(令和元年12月27日(金曜日)11時18分 於:本省会見室)

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冒頭発言

(1)2019年の振り返りと来年の展望

【茂木外務大臣】今年最後の会見ということになります。いろいろお世話になりました。9月11日に外務大臣に就任してから,早いもので3か月半が経つところです。就任後すぐにNYを訪れまして,国連総会の会合や各国外務大臣との会談を行いました。また,11月には,今年日本がG20の議長国である,その締めくくりとなります名古屋でのG20外相会合を主催しました。また,私が交渉を進めてまいりました日米貿易協定につきましても,先の臨時国会で承認を得て,ちょうど日本時間の今日,大統領の布告が出るところでありますので,来年1月1日から発効ということが決まったわけであります。
 臨時国会が終わりましてからご案内のとおり,12月だけで相当出張しておりまして,新政権が発足したばかりのスリランカ,そしてASEM外相会合が行われたスペインのマドリード,さらに半日予算折衝を挟みまして,日露平和条約交渉を行ったロシア,そして日中韓サミットが行われた中国を訪問するなど,本格的な外交活動を展開しているところであります。
 この秋,臨時国会で日米貿易協定の審議等に相当の時間を割くことになりましたが,国際会議の機会であったり,また即位の礼等の機会もありましたので,多国間のものも含めますと,これまでに50回以上の外相会談を行うことができたわけです。
 来年は東京オリンピック・パラリンピックの年であります。多くの外国要人そして観光客の訪日が見込まれます。日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増し,国際秩序をめぐる不確実性も高まっている中で,これまで安倍総理が推進してきた「地球儀を俯瞰する外交」,これを更に前に進めるために,年明けの東南アジア歴訪も含めまして,「包容力と力強さを兼ね備えた外交」を展開し,そして我が国の外交についての発信力,これを高めていきたい,こんなふうに思っております。

(2)中東への日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について

【茂木外務大臣】本日,「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」の閣議決定がなされました。情報収集態勢の強化のために自衛隊の艦艇及び航空機を活用するとともに,関係業界との密接な情報共有を始めとする航行安全対策の徹底,そしてまた,中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力を行うことになります。外務省としては,今回決定された政府方針の三つの柱の一つである,「更なる外交努力」を継続していきたいと思っております。
 具体的には,米国,イランを始めとする関係国に対し,引き続き様々なレベルで緊張緩和と情勢安定化のための働きかけを継続してまいります。また,船舶の安全な航行に大きな役割を有します沿岸諸国に対して,航行安全確保のための働きかけを引き続き実施いたします。中東地域における自衛隊の情報収集活動については,これまでも地域の関係国に対して,検討を行っている旨の説明を行い,理解を得てきたところでありますが,今後もこういった努力を継続していきたい,透明性を持ってしっかりと説明をしていきたいと思っております。
 先週も日イラン首脳会談が行われまして,安倍総理から,中東地域における緊張緩和及び情勢の安定化についての働きかけを行ったほか,今般の自衛隊の情報収集活動に関する具体的な検討を進めていることを直接説明し,航行の安全確保に貢献する日本の意図に対して,ローハニ大統領から理解が示されたところであります。
 また,イエメン等を含む中東地域の開発途上国に対するODAを活用した人道支援や,経済・社会安定化支援を通じた湾岸地域の平和・安定への貢献であったり,航行の安全や海洋安全保障に資するシンポジウムの実施等を通じた沿岸国の能力構築支援,こういったものにもしっかり取り組んでまいりたいと考えています。

(3)茂木大臣のベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア訪問

【茂木外務大臣】来年,2020年最初の外国訪問先として,東南アジアを選びました。1月5日から11日まで,ベトナム,タイ,フィリピン及びインドネシアの4か国を訪問する予定です。東南アジア諸国は,日本の重要なパートナーであると同時に,「自由で開かれたインド太平洋」の実現の鍵を握っている地域でもあります。
 今回の訪問では,各国外相との会談等を通じた二国間関係の強化を図るとともに,国際社会の課題解決に向けたパートナーシップの強化を確認する予定です。特に,昨年ASEANが採択した「インド太平洋に関するASEANアウトルック」との,日本の「自由で開かれたインド太平洋」,この連携・協力を具体化したいと思っています。
 また,訪問先のインドネシアでは,ASEAN事務局本部におきまして,日本の対ASEAN外交についてのスピーチを行う予定です。

