総務省・新着情報

会見発言記事
高市総務大臣閣議後記者会見の概要
令和2年1月14日

冒頭発言

  皆様、おはようございます。

ベトナム訪問結果

[訪問の概要]
  1月8日から10日まで、総務大臣に再任後、初めての海外出張として、ベトナム社会主義共和国を訪問いたしました。
  今回の出張では、
 (1) 政府のトップであるフック首相への表敬訪問と、ODAによる電子政府の支援に関する署名式への立ち会い、
 (2) 情報通信省のフン大臣との会談と、情報通信分野と郵便分野の覚書の改定、
 (3) 共産党中央組織委員会のチン委員長への表敬訪問
 を実施いたしました。

[フック首相への表敬訪問]
  フック首相への表敬訪問について申し上げます。
  フック首相には、私から、5Gにおけるサイバーセキュリティ確保の重要性について説明をし、ご理解をいただきましたほか、電子政府の分野において、引き続き、情報共有や人材育成について協力していくことで一致いたしました。
  また、統計、消防、行政相談の各分野についても、引き続き両国で協力していくことで一致しました。

[ODAによる電子政府の支援に関する署名式への立ち会い]
  今回の訪問の機会を捉えまして、ODAによる電子政府構築の支援に関する文書の署名式に、私がフック首相とともに立ち会い、電子政府の協力関係の進捗を見届けることができました。
  なお、フック首相には、電子政府構築や消防につきまして、信頼性の高い日本の機器の活用をお勧めいたしました。

[情報通信省のフン大臣との会談]
  情報通信省のフン大臣との会談について申し上げます。
  フン大臣にも、5Gにおけるサイバーセキュリティ対応の重要性につき説明をし、ご理解をいただきましいた。
  また、ASEAN地域のサイバーセキュリティの人材育成や、ベトナムでのスマートシティの進捗を評価する指標の策定や普及について、更に協力を進めていくことで一致しました。

[情報通信分野と郵便分野の覚書の改定]
  会談後に、フン大臣との間で、情報通信分野と郵便分野のそれぞれについて、内容を拡充した覚書に署名しました。

[共産党中央組織委員会のチン委員長への表敬訪問]
  最後に、日越友好議連のベトナム側の会長である、共産党中央組織委員会のファム・ミン・チン委員長への表敬訪問について申し上げます。
  チン委員長に対しましても、5Gでのサイバーセキュリティの重要性を説明し、ご理解をいただいたほか、電子政府の推進や人材育成の重要性について意見交換を行い、引き続き協力を進めることで一致しました。

[訪問結果の総括]
  今回の訪問により、トップレベルで両国の協力の一層の推進を確認し、日本企業が海外展開をすることを促進する後押しにもつながる成果を上げることができました。
  今後とも、両国間の関係が一層深まり、ベトナムの経済発展や社会課題解決に日本の技術や経験が一層活用されていくことを期待いたします。

【デジタル3室の設置】

  総務省に設置する新たな組織について、お知らせをいたします。
  デジタル分野におきましては、5Gとデータ流通は、今後の経済成長と安全・安心な社会の実現に不可欠な基盤となってまいります。
  政府における5Gとデータ流通に関する取組を更に加速させ、また、総合的に対処するため、国際戦略局と情報流通行政局に3つの組織、「デジタル3室」を新たに設置することといたしました。
  一つ目は、国際面での対応として、信頼性ある自由なデータ流通の推進や、その前提となる5GなどのICTインフラの安全・安心について国際的な調整を要する課題への対応を一体的に進めるため、本日1月14日に、国際戦略局に「デジタル国際戦略室」を設置いたします。
  二つ目は、「21世紀の基幹インフラ」である5Gが全国各地域に速やかに整備され、地域の課題解決のために活用される環境を整備するための専門組織として、今年の春頃に、情報流通行政局に「デジタル経済推進室」を設置いたします。
  三つ目は、デジタル経済社会において信頼性のあるデータが円滑に流通できる環境を整備するため、情報銀行や統一QRコードによる決済を含め、データの流通に関連する政策に一体的に取り組む組織として、今年の夏頃に、情報流通行政局に「デジタル企業行動室」を設置いたします。
  詳細につきましては、国際戦略局総務課にお尋ねをいただきたいと存じます。

  私からは、冒頭以上でございます。

 

質疑応答

NHKのネット活用業務実施基準変更及び来年度予算の見通し

問:
 NHKのネットの常時同時配信の実施基準案について、これまで、来年度の予算編成も念頭に手続きを進めるとしてきました。現時点での実施基準案の認可や予算のスケジュールについての考え方を教えてもらっていいでしょうか。

