令和元年12月7日(土),国立京都国際会館において,「第2回京都コングレス公開シンポジウム」を開催し,約470名の方々に御参加いただきました。本シンポジウムでは,「再犯防止と更生支援に向けた取組の現状と今後の展望」をテーマとし,基調講演やパネルディスカッションを行いました。

 開会に当たって,森まさこ法務大臣が「再犯防止の取組は,京都コングレスにおいて関心の高い議題の一つであり,その全体テーマとも関連するSDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会を実現する上で極めて重要な取組。本シンポジウムを通じて,京都コングレスへの関心を更に高めていきたい。」旨の挨拶をし,また,西脇隆俊京都府知事,門川大作京都市長及び一般財団法人日本刑事政策研究会の小津博司会長(元検事総長)からも御挨拶をいただきました。
 


森まさこ法務大臣による挨拶(左),西脇隆俊京都府知事による挨拶(右)


門川大作京都市長による挨拶(左),小津博司会長による挨拶(右)

基調講演

 基調講演では,社会福祉法人恩賜財団済生会の炭谷茂理事長から,「ソーシャルインクルージョンの理念からの更生支援」と題して,ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)の理念を具体化させるための取組やソーシャルファームの設立に向けた取組,立ち直り支援に自治体が関わることの重要性についてお話をいただきました。

炭谷茂理事長による講演 

パネルディスカッション

 パネルディスカッションは,青沼隆之弁護士(元名古屋高等検察庁検事長,元法務省保護局長)をコーディネーターにお迎えし,2部に分けて行いました。
第1部では,京都府の大谷学府民環境部長,一般社団法人京都社会福祉士会の中川るみ相談役,公益社団法人京都犯罪被害者支援センターの冨名腰由美子事務局長,京都市の村上圭子副市長,一般社団法人京都わかくさねっとの安保千秋理事(弁護士)及び北川美里事務局長に御登壇いただき,法務省からも是木誠企画再犯防止推進室長が参加し,京都府及び京都市における再犯防止の取組の紹介や,現状の課題及び今後の展望等について活発な意見交換がなされました。

 第2部では,炭谷理事長,日本司法支援センターの板東久美子理事長,千房株式会社の中井政嗣代表取締役会長(日本財団職親プロジェクト発起人代表),NPO法人再非行防止サポートセンター愛知の髙坂朝人理事長に御登壇いただき,法務省からも名執雅子矯正局長及び今福章二保護局長が参加しました。また,過去に犯罪や非行に走った経験のある方々からのビデオメッセージも上映し,「立ち直りを支える取組」の重要性について,登壇者自らの体験談なども交えながら語っていただきました。


パネルディスカッション第1部の様子


パネルディスカッション第2部の様子


  • パネリストによる発言(左から炭谷理事長,板東理事長,中井会長,髙坂理事長)
  シンポジウムの参加者からは,「ビデオメッセージが大変良かった。感銘を受けた。」,「誰一人取り残すことのない社会は私たち一人一人から始まると実感した。」,「パネリストの「反省は一人でできるが,更生は一人ではできない。」という発言が心に残りました。」などの御感想をいただきました。
 第3回の京都コングレス公開シンポジウムは,「SDGs達成のための安全・安心な社会の実現について」をテーマとして令和2年3月1日(日)に開催する予定です。引き続き,京都コングレスへの関心が高まるよう,取り組んでまいります。
 

シンポジウム会場の様子