2019年12月25日

経済産業省は、2019年11月18日に、欧州委員会成長総局(DG GROW)と共同で「日EU CSRワーキンググループ」を開催し、CSR・サステナビリティ分野での日EU間の協力について議論しましたので、概要と結果を公表します。

1.日EU CSRワーキンググループとは

企業活動がグローバル化する中、CSR1政策において、国際的な協力関係の構築や相互理解の向上が不可欠となっています。こうした問題意識のもと、日本とEUは、2013年1月の第16回「日EU産業政策対話」2において、CSRワーキンググループの設置に合意し、同年10月に同ワーキンググループを正式発足させました。発足以降、ブリュッセルと東京の交互で、毎年秋頃に開催しており、今年で第6回目となります。なお、2016年以降は、日EUのビジネス間対話も同時に実施しています。

*1 CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)の略。
*2 日EU産業政策対話:1993年1月、森通商産業大臣(当時)とバンゲマン欧州委員会副委員長(当時)との間で、日EU間の産業協力等を議論することを目的として開催に合意。1993年の第1回(於:ブラッセル)以降、日本と欧州の交互で開催。

2.第6回ワーキンググループ開催概要

第6回ワーキンググループは、①政府関係者による政府セッション、②民間事業者によるビジネス間対話の二つのパートで行われました。
政府セッションは、経済産業省とEU成長総局に加え、駐日欧州連合代表部や日本の外務省が参加しました。また、ビジネス間対話は、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)と企業活力研究所CSR研究会からの出席者により行われました。発表テーマは、以下のとおりです。

政府セッション

日本政府の発表テーマ

  • 日本のCSR政策の進展
  • 中小企業によるSDGsへの取組支援
  • ビジネスと人権に関する行動計画の策定に向けて
  • 環境と経済の好循環に向けて(TCFDサミット等)

欧州委員会の発表テーマ

  • 新欧州委員会におけるサステナビリティ/CSR/RBCの優先事項
  • 2030年の持続可能なヨーロッパに向けたリフレクションペーパー
  • CSR/RBC、ビジネスと人権に関する欧州委員会の施策進捗報告書
  • 「人権に関する多国籍企業及びその他の企業の政府間作業部会」に関する意見交換
  • アジアにおける責任あるサプライチェーンプロジェクトの進捗
  • グローバルサプライチェーンにおけるディーセントワーク
  • 世界の森林保護と修復のための取組

ビジネス間対話のテーマ

  • 第3回日EU CSRビジネス間対話の振り返り
  • 今後の課題

一連の議論を通じ、日本とEUは、CSRというアジェンダが、産業政策のみならず、通商政策や環境政策とも深く関係していることや、サステナビリティに関する他の施策についても双方の理解を深める必要があることを改めて確認しました。

※後日、ワーキンググループに関する議事録を掲載します。

担当

経済産業政策局 企業会計室長 松本
担当者:石川

電話:03-3501-1511(内線 2545)
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