(令和元年12月10日(火)11:15 ~ 11:23 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。特に、冒頭ございません。

質疑

記者:
一点、お伺いします。先日、厚生労働省で公表されました体罰のガイドラインについてお伺いします。公表後、インターネット上などで、体罰について定義が示されたが線引きが難しかったという声や、どう子どもと接したらいいのか分からないという戸惑いの声もあります。一方で、児童虐待の防止という観点から、ガイドラインがまとめられた経緯がありますが、これを踏まえて、こういったインターネット上を含めた戸惑いの声に対して厚生労働省としてどう改めて呼びかけるか大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
まず、本年6月に児童福祉法等改正法が成立し、体罰禁止が法定化されたわけであります。その法定化の趣旨は痛みや苦しみを利用して子供の言動を支配するのではなく、子どもが健やかに育つことについて、子育て中の親に対する支援も含め、社会全体で啓発していくための取組を進めていくということであります。また、衆参の附帯決議においても、具体的な例示を示したガイドライン等を早期に作成すべしということもいただいたわけであります。今月3日に検討会を開催して、「体罰等によらない子育てのために」ということでとりまとめの素案を、有識者にご議論いただき、その素案について、今、パブリックコメントをかけ、この後、パブリックコメント、またこの間いただいた様々な意見、それを有識者会議で議論いただいて、とりまとめていきたいと考えております。いずれにしても、まさにその手続きをしっかりとやっていくということと同時に、今回の趣旨、あるいは「体罰等によらない子育てのために」といってとりまとめたもの、内容についてしっかりと周知を図って、理解をしていただくように努めていきたいと思います。
記者:
追加でお伺いします。大臣もお子様がいらっしゃって、子育ての経験も豊富だと思いますが、そういう観点から体罰についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これまで懲戒の中に体罰ということも含めて考えられてきた、その辺が渾然一体としていたという中で、やはり体罰を加えることによる懲戒、要するに体罰による懲戒はしてはならないということを明らかにしたということでありますし、実際、体罰によって子どもたちのしつけをしようということよりは、やはりきちんとよく見て、必要なら説得し、時には子どものしたいようにさせながら誘導していくなど、そういった様々な対応が、子どもが伸びていく上において、また、子どもが将来大人としてまた次の子育てをするにあたっても大事なことではないだろうかという思いで、どこまでできたか分かりませんが、取り組んできたつもりではあります。
記者:
高年齢者雇用継続給付について、政府は段階的に廃止する方針を今進めているということで報道がありましたが、まずそういった検討がされているのかという事実関係と、この制度はやはり60歳以上の雇用ということを考えるときに60歳以降も働いていこうという動機づけの一つの意味合いを持ってきたものなのですが、この制度を今後継続していくべきかどうかについての大臣のご所見をお願いします。
大臣:
そういった報道があったことは承知をしておりますけれども、廃止する方向で議論しているわけではなくて、あり方についてご議論いただいているということであります。その中において、これまで高年齢者雇用継続給付の制度が果たしてきた役割を評価するという声と、それからやはりこれから60歳からさらに雇用が継続をされていく、それからもう一つは同一労働同一賃金が来年の4月から大企業、再来年の4月から中小企業で適用されていく、そうしたことを見据える中で、高齢者の方々の役割とそしてそこに伴う適切な処遇体系というのはどうあるべきなのか、それを形成していくためにどういう対応を取るべきなのか、そういった観点から様々なご議論が行われていると承知をしております。最終的にはそうしたお話を聞かせていただきながら、今申し上げたこれからの方向を見据えながら、この制度としてより効果を発揮していくためにはどうなのか、雇用保険部会における議論を踏まえながら議論をし、結論を出していきたいと考えております。
記者:
三菱電機の男性新入社員が今年8月に自殺をしてその教育主任だった男性社員が自殺教唆の疑いで神戸地検に書類送検されています。三菱電機をめぐっては過労自殺も含めてここ数年労災認定が相次いでいるわけですけれども、こういう企業体質についてどうお考えになるか大臣の所見をお願いします。
大臣:
こうした労災事案について、個別については基本的にはコメントを差し控えさせていただいてきたところでありますけれども、ただいずれにしても、職場におけるパワハラやあるいは長時間労働によって職場環境が悪化し、そこで働く人が健康を害し中には亡くなられるということ、こういうことはあってはならないと思います。パワハラについてはもうご承知のとおり先般の改正法を踏まえて今パワハラ防止のための指針についてパブコメの手続きを行っている最中でありますので、今後そのパブコメを踏まえて指針を策定し、改正法の円滑な施行に向けて改正法やあるいは指針の内容等について周知啓発を行っていきたいと思います。また改正法の履行確保を図ることによって各企業におけるパワハラ防止対策がしっかり進むように取り組んでいきたいと考えております。また本年4月から時間外については上限規制が大企業においては施行されているわけであります。長時間労働が行われていると考えられる企業に対する監督指導を徹底していくということで、時間外労働の上限規制の法律遵守の徹底を図っていきたいと考えております。労災申請について一つひとつ私どもの方からは申し上げませんが、労災申請が行われた事案については当該調査のみならずしっかりと監督指導を行っていくと、こういう姿勢でこれまでも取り組んできているところであります。
 

(了)