日米貿易協定・日米デジタル貿易協定の発効

【NHK 高島記者】改めてですが,日米貿易協定・デジタル貿易協定が1日に発効されるに当たり,その意図,更には米国との協議交渉の今後の課題についても伺えますでしょうか。

【茂木外務大臣】この日米の間の交渉,昨年の4月のマー・ア・ラゴ(Mar-a-Lago)での協議から始まりまして,そして昨年9月26日,日米首脳会談での共同声明,これによりまして,私(大臣)とライトハイザー通商代表との間で本格的な合意交渉がスタートすることになりました。特に今年の4月以降は本格的な交渉,国益と国益がぶつかり合う大変厳しい交渉でありますが,合意に至り,そして来年の1月1日からこの日米貿易協定および日米デジタル貿易協定が発効する。私(大臣)にとっても感慨深いものがあると思っております。
 そしてこの協定によりまして,日米両国の経済は世界のGDPの約3割を占めておりまして,今般の日米貿易協定の発効により,すでに発効しているTPP11,日EU・EPA,これと合わせますと世界経済の約6割をカバーする自由な経済圏,これが日本を中心に誕生することになる。この意義はきわめて大きい,そんなふうに思っております。先ほど50回を超える外相会談等々を行ってきたという話を申し上げましたが,各国からも日本が進めているこういった経済連携・協定,リーダーシップについては高い評価をいただいているところであります。
 またこれからの時代,データ駆動型経済に入っていく,6月のG20のサミットにおきましては大阪トラックの立ち上げも行ったところでありますし,今回日米デジタル貿易協定,これが発効をすると,今後のデータ駆動型経済の中で大きな拡大が期待されますデジタル貿易の分野での,高い水準のルールを示すものであると考えております。
 今後,我が国として,両協定を基盤としつつ,日米同盟関係の重要な柱の一つである日米経済関係を安定的に発展させると同時に,国際社会全体での自由貿易体制の維持強化に,指導的な役割を果たしていきたい。WTO改革,そしてRCEP,まだまだ様々な課題があるわけでありますが,そういったものにもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

2019年の外国訪問

【共同通信 高尾記者】冒頭に紹介がありました今月中旬から続いた海外出張についてお伺いします。大臣がおっしゃったとおり,スリランカ,スペイン,ロシア,中国と各国を歴訪され,それで各国の外務大臣と会談をされたり首脳会談に同席されました。その一連の外交日程を通じて得られた成果を,大臣としてどのように総括されているのかお聞かせください。

【茂木外務大臣】12月の歴訪につきましては,国会が終了したこともありまして,できるだけ多くの国をという思いで,スリランカからスタートして歴訪を行ったわけですが,「包容力と力強さを兼ね備えた外交」,この展開の第1歩を踏み出すことができたと思っております。
 まず,スリランカはご案内のとおり,11月に新しくラージャパクサ政権が発足したわけです。おそらくコロンボという港,あの港というのはアジア太平洋地域の中で最も優れた港の一つである。かつてから,ポルトガルの時代から非常に海上交通の要路としてあったわけですが,まさにこれから自由で開かれたインド太平洋を実現するために,質の高いインフラの整備であったりとか,防衛,海洋安全保障,海上保安等々にかかる協力を継続していくことで,一致できたのは大きな成果であったと思っております。
 また,ASEM,マドリードではEUなど7か国の外相との会談であったり,韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長とも立ち話を行ったところでありまして,また第一セッションにおきましてリードスピーカーとして発言し,多国間主義が依拠する,国際社会のルールを維持,そしてまた時代の変化に応じたルールを作っていくことが重要だ,こういうことを力強く訴えかけることができたのではないかなと思っています。
 その後,ロシアを訪問しました。ラヴロフ外相から招待を受けまして,11月にはラヴロフ外相が名古屋にいらっしゃり,そして12月には私(大臣)がロシアを訪問するということで,特に今回の場合は相当NYの国連総会で合ったりとか,G20の外相会談とは違って,まさに相当時間が取れるこういう日程の中での会談でありまして,じっくりと時間をかけて本格的な協議に入ることができた,そのように考えております。
 相互の基本的な立場の違い,これはあるわけでありますが,それを埋めていく方策について,お互いが知恵を出し合いながら協議を進めて行くということにしたわけであります。ではどういう論点について議論するのか,どういう項目について議論するのか,相当なすりあわせもやらさせていただいたということでありまして,これから議論をさらに進めて行きたいと思っておりまして,次回の外相会談につきましても諸般の情勢が許せば,ミュンヘンの安全保障会議,2月中旬になりますが,その機会に実施する方向で調節することといたしました。
 最後,中国ですが,日中韓サミットにおいては,今後10年の日中韓協力についての議論が行われました。その機会に日中及び日韓の首脳会談に同席をしたほか,日韓外相会談,更には北京におきまして,王毅(おう・き)国務委員兼外交部長との昼食会をはさんだ会談も行いました。来春の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の訪日を見据えて率直な意見交換を行い,またそのための環境整備をしっかりと進めていこうということで,一致をしたということです。

