1.  本12日,東京において開催された日・ジャマイカ首脳会談に引き続き,安倍総理大臣及びホルネス・ジャマイカ首相の立ち会いの下,我が方山﨑啓正駐ジャマイカ特命全権大使と,先方リカルド・アリコック駐日ジャマイカ特命全権大使(His Excellency Mr.C.P. Ricardo Allicock, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of Jamaica to Japan)との間で,4億円を供与額とするジャマイカの海上保安・災害対処能力強化のための無償資金協力(経済社会開発計画)に関する書簡の交換が行われました。
    2.  ジャマイカは,北米・中南米間をつなぐカリブ海の中心に位置する海洋国家であり,カリブ地域の海上交通の要衝です。このような地政学的状況もあり,漁業の違法操業や,麻薬や銃器等の海上ルートを通じた非合法な流入が年々増加しており,それが国内の治安悪化に結びついて深刻な問題となっています。また,ジャマイカは例年ハリケーン等の自然災害にも見舞われ,海難事故も多々発生していますが,海難救助や被害状況確認等に必要な船舶・機材が不足しているため,被災後の迅速かつ効果的な対応が困難となっています。
    3.  この協力は,ジャマイカ政府に対し,我が国で製造された海上保安・災害対処機材(パトロール艇,救助艇等)を供与するものです。この協力により,ジャマイカの海上保安・災害対処能力の強化が図られ,社会の安定化を通じて,同国の国民全体(人口約293.4万人)が潜在的に裨益することが期待されます。
    4.  また,我が国は,2014年に安倍総理大臣が日・カリコム首脳会合で表明した「日本の対カリコム政策」の第一の柱として「小島嶼国特有の脆弱性克服を含む持続的な発展に向けた協力」を着実に実施しています。その一環であるこの協力により,ジャマイカの経済社会開発を支援することのみならず,供与される日本製の機材・製品等に対する認知度の向上を図り,継続的な需要を創出し,日本企業の海外展開に貢献することも期待されます。

     [参考]ジャマイカは,面積約1万990平方キロメートル(秋田県とほぼ同じ大きさ)。人口約293.4万人(2018年,世界銀行)。1人当たり国民総所得(GNI)は4,990米ドル(2018年,世界銀行)。