1. 1 本23日(日本時間同日),ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにおいて,竹若敬三駐ラオス特命全権大使と先方トンサワン・ポムヴィハーン外務副大臣(H.E. Mr. Thongsavanh PHOMVIHANE, Vice Minister of Foreign Affairs of the Lao People's Democratic Republic)との間で,同国の防災・災害対応能力の強化に資する資機材の供与のための無償資金協力(「経済社会開発計画」,供与限度額:10億円)に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。

    2 ラオスでは台風等の自然災害により,毎年激甚な水害に見舞われています。ここ数年でも,たとえば平成29年夏の台風8号「ソンカー」がもたらした水害で約25万人以上の国民が被災しました。また,平成30年も7月の南部アタプー県のダム決壊,8月の複数の台風及び豪雨の影響により,約61万人が被害を受けるなど,水害をはじめとする自然災害への対処はラオスにとって喫緊の課題となっています。

    3 一方で,ラオス国内において毎年発生する水害への備えは充分ではなく,災害の被害を軽減するためには,ラオス政府による迅速な災害直後の初期対応が求められています。しかし,生存者捜索用のクルーザーや,瓦礫除去重機,避難した災害被害者へ安全な飲料水を供給するためのトラック付き浄水処理装置等の防災・災害対応関連資機材が不足しており,同資機材の整備により,ラオスの災害対応能力を強化する必要があります。

    4 以上の観点から,本計画は,ラオスに対し防災・災害対応関連資機材を供与するものです。この協力により,ラオスの災害対策能力の改善・強化を図り,もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。

    5 この案件は,平成28年9月の「日・ラオス首脳会談」のなかで安倍総理大臣から発表された,「日本・ラオス開発協力共同計画」における「環境・文化保全に配慮し均衡の取れた地方・都市開発を通じた格差是正」(市民への公共サービスの拡充等)に資するものです。また,ラオスのトンルン首相からも平成30年10月の日・ラオス首脳会談において,同年夏の一連の水害被害に対し「中長期的な観点からの支援」を要請されており,本計画は我が国の支援を具体化するものです。

    [参考]ラオス人民民主共和国基礎データ
     ラオス人民民主共和国は,面積約24万平方キロメートル,人口約649万人(2015年,ラオス統計局),一人当たり国民総所得(GNI)は2,460ドル(2018年,世界銀行)。