもしれませんが、しかし、今回の会議全体のテーマはですね、世界的な人口増加に伴う飢餓への対応とかですね、それからフードバリューチェーンをいかに構築するとか、そういう食全般に渡ることでありますので、ということであれば、これだけの方々が一堂に会すわけでありますから、是非、国際的な連携を強化していこうじゃないかということについては、共感が得られたことは成果だったというふうに思っています。2月の国際会議で、それが更に前に進めるのは、更にフォローアップにもなるので、それは成果だったんではないかと思っています。ASFについてはそれぐらいですね。

記者

  沖縄県におけるCSFの発生確認から明日で2週間になります。患畜は12日以降確認されていないかと思いますが、終息への期待ですとか、あるいはウイルスが国内由来の可能性が高いということでですね、今後の防疫対策への課題を残したところもあろうかと思いますが、改めて大臣の受け止めをお願いします。

大臣

  繰り返しになって恐縮ですが、やはり各農場における飼養衛生管理基準、そして毎日の農場の見回り、やはり自分の目でですね、自分のところの飼養豚がどういう状況にあるかということを見て回るということが基本だと思います。大変ですね、沖縄からの通報件数が多いと思います。疑わしきはですね、通報するという体制がですね、随分沖縄では徹底されているようでありますので、まずその基本を守っていただきたい。そして、なんといっても先ほど申し上げました飼養衛生管理基準は消毒ですから、人の流通であるとか、食品残さについてもいろいろ指摘がありましたけれども、それについてもしっかりと処理した上で給餌をやっていただければ、私は止められることはまだ可能だというふうに思います。
  ワクチンにつきましてはですね、まだワクチン接種プログラムを沖縄県の中で作成していただく必要がありますので、こちらから先走って、ああせい、こうせいということはないわけですね。自治事務ですから。その法は越えられませんけれども、ただ御要請をいただいてですね、その要請をいただいた後、我々がもたつくようなことがないように体制を整えてお話しをしたい。知事がお越しになるようなお話もあるやにも伺っていますので、いつかはまだ分かりませんが、また、今後、お越しになられればですね、しっかり、その場で、もしかしたら御要請いただくのかもしれませんし、対応させていただきたいと思います。

記者

  関連して、CSFのことなんですけれども、遺伝子の解析結果も出まして、国内で拡がっているのと同じ型ということでしたが、流通経路等に関して、今、どういうふうに調査を進めていますでしょうか。

大臣

  これは非常に自分としても、解明しなければなりませんが、過去の例えば、口蹄疫、それから鳥インフルエンザなど、鳥の場合は渡り鳥というような可能性を大きくしていますけれども、もともと岐阜というですね、内陸部で発生したということも最初は大きな驚きでしたし、そしてワクチンベルト帯、経口ワクチンのベルト帯を作ってその中に封じ込める努力をしているにもかかわらず、どんなに頑張ったって、絶対泳いでいけるはずのない沖縄で発生をいたしました。しかもそれが遺伝子的構造がですね、ほぼほぼ同一ということであればですね、一番考えられるのは人の移動によるものということが考えられるかもしれません。しかし、あらゆる可能性を排除できない。こういうのが現状だと思っております。しかし、イノシシではないという可能性だけはですね、潰せる一つの可能性でありますから、それ以外の可能性で、今回は非常に深刻なケースだと思っています。ですから申し上げておりますように、沖縄で出た、これだけ遠隔地、海で隔てられた所でも出るということはですね、もう本当に日本全国どこで出ても可能性としては排除できない。非常に緊張感が高まっている状態にあると思っています。ですから経路の解析については、全力を尽くしたいと思っておりますが、なかなかこれは難しいですね。難しいと思っております。
  11回目のですね、拡大CSFの疫学調査チーム検討会が、23日の木曜日にも行われる予定でありますので、この検討会の方々の御意見もですね、またしっかり聞かせていただきたいと思っております。

記者

  先日、根室市のマダラ漁船がロシアの国境警備局に拿捕されましたけれども、今年からのルール変更が漁業者に徹底されていなかったという側面もあったかと思いますが、今回の事案に対する大臣の受け止めと、再発防止に向けた考えなどありましたらお願いします。

大臣

  そうですね、今回は残念ながら、明確なルール違反が確認されたということであってですね、帰港されたことはですね、良かったと思いますが、しかし、ルールが十分に操業されている皆さん方のもとまで徹底されていなかったことについてですね、一定の責任は感じております。しかし、責任を感じながらもですね、操業する以上は、そういったことには、もうちょっとセンシティブにやっていただかないとですね、漁業者の方々のためにも良くないしですね、こういうことになると、浅瀬に乗り上げて一部船体が破損したり、いろいろなことがありましたんで、ちょうど私がドイツに行くギリギリのタイミングだったんでですね、行くの止めようかなと一瞬思うくらいでした。正直なところ。ですから、そういうことも報道されておりますから、今後ルール変更等があればですね、水産庁としてもですね、念には念を入れて周知していく努力はしていこうというふうに思っております。

報道官

  ほかによろしいでしょうか。以上で終了します。ありがとうございました。

以上