2020年1月20日

1月17日、JCM署名国であるインドネシアとの間で、JCMプロジェクトとしてクレジット発行(合計:37,836t)されました。2013年に同国との間でJCMを開始して以来、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業としてインドネシア初のクレジット発行となります。
本プロジェクトは、NEDOによるJCM実証事業として、両国の協力のもと実施してきました。
経済産業省は、引き続きJCMプロジェクトを進めてまいります。

本事業について

政府は、優れた低炭素技術・製品の途上国への普及等を積極的に推進して、世界規模での地球温暖化対策を進めていくため、途上国との間で「二国間クレジット制度(JCM/JointCreditingMechanism)」を推進しています。

今回クレジット発行に至ったプロジェクトは、以下の3件です。

対象国:インドネシア共和国

プロジェクト名(1):動力プラントへの運用最適化技術の適用

  • 事業概要:日本発の「連携制御」技術である最適化技術を製油所の動力プラントに導入し、動力プラントへの蒸気・電力の安定供給を確保しつつ計測精度を高めるとともに、動力プラント全体の運用を最適制御してエネルギー消費を最小化するとともに、温室効果ガス排出量の削減を図る。
  • プロジェクト実施者:NEDO(アズビル株式会社に委託)
  • クレジット発行量:34,956t

プロジェクト名(2):石油精製プラントの運転制御最適化

  • 事業概要:高度最適化制御の一種であり、日本で確立・運用されている多変数モデル予測制御システムを、石油精製プラントの運転制御装置に追加導入し、運転制御を最適化、エネルギー効率の改善と温室効果ガス排出量の削減を図る。
  • プロジェクト実施者:NEDO(横河電機株式会社に委託)
  • クレジット発行量:2,734t

プロジェクト名(3):携帯電話基地局へのトライブリッド技術導入

  • 事業概要:携帯電話基地局の電力負荷と電力供給状態に応じて、系統電力/ディーゼル電力、太陽光発電及び蓄電池を最適制御するトライブリッドシステムをインドネシア国内の20局に導入し、そのディーゼル燃料使用量と温暖化ガス排出量の削減を図る。
  • プロジェクト実施者:NEDO(KDDI株式会社に委託)
  • クレジット発行量:146t

参考:JCM(二国間クレジット制度)とは

二国間クレジット制度は、優れた低炭素技術や製品の移転を通じた相手国での温室効果ガスの排出削減・吸収への貢献を、日本の貢献分として適切に評価する仕組みです。外務省、経済産業省、環境省の三省で関心国と二国間協議を進めており、これまでモンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ラオス、ベトナム、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ及びフィリピンの計17か国と署名をしています。経済産業省では、具体的なプロジェクトの組成に向け、実現可能性調査や実証事業等を実施しています。

担当

産業技術環境局 環境政策課 地球環境連携室長 長田
担当者:出雲、高木

電話:03-3501-1511(内線 3529~3530)
03-3501-1757(直通)
03-3501-7697(FAX)