日韓関係

【NHK 高野記者】先ほど関連で,特に日韓関係にしぼってお伺いします。大臣は非公式の立ち話も含めて康京和さんと3回会われていまして,首脳会談にも間近に接せられていましたが,それを通じて韓国側の徴用に関する何か変化のようなものは,率直にいって感じられましたでしょうか。また,その解決の兆しのようなものは,見通しについてどういうふうにお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】これまで康京和外交部長とは,国連,そしてまた先日の名古屋のG20,更にはマドリードでは博物館におきまして立ち話というか,実際は座っていたんですけれども,そして今回,本格的な外相会談ということで3回目の外相会談を行わせていただきました。今回の日韓の首脳会談および外相会談におきましては,日韓間の間の最大の課題であります旧朝鮮半島出身労働者問題について,安倍総理から文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して,私からまた康京和長官に対して直接,早期解決を改めて求めたところであります。
 また,両首脳および外相間で北朝鮮を始めとする安全保障に関する日韓,日米韓の緊密な連携を改めて確認し,また拉致問題については日本の立場に理解を得たところであります。特に,両国首相が久々に向かい合って会談を行い,我が国の考えを直接伝え,安全保障に関する連携を確認できことは非常に有意義だったと,このように考えております。間違いなく日韓の間,これは首脳間でも,そして外相間でも,また外交ルートの間でも,旧朝鮮半島出身労働者問題,この解決が一番重要な問題だと,このことについては共通の認識ができあがっていると思います。
 ただ,今回の会談だけで日韓関係の改善が図られたということは難しいわけでありまして,今申し上げた旧朝鮮半島出身労働者問題を始めとする日韓間の懸案について,引き続き外相同士を始めとする外交当局間の協議を継続していく考えであります。総理が,この問題について韓国側が責任を持って解決をしてほしいという呼びかけをしたのに対しまして,文在寅大統領の方は早期な解決が必要だと自分も考えていると,こういうやり取りであったと,こんなふうに考えております。

【毎日新聞 田所記者】関連して,今日の午後に韓国の憲法裁判所で15年末の慰安婦日韓合意に関しての違憲判断かどうかという判断が出るということですが,それについてなんですが,日本政府の立場,日韓合意の維持履行を求めてきたかと思うんですが,改めて立場を教えていただきたいのと,韓国国内では昨年11月の韓国政府の財団の解散など,合意の履行は全く展望が立っていないんですが,そういう現状についてのお考え,今回の裁判の内容次第で日韓関係に影響を及ぼしうるかというお考えについてもお尋ねしたいと思います。

【茂木外務大臣】2015年の日韓合意,ここでこの慰安婦の問題について最終的かつ不可逆的な解決,これを日韓両国で確認をして,それを国際社会全体も評価をしたわけです。そして日本としてはこの合意を誠実に履行しているわけでありますから,韓国政府に対して,引き続き日韓合意の着実な実施を求めて行く,この考えに全く変わりはありません。

ハーグ条約

sAFP通信 西村記者】国際子ども連れ去り問題とハーグ条約についての質問をします。国際結婚の増加に伴って,離婚や子ども連れ去り問題も多くなってきました。日本はハーグ条約をサインしたにも関わらず,一部のケースは子どもの返還命令が施行されていない理由で,海外から強い批判や不満を浴びています。それに対する茂木外務大臣のご意見や,改善方法の検討とかを聞かせてください。

