田中復興大臣定例閣議後会見録(令和元年12月23日(月)10:28~10:39 於)復興庁会見室)

1.発言要旨
 皆さん、おはようございます。
 まず1点目でございます。本年、世界的によく知られた雑誌「National Geographic」及びガイドブックの「Lonely Planet」に2020年の旅先として、「東北」が選ばれました。これは快挙でありまして、大変喜ばしいことだと思っております。私も持ってまいりましたけれども、今までの我々の努力が実った一つの成果だなと、こんな思いを持っております。大変うれしく思っております。
 2点目であります。「新しい東北」復興・創生顕彰についてであります。本顕彰は、被災地の地域課題の解決、「新しい東北」の創造に向けて、大きな貢献をされている方々を顕彰するものであります。
 このたび、応募件数147件の中から、被災地のNPOによるコミュニティ形成支援や、人口減少が著しい半島部に移住された若者たちによる地域の魅力の発信など、今年度の受賞者9件を決定させていただきました。顕彰式典は、年明けの2月14日金曜日になりますが、仙台市において開催する「新しい東北」交流会にて行う予定といたしております。
 なお、本顕彰の詳細は、事務方に御確認いただければ幸いでございます。
 3点目であります。21日土曜日には新国立競技場オープニングイベントがあり、復興庁ブースにおいて、被災地の食材を使ったスープを提供するとともに、花を使ったフォトスポットを用意し、多くの方に御来場いただきました。参加者からは、8年前のボランティア以来行っていなかったが、スープで女川産のサンマが使われているのを見て、また被災地に行ってみたいなと思ったと。また、食材や花を通じて復興が進んでいることがよくわかったといった御意見が寄せられたと報告を受けておるところです。
 被災地の復興しつつある姿だとか、産品の魅力を効果的に発信できたほか、被災地以外の方と被災地をつなぐ大変よいきっかけになったと考えております。引き続き、復興五輪が被災地の方を勇気づけ、復興を後押しするものとなるように、情報発信に努めてまいりたいと思っております。
 4点目であります。昨日22日に福島県相馬市で、東北中央自動車道の「相馬インターチェンジ」と「相馬山上インターチェンジ」の間の開通式に出席させていただきました。当区間の開通により、相馬地方の高速道路ネットワークが強化され、被災地の復旧・復興が一層加速されることを期待いたしております。
 また、相馬市で「相馬市伝承鎮魂祈念館」を、福島市で「福島県営あづま球場」を視察させていただきました。大震災の多様な記憶や教訓を風化させないよう、その経験などを広く国民に共有するとともに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、復興しつつある被災地の姿を、国内外に伝えてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

2.質疑応答
(問)冒頭ありました1点目の観光雑誌等、海外の旅行雑誌に今回ランクインしたということですけれども、関連して、外国人宿泊者数の150万人泊というのが、来年の目標に掲げられていると思います。これに対する達成に向けての復興庁の取り組み、また大臣の意気込み等を伺えればと思います。
(答)申し上げましたけれども「National Geographic」は、世界180カ国、約40言語で購読されておりまして、このような世界的なメディアで東北が選ばれたということは、東北の、より一層の外国人観光客の誘客につながることだと期待しておりますし、今まで一生懸命各方面の皆さんに御尽力をいただいたことの成果だと、このように思っておるわけでございます。
 引き続き、2020年の外国人延べ宿泊者数150万人泊の目標達成に向けて、東北各県の観光、復興の取り組みをしっかりと支援してまいりたいと思っております。各市町村、各県が本当にすばらしい魅力にあふれた伝統、文化、そして食材を持っておるわけでございまして、そういうものを世界の方にわかっていただければ、また味わっていただければ、来ていただければ、ありがたいことだと思っておりますので、とにかく復興庁を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。本当に頑張ってまいります。
(問)先週土曜日の新国立競技場のオープニングイベントの復興庁のブースについてなんですけれども、当日拝見しましたが、寒かったこともあり、長い行列ができて、大変多くの方にスープやお花のフォトスポットを利用していただいたと実感しているんですが、今回の取り組みを、どのように来年のオリンピックの本番に生かしていかれるというふうに、今回の事業の手応えを踏まえて考えていらっしゃいますか。
(答)私のほうも、寒かったにもかかわらず、大変多くの方に来ていただき、そして並んでいろいろと買っていただく、また食べていただく、本当にありがたかったと思っております。
 それと同時に、私も思ったのは、復興五輪というふうに私たちも考えてまいりましたけれども、東北と結びつくこの五輪に対しての関心が高い。特に東北の復興の状況についてみんなが本当に心から心配されておられたし、また、そのことが少しずつ、きちっと形になって復興の姿が現れてきたことに、喜んでいただいているんだなと、こういう思いでございました。
 お話ししたように、8年前のボランティア以来行っていなかったけれども、スープで女川産のサンマが使われているのを見て、また被災地に行ってみたいなと、こう思ったとか、食材や花を通じて復興が進んでいることがよくわかったと。こういうお話に私も大変ありがたく思っておるわけでございます。
 引き続き、復興五輪が被災地の方を勇気づけて、復興を後押しするものとなるように、情報発信に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
(問)引き続きですが、当日会場で気になったことがありまして。お花に関しては11種類たしか使われておりまして、各県の、3県の地図とともに、花の配置がボードとしてあったんですけれども、食材に関しては、確かに福島、宮城、岩手というのが使ってありましたが、そこの発信の仕方が弱いということ。あと、せっかく多くの方に触れていただくんであれば、もう少し復興が進んでいる被災地の現状などを、スペースの都合もあったかと思うんですが、いろいろ並んでいる間にでも、見ていただく機会はあったんではないかということで、今回の会場の都合で、そういったところに至らなかったのかもしれませんが、取り組み自体はよかったと思うんですが、もう少し、さらに復興している状況、もしくは被災地の現状について、お伝えする工夫が必要ではないかというふうに思ったんですが、そちらについていかがでしょうか。
(答)いろんな御意見もいただいておりまして、私のほうも一つ一つの話を承りまして、なるほどなと思っております。この御意見をしっかりと私どもも受けとめて、次の機会に、お話がありましたけれども、もう少し多くの多様な自治体、地域の皆様方のすばらしい復旧・復興ぶりがお示しいただけるように、多様な対応をしてまいりたいなと思っております。もちろん会場の条件等もあるわけでございますが、こちらももう少し力を入れて取り組んでいく、いい参考になったと、このように思っておるところでございます。頑張ります、これからも。
(問)冒頭の「National Geographic」ですが、これは復興庁として掲載を呼びかけてきた、求めてきたということなんでしょうか。
(答)復興庁は、もちろんありとあらゆる機会に、各省庁も自治体も世界中のいろんな大使館にもお願いを申し上げてきた経過があるんですが、そういうものが総合的に作用して、こういうふうに取り上げられたというふうに思っておりまして、特別ここに向けて何かをしたということではありません。やはり全体的な評価の中に、こういう掲載をしていただいたと、こう思っておるわけでございまして、大変ありがたくというか、うれしく思っておるところでございます。頑張らせていただきたいと思っております。

(以  上)