答:
 昨年10月15日にNHKから認可申請がありましたインターネット活用業務の実施基準につきましては、昨年12月24日に修正申請がございました。
 その内容を審査しましたところ、概ね妥当なものであることから、本日、一定の条件を付した上で認可することが適当である旨の諮問を電波監理審議会に行うことといたしました。
 認可条件について、具体的に申し上げます。
 「インターネット活用業務の実施費用の抑制的管理のための具体的な仕組みの早期導入」、また、「NHKと他の放送事業者との連携・協調の取組を具体化するために必要な協議の場の設置」などを条件とすることが適当と考えております。
 電波監理審議会から認可することが適当である旨の答申をいただきました場合には、本日中にも認可をしたいと考えています。
 また、NHK予算が例年1月に総務省に提出されているところですので、提出され次第、その内容を精査の上、総務大臣意見を付して国会に提出をいたします。

かんぽ生命不適切販売の調査範囲拡大

問:
 日本郵政の増田社長が先週の記者会見で、不正などに関する調査について、これまでは特定事案が中心でしたが、それに限らず範囲を広げてよく調べるという考えを示しました。大臣が特定事案以外の調査の必要性、あり方についてどのように考えているか、教えてもらってよろしいでしょうか。

答:
 総務省からは、昨年12月27日に、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループで連携して、「特定事案」に該当しない不適正募集の調査も含め、利用者に不利益を与えた可能性の高い契約の調査を加速化し、早期に利用者の権利確保をすることを命じております。
 日本郵政グループにおかれましては、これらの取組を速やかに行っていただき、失われた国民の皆様の信頼を一歩ずつ着実に回復していただきたいと考えております。

情報漏えい事案に係る日本郵政における再調査

問:
 日本郵政の問題で重ねて伺います。日本郵政の増田社長は、9日の記者会見で鈴木前総務次官による情報漏洩問題について、前の体制から方針転換して改めて調査を進める意向を示しました。大臣の受け止めと調査にかける期待することをお伺いできますでしょうか。

答:
 そのような方針をお示しになったことは承知をいたしております。
 1月7日の会見でも申し上げましたとおり、情報漏洩に関する調査につきましては、日本郵政グループにおいて判断されるものだと考えております。

防災行政無線戸別受信機の普及促進

問:
 防災行政無線の戸別受信機について伺います。総務省では2019年度補正予算案に関連経費を盛り込むなど普及を進めておられますけれども、今後の取組についてお伺いします。

答:
 防災行政無線は、住民の皆様に確実かつ迅速に災害情報を伝達するための重要な手段でございます。
 しかし、台風や豪雨の際には、屋外スピーカーからの声が聞き取りにくいというお声をたくさん伺っております。
 住戸内に設置する戸別受信機は、このような場合に有効な情報伝達手段でございます。
 消防庁では、これまでも地方財政措置を講じるなどの支援を行うことで、戸別受信機の配備の促進を図ってまいりました。
 しかしながら、未整備の市町村もございます。
 令和元年度補正予算案におきまして、戸別受信機の配備が進んでいない市町村を対象として、概ね1万台の無償貸付を行うと共に、市町村に貸付台数と同数の配備を求めることにより、最大で合計約2万台の配備を進めることを予定しています。
 また、戸別受信機の重要性に関する普及啓発を強化するなど、配備を促進するための経費を盛り込んでおります。合わせて、約4.2億円ということになります。
 自治体の皆様におかれましては、こうした取組も踏まえまして、今後の災害に備えて地域住民の皆様の命と財産を守るための取組に万全を期していただきたいと存じます。

マイナンバーカードと介護・健康保険証との一体化

問:
 マイナンバーカードについてお伺いします。マイナンバーカードと介護保険証を一体化することで、行政、医療、介護を1枚のカードで済むようにできるという報道がありましたけれども、大臣の受け止めをお願いします。

答:
 2023年度からマイナンバーカードを介護保険の保険証として利用できるようにすることにつきましては、昨年12月20日に閣議決定されました「デジタル・ガバメント実行計画」における「マイナンバーカードを活用した各種カード等のデジタル化等に向けた工程表」に盛り込まれております。
 このほか、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにすることにつきましても、診療時の確実な本人及び保険資格の確認などを目的として、健康保険法などを改正して、2021年3月から実現できるように必要なシステム開発などを進めています。
 これは、本人確認が容易にできるということで、私たちが、例えば転職をしたり、引越をしたりといった折にも、すぐにマイナンバーカードで診察が受けられるといったメリットもございます。
 対面・非対面問わず、厳格な本人確認や資格確認を可能とするマイナンバーカードは、安全・安心で利便性の高いデジタル社会の基盤となるものでございますので、引き続き、その普及と利活用を促進してまいりたいと思っております。
 詳細につきましては、介護保険証や健康保険証としての利用の件は、厚生労働省にお尋ねをいただきたいと存じます。
 いずれにしましても、マイナンバーカードの使い勝手をいかに良くしていくか、便利なカードにしていくかが、何より大切だと考えております。

問:
 それでは、本日は、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

答:
 どうもお疲れさまでございます。

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