【茂木外務大臣】母親のもとで泣き叫ぶ子どもを,強制的に連れ帰ることが正しいとは私は思っておりません。日本政府は国境を越えて不法に連れ去られた子どもを,元の国に一端戻すとのハーグ条約の趣旨に乗っ取り,誠実に対応してきております。例えば裁判で決定された返還命令が自発的に履行されない場合には,子どもの人権にも配慮しつつ,強制的に返還を行う方法についても法的措置を講じているところであります。
 実際にハーグ条約が,平成26年4月1日に日本について発効してから本年12月までの5年半の間でありますが,日本に連れ去られた子の外国への返還は39件実現しております。今後も各国政府とも緊密に連携しながら条約を誠実に実施していきたいと思っております。
 やはり子どもの権利,子どもがどこにいれば幸せか,そういったことを中心に私は物事を考えるべきだと,そのように思っております。条約の履行,これは重要でありますが,それによって子どもが不幸になるということが正しいという意見であれば,私の考えとは違います。

安倍総理の中東訪問の可能性

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)

 中東政策について伺います。安倍総理が新年最初の外遊先としてサウジアラビアをはじめとする中東諸国を訪問されると聞きました。これは,日本外交において,中東地域が優先事項となりつつあるということを意味するのでしょうか。また,この訪問の具体的な目標と,予定されている訪問国について,もう少しお聞かせください。

【茂木外務大臣】
(以下は日本語にて発言)

 総理の年明けの日程はまだ確定していない,このように考えておりますけれども,中東地域におけます緊張緩和と情勢の安定化に向けまして,米国との同盟関係およびイランとの伝統的友好関係を生かしつつ,6月の安倍総理のイラン訪問や今月のローハニ大統領の訪日に引き続き,粘り強い外交を継続していきたいと思っております。
 また,地域の平和と安定のためにはイエメン紛争であったり,中東和平問題といった地域における諸課題を解決していくことも同時に重要だと考えておりまして,こういった観点から先ほど冒頭でも申し上げましたが,ODAを活用した人道支援であったり経済社会の安定化支援に加えて,政治的解決に向けた働きかけや我が国独自の中東地域の平和と安定への貢献を行っていく考えであります。
 航行の安全確保につきましては三つの柱のもとで進めると,先ほど申し上げてきたとおりでありまして,中東地域,様々な地域があるわけでありまして,それはイランもそうでありますしシリアもそうでありますし,更にはサウジアラビア,UAE,そしてまたイスラエル,パレスチナ,ヨルダン,様々な地域があるわけでありまして,お互いに意見の一致する,また立場が一致しないいろんなことを,日本としてもできる限りの調整をしていきたいと思っております。そして,その地域の人道状況が改善をする,そしてお互いの信頼関係が高まるということが,地域の安定の基礎になっていくのではないかなと,こんなふうに考えております。

来年の茂木大臣の外国訪問

【産経新聞 力武記者】先ほど,大臣からも来年冒頭の東南アジアへの外遊日程についてお話がありましたけれども,改めまして来年,外務大臣としてどのような分野に力を入れていきたいか,あるいはこういったテーマについては是非とも解決したいというようなものがあればお話いただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】年末年始で考えたいと思います。

日韓関係(慰安婦問題)

【東亜日報 キム記者】慰安婦公判の話題に戻りますけれども,もし今日,合意について韓国側から違反という判決が下されれば,日本政府として今後,どういうふうに対応するつもりですか。お尋ねしたいです。

【茂木外務大臣】先ほどお答えしたとおりです。

日米安全保障条約改定から60年

【朝日新聞 竹下記者】冒頭で大臣からも言及があったんですが,来年に向けての決意,述べられましたけれども,来年1月19日に日米安保条約改定から60年を迎えますけれども,このタイミングをとらえて,大臣として日米関係をどう発展させていきたいか,どのような発信をしていきたいと大臣としてお考えかお願いします。

【茂木外務大臣】1月19日で安保条約改定から丸60年を迎えるということであります。60年前,様々な国内世論がある中で,日米安保条約の改定を行って,間違いなく日本の安全保障,より強化をされ,そこの中で日本が経済を中心に大きく発展する,こういう1960年代に入ったということは,私は間違いない歴史的な事実ではないかなと思っております。
 そういった60年安保を作るに当たってご尽力をいただいた岸信介元総理であったりとか,様々な日米の関係者,またその日米安全保障条約,そして日米同盟をさらに強化する取組みを進めてきた歴代の関係者,先人たちの思いと,こういったものをしっかりと受け止めながら,これをさらに強化をし,そして日米二国間だけではなくて,国際社会の中でどう日米が協力をしていけるか,幅広い分野について協力をする,その一つのマイルストーンにしていきたい,こんなふうに思っています。

北朝鮮情勢

【テレビ朝日 大石記者】北朝鮮情勢についてお伺いします。北朝鮮が一方的に決めた米国との非核化交渉の期限である年末が迫っていますが,今のところ挑発行為は行われていませんが,この一連の米朝のかけひきが続く中で,日本政府として現状どのように分析されているかお聞かせください。

【茂木外務大臣】北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射,これは関連する安保理決議に違反するものでありまして,極めて遺憾だと,これは繰り返し申し上げているとおりであります。先日の日中韓サミットにおきましても,この弾道ミサイルの発射に強い懸念を要するとの認識で一致をいたしました。米朝プロセスが正念場を迎える中で,さらなる挑発行為,自制すべきであるというのが3か国の一致したメッセージであります。
 クリスマスプレゼント,まだ送られていないようであります。ミサイルなのか花瓶なのか分かりませんけれど,そういった中で緊迫する状況というのが,年末年始も続くんではないかなと考えておりまして,外務省としては引き続き情報の収集・分析に全力を挙げ,そしてまた我が国の平和と安全確保に万全を期していきたい。さらには米国,韓国含め関係国ともしっかりと連携をしていきたいと思っております。

茂木大臣の年末年始

【共同通信 高尾記者】今の年末年始の危機管理対応についてなんですけれども,大臣ご自身は今年の年末年始,どのようにしてお過ごしになられるんでしょうか。公務,政務ともお忙しかったと思いますが,お聞かせください。

【茂木外務大臣】いずれにせよ,危機管理には万全を期せるように,対応できるような状況は作りたい,こんなふうに思っております。

イラン情勢(核合意)

【朝日新聞 竹下記者】中東派遣の関係で先ほど冒頭,ご紹介いただきましたけれども,引き続き,外交努力を重ねていく考えでしたけれども,来年,1月の上旬にイラン側が核合意の制限破りを実施する見通しで,また更なる緊張の高まりが懸念されておりますけれども,今の核合意をめぐる情勢について,大臣,どのように分析されてらっしゃるかお願いします。

【茂木外務大臣】核合意も含めて,先ほど申し上げたように中東の緊張緩和,そして情勢の安定化に向けた更なる外交努力,これを進めていきたいと思っております。
 強調したいのは,今回,自衛隊のアセットを派遣するということで,そこがどうしても注目を集めるところでありますが,日本政府としては,三つの柱でこれからこの周辺の問題については対応する。その一つが,更なる外交努力ということになるわけであります。そしてまた,もう一つが関係業界と情報共有しながら,航行の安全対策を徹底する。更には三つ目として,情報収集体制を強化するために,自衛隊の艦隊,艦艇及び航空機を活用するということであります。それぞれが柱となりながら,地域の情勢であったりとか,日本の船舶の安全な航行というものをしっかりと守っていきたい,そんなふうに思っております。

茂木大臣の東南アジア訪問(TPP11)

【NHK 高島記者】年明けの東南アジア訪問に際して,TPP参加国の拡大という観点から,茂木大臣としては,どのような外遊にしたいと考えていますでしょうか。

【茂木外務大臣】今回訪問する国の中では,既にベトナムが発効しているわけであります。そして,タイについてはTPPへの参加,これに対して関心を有していると,このことを日本として歓迎したいと思っておりまして,現地におきまして,また,外相等と会談を行う際に,相手側からTPPの問題について,いろんな情報提供の依頼がありましたら,そういった情勢提供をさせていただきながら,日本としては基本的に,タイのTPP参加,これについては歓迎したい,こういうお話をしたいと思っております。フィリピン,インドネシアにつきましては,まだ,相手側の意向がどうかというお話を聞いておりませんので,聞いた上でということになると思います。