冒頭発言
【茂木外務大臣】スリランカの先月，ラージャパクサ新政権が発足したところでありまして，発足したばかりのラージャパクサ新政権と信頼関係を構築すべく，スリランカを早速訪問したところであります。
スリランカ，伝統的な親日国でありまして，シーレーンの要衝に位置するスリランカとの協力強化に向けて，有意義な意見交換を行っているところであります。
ラージャパクサ大統領を午前中表敬させていただきまして，また外務大臣とも外相会談を1時間以上にわたって，さらには昼食を挟んでの議論も行わせていただきまして，「自由で開かれたインド太平洋」を実現するために，質の高いインフラ整備であったり，また，防衛・海洋安全保障・海上保安等々に係る協力を継続していくことで一致をいたしました。
それから国際情勢につきましても，北朝鮮情勢，安保理決議の完全な履行を含めて,北朝鮮の完全な非核化に向けて緊密に連携していくことで一致をいたしました。また，拉致問題の早期解決に向けて理解と協力を求めて，支持を得たところであります。
今朝，今年の4月に発生しましたテロ事件の現場を訪問いたしまして，献花をいたしました。日本は今後もスリランカに対しまして，テロ・治安対策分野における支援であったり，また国民和解プロセスへの後押しを行っていきたいと考えております。
この後，インド洋のハブであるコロンボ港の視察をいたします。また，マヒンダ・ラージャパクサ首相を表敬する予定であります。
質疑応答
【記者】今回のスリランカ訪問の意義の部分で，この地域は中国がかなり影響力を強めているわけですけれども，そのあたり日本としてスリランカと連携する意義というのはどのあたりにあるのでしょうか。
【茂木外務大臣】政権，先日発足したばかりでありまして，できるだけ早く，これまでも日本と良好な関係でありましたが，その両国の関係をですね，改めて確認をする，こういうことに大きな意義があると思っていますし，そういう意味では様々な，今，協力関係が進んでいるところでありまして，それをさらに加速化していく，こういったことでも意義のある会談が持てたとこんなふうに思っています。
【記者】このあとマヒンダ・ラージャパクサ首相と表敬されますけれども，マヒンダ氏が大統領の時，中国寄りの政権運営だったとも言われていますが，大臣からどのようなお話をしたいと考えておられますか。
【茂木外務大臣】今日少なくともですね，ラージャパクサ大統領であったりとか，グナワルダナ外相と話をしていく中で，スリランカとして非常に日本との関係，インドとの関係，様々な形でバランスをとった関係を築きたい，こういう意向を持っているようでありまして，そういった意向を歓迎したい，こんなふうに思っています。
【記者】スリランカの関係ではなくて恐縮ですが，ロシアの関係で2点お伺いします。2016年のいわゆる長門合意から今月で丸3年経ちますけれども，この3年間の日露交渉を振り返ってみてのご所感と，このあとモスクワに行かれると思いますが，それに向けての意気込みをお聞かせください。
【茂木外務大臣】昨年11月のシンガポールでの日露首脳会談以降，両首脳間，そして外相間，次官級で交渉を重ねているところでありまして，今年6月の日露首脳会談におきましては，両首脳がシンガポールにおいて共に表明しました1956年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる，こういう決意のもと，精力的に交渉が行われていることを歓迎したわけであります。そして今，それぞれの交渉者，交渉担当者同士でですね，お互いが受け入れられる，こういった解決策を見いだしているところでありまして，まさにラヴロフ外相とこのあと，外相会談をモスクワにおいて行う予定であります。航空機墓参，これが3年連続で続いている，また北方四島におきましてですね，共同経済活動のパイロット・プロジェクト，これも始まって，来年以降これをさらに具体化していくということをですね，そういった協力も進めながら，基本的に領土問題を解決して平和条約交渉を締結する，こういう基本方針のもと，粘り強く交渉にあたっていきたい，こんなふうに考えています。
【記者】この後，モスクワに先立ってスペインの方に行かれると思いますが，韓国の康京和（カン・ギョンファ）さんがASEMに出席すると思いますが，会談の調整状況と，もし会うことになればどのような会談にしたいとのお考えでしょうか。
【茂木外務大臣】康京和外交部長官がマドリードの方にいらっしゃるかどうか，私，確認取れておりませんが，いらっしゃるということであれば会談の方は調整したいとこんなふうに思っているところであります。そこの中におきまして，今，北朝鮮の問題をはじめ，日韓そして日米間の連携というのが極めて重要な状況でありまして，未来志向の日韓関係を作っていくことが重要だと考えております。そのためにもですね，今，韓国が国際法違反，こういった状態でありまして，これを早期に是正するということを改めて働きかけたいと，こんなふうに思っています。
【記者】安倍総理のインド訪問に関しまして，現地の政情不安を受けて中止との報道も出ていますが，現在の調整状況お願いします。
【茂木外務大臣】もうすぐ東京で発表すると思います。現地情勢，東京で今，最終確認中だと，こんなふうに